「俺はお仕着せのISOイメージは嫌だ。
普段使い慣れた環境をLiveCD化して使いたい」
という方のための作成マニュアル
上記の必要なものをそろえる。作業は前項Aの環境を動作させ、
その上で作業を行なう。
作業は root 権限で行う。
起動したLiveCD作成作業用のOpenBSD上で作業用ディレクトリを作成し、 その中で作成ツール (tools-3.8beta.tar.gz) を展開する。
tar xvzf tools-3.8beta.tar.gz
このツールは3.8beta用だが、リリース版のOpenBSD 3.8に対しても
使用可。
展開されたツールは以下のファイルツリー構成となっている;
tools-3.8 +-Makefile +-bsd +-bsd.orig +-cdroot/ | +-->[LiveCDの元となる環境(前項のC)] +-lib/ | +-RDROOT | +-cdboot | +-cdbr | +-elfrdsetroot.c +-rdroot/ | +-->[rdroot.imgのマウント・ポイント] +-rdroot.img [rdrootの実体] +-rdroot.orig/ [カーネルに組み込むルートイメージ] | +-bin@ -> boottmp | +-boottmp/ | | +-init* ksh* ln* login.conf | | mount* mount_cd9660* mount_ffs* mount_mfs* | | rc* sh* sysctl* | | | +-cdrom/ | +-dev/ | | +-MAKEDEV, (各種デバイスファイル) | +-etc@ -> boottmp | +-mfs/ | +-mnt/ | +-sbin@ -> boottmp | +-tmp/ +-rdsetroot*
LiveCD上で動作させるカーネルを作成する。 生成時に使用するカーネル構成ファイルは、RAM Diskデバイスをマウントできるよう、 以下の記述を加える。
#config bsd swap generic ←この行はコメントアウト option RAMDISK_HOOKS option MINIROOTSIZE=3800 ←rootファイルシステムのサイズ config bsd root on rd0a (512バイト/ブロック)
~略~
pseudo-device rd 1 # ramdisk
標準のカーネル構成ファイルGENERICにこの変更を加えたものがlib/RDROOTなので、 これを参考にする。
あとは、通常のカーネルの生成と同様、 自分の用途に合せて構成ファイルの内容を編集し、カーネルを生成。 この構成ファイルをMYRDとすると、以下のように操作;
cd /usr/src/sys/arch/i386/conf vi MYRD config MYRD cd ../compile/MYRD make clean && make depend && make
出来たカーネルをbsd.origにコピーする。
LiveCDの元となるOpenBSD 3.8動作環境をcdroot以下にコピーする。 他のマシンからコピーする場合
cd cdroot && ssh root@orig-host 'tar cpf - /' | tar xvpf -
このままでも動作には差し支えないはずだが、不要なファイルもあるので、 それらを消去する。
以下の何れかのコマンドを実行する。
make livecd.iso ... ISOイメージを livecd.iso という名前で作成 (CDへの書き込みは行なわない)
又は
make cdburn ... CD-Rを作成する(焼きこみ)
又は
make cdrburn ... CD-RWを作成する(CD-RWの初期化+焼きこみ)
make cdburn / make cdrburn で実際にCDを作成した場合は、 当り前だが、そのCDでbootして動作を確かめる。
エミュレータを使用して、CDに焼かずにISOイメージを直接確認する方法もある。
portsなどから、QEMUをインストールし、以下のようにエミュレータを起動する。
qemu -localtime -m 128 -boot d -cdrom livecd.iso
動作PCの内部時計がUTCの場合は、-localtimeは不要。また、-mオプションでは 使用メモリをメガバイト単位で指定する。 実ハードウェアの検証などが不要な場合(起動スクリプトの動作確認など)は、 この方法が便利。
Makeファイルには以下のターゲットが存在する;