#author("2024-05-12T04:03:41+09:00;2019-12-11T14:37:18+09:00","default:kaw","kaw")
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*河豚板6.6のリリースについて 
*河豚板6.6のリリースについて [#y6778363]
RIGHT:EBUG 第71回会合 ~
2019年10月30日、新潟市、万代市民会館 ~
川俣吉広、kaw@on.rim.or.jp
**OpenBSD 6.6 
**OpenBSD 6.6 [#o3e37b0e]
[[2019年10月17日リリース>https://www.openbsd.org/66.html]]

***[[What's new>https://www.openbsd.org/66.html]] 
***[[What's new>https://www.openbsd.org/66.html]] [#d042cbd6]
主なもの
-1023GB以上のメモリに対するサポートを修正(amd64)

-ベースシステムのコンパイラをclangに変更(powerpc): GNU binutils ld → lld

-tmux(1)に対する種々の改良

-SMPの改良 ... 幾つかのシステムコールでロックを除去/MPセーフに

-各種デバイスドライバの追加

-IEEE 802.11および汎用ネットワークスタックの改良

-sysupgrade(8)の追加

-etc...

**河豚板6.6 
**河豚板6.6 [#y93f50ef]
OpenBSD 6.6をベースにした河豚板6.6を作成し、リリース
-2019年11月2日 - i386, amd64
-2019年11月12日 - arm64

**河豚板リリース - 今回のハマりどころ 
**河豚板リリース - 今回のハマりどころ [#uc28b308]
毎回のリリースでは、[[一定の手順>:河豚板の生成]]に従って作業を行うが、OpenBSDが前回リリースから種々の変更がなされているため、それらの影響により手順どおり河豚板を作成しても、本来の動作をしない場合が多々ある。

***インストール容量の増大 
***インストール容量の増大 [#ie7e0438]
amd64でインストール直後のディスク容量が1GB超え → LiveCDの容量(700MB)に収まらない!

-対策
--LiveCDからLiveDVDに変更 → ISOイメージサイズを946MBとした
--併せてLiveUSBのイメージサイズも2GBに変更

-DVDへの書込みはcdio(1)は使用できず、portsなどからdvd+rw-toolsなどをインストールしてそれにより書き込む必要がある。

***vnconfigのエラー 
***vnconfigのエラー [#vcd4695b]
河豚板をビルドし起動してみたところvnconfigがエラー(invalid argument)となり、正常に起動できない。

さらに調査を行ったところ、以下の点が判明
-read onlyでマウントしたファイルシステム上でvnconfigを実行するとエラーとなる
-アーキテクチャ/プラットフォームに関らず発生
-素のOpenBSD(GENERICカーネル)でも発生
-発生元と思われる /usr/src/sys/dev/vnd.c は、6.5からの変更点は一箇所のみ。この箇所を6.5と同じ状態に戻してbuildしても状況は変らず

以上の内容をバグレポートとして[[bugs@openbsd.orgに報告>https://marc.info/?l=openbsd-bugs&m=157199637215270&w=2]]。

数日後、Bob Beck氏よりvnd.cの修正diffをメールにて受け取る。

OpenBSDのリポジトリに対しても、[[HEADブランチにて修正が入る>https://cvsweb.openbsd.org/src/sys/dev/vnd.c?rev=1.170&content-type=text/x-cvsweb-markup]]。

河豚板でもカーネルを修正後、ビルドし、正常動作を確認。

***arm64での動作不安定 
#aname(addswap)
***arm64での動作不安定 [#w8b3f910]
arm64ビルド後、実行してみたところ、以下の不具合が発生

- 起動時/etc/rcの中で行っているASLR処理で、リンカがkillされる

- 起動完了後も、ランダムなタイミングでプロセスがkillされる

/etc/login.confで設定されるリソースのリミット値(1プロセスが扱えるメモリやスタックサイズの最大量など)を変更してみたが状況は変らず。

スワップパーティションを追加してみたところ、不具合は解消。~
ただし、不具合解消時にスワップが使われた形跡なし。現象発生時は、メモリ不足となるような状況ではなく、メモリ使用量のごく少ないプロセスでもkillされていた。よって原因は未だ不明。

arm64の配布イメージにスワップパーティション(64MB)を追加することで対処した。

**改良点 
**改良点 [#ld76f97c]

***usbfadmの改良 
***usbfadmの改良 [#q9375deb]

- 前項の不具合に対応して、usbfadmユティリティにてLiveUSB作成時、スワップパーティションを作成できるように機能追加

- プログレスバー表示ユーティリティpvをportsより追加 ~
併せて、usbfadmにて時間のかかるファイル転送時、プログレスバーを表示するようにした

- ファイル転送時、差分転送ではない箇所を rsync から pax / dd に変更。

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