Top/EBUG勉強会/20190223_SerialConsole

河豚板のシリアルコンソール対応

EBUG 第68回会合
2019年2月23日、(有)銀座堂
川俣吉広、kaw@on.rim.or.jp

シリアルコンソールを使用するケース

OpenBSDを使っていると、以下のようなケースでシリアルコンソールを使用する場合がある。

OpenBSDをシリアルコンソールで運用するには以下の操作を行う。

河豚板での問題点

通常のOpenBSDをHDD等へインストールする場合であれば、インストール時に

Change the default console to com0? [no]

と訊かれるため、これにyesと答えれば上記の設定が行われる。

一方、河豚板ではデフォルトでは毎回fresh bootとなるため、このような設定をあらかじめ作り込んでおくことができない。 そのため、別のアプローチを取る必要がある。

さらに、bootプロンプト(又はboot.conf)で設定したボーレートと/etc/ttysに記述されているエントリが合っていない場合、途中で通信速度が変わってしますため、端末側の通信速度をそれに合わせてやらなければならない。

対応策

河豚板では、OpenBSD本来の初期化スクリプト/etc/rcに先立ち、/boottmp/rcという独自の初期化スクリプトが実行される。
シリアルコンソール対応として、/boottmp/rc内で以下の処理を行うこととした。

実際に/boottmp/rc内に追加したコードは以下のようになる。

-        echo "Keyboard type;"
-        while :; do
-            kbd -l | sed -e '1,3d; /^$/d' | sort | paste - - - -
-            echo -n '-> '; read kbtype
-            if kbd $kbtype; then
-                echo $kbtype > /etc/kbdtype
-                break
-            fi
-        done
+        if dmesg | grep -q '^.* at .*: console keyboard'; then    ←コンソールがwsconsデバイスの場合のみ
+            echo "Keyboard type;"                                   キーボードレイアウトを設定するように変更
+            while :; do
+                kbd -l | sed -e '1,3d; /^$/d' | sort | paste - - - -
+                echo -n '-> '; read kbtype
+                if kbd $kbtype; then
+                    echo $kbtype > /etc/kbdtype
+                    break
+                fi
+            done
+        fi
 
-        echo "Please wait ... "
+        #------------------------------
+        # serial console (for vmm/vmd)
+        #                                                 ブートメッセージに「com0: console」が
+        if dmesg | grep -q '^com0: console'; then      ← 出力されたらシリアルコンソールと判定
+            ttyspeed=`stty speed`                      ← ボーレートを取得
+            sed -i.orig -e 's|^tty00[  ].*|tty00       "/usr/libexec/getty std.'${ttyspeed}'"  vt220   on  secure|' /etc/ttys
+        fi                                   ↑
+                            /etc/ttysファイルの該当エントリを書き換えて
+        #---------------    シリアルデバイスからログインできるようにする。
+        # root password
+        #
         until passwd root
           do
           echo "passwd failed, Try again."
         done

まとめ

以上の改修により、河豚板が起動された環境がheadless運用の場合などにシリアルコンソールを自動的に有効化し、スムースに運用することができるようになった。

河豚板ではLive Systemの特徴を活かすため起動時に環境を自動検出し、動的に設定を書き換えるようになっている。 例を挙げると;

今回のシリアルコンソール対応も、これらの設定などと同様の方針で行われた。


Top/EBUG勉強会/20190223_SerialConsole

Front page   New Page list Search Recent changes   Help   RSS of recent changes