IRCとメールとの間でメッセージをやりとりするための機能を 実験的に実装してみました。
アーキテクチャの概略を下図に示します。
下図の[IRC/SMTP Gateway]および[injector]の部分が今回作成した部分です。
IRC/SMTP Gatewayは、IRCクライアントとして目的のチャンネルにJOINしており、 IRC内での発言を受信します。 受信された発言は、メーリングリストに転送するためメールとしてSMTPサーバに渡されます。
一方、メーリングリストにメールが投稿された場合は、メーリングリストの配信先の アカウントの一つから injectorというプログラムに引き渡されます。 injectorの起動とデータの引き渡しは、.forwardや.procmailrcでの設定により行っています。
injectorは、標準入力からメールのヘッダと本文を読み込み 一定の形式に変換した後 IRC/SMTP Gatewayに渡し、このメッセージが IRCネットワークに投稿されます。
Mailing IRC
List Channel
|<---[ML driver] |<-->[IRC user 1]
| ^ |
[ML user 1]<-->| | |<-->[IRC user 2]
|--->[SMTP Server]<----[IRC/SMTP]<-->|
[ML user 2]<-->| [Gateway ] |----[IRC user n]
| ^
[ML user n]<-->| |
| |
[ML user X]<-->| |
| |
| |
+-->[.forward or]-->[injector]-------+
[.procmailrc]
IRCネットワーク上では、ゲートウェイは一人のユーザのように見え、 そのチャンネルでの発言はすべてメーリングリストに投稿されるため、 とくに設定等は必要ありません。
メールを用いて交信を行う場合はメーリングリストに加入する 必要があります。
今回の実験では、メーリングリストシステムにPPML*1 を使用しています。
PPMLの使用法を簡単に説明します。
To: ppserv@dameningen.kicks-ass.net本文
subscribe ircebugしばらくすると、以下のような確認を求めるメールが自動返送されてきます。
Subject: Request to Confirm From: PPML-Server <ppserv@dameningen.kicks-ass.net> To: kaw@on.rim.or.jp本文
Subscribe request for "ircebug" mail-list from your address received.
If you can approve this request, Send back a line below.
confirm 1202794262-00000001741 ircebug
Thanks.
-- ircebug-request@dameningen.kicks-ass.net
このメールの「confirm 1202794262-00000001741 ircebug」の部分を
ppserv@dameningen.kicks-ass.net宛に返送すると、
このメールの発信元メールアドレスがメーリングリストにメンバーとして追加されます。To: ppserv@dameningen.kicks-ass.net本文
unsubscribe ircebug
To: ppserv@dameningen.kicks-ass.net本文
off ircebug
To: ppserv@dameningen.kicks-ass.net本文
on ircebug
To: ppserv@dameningen.kicks-ass.net本文
get ircebug 1-10最後の数字は、取得したいメールの記事番号です。
get ircebug 10 ... 記事番号10のメールを取得 get ircebug 1-10 ... 1から10まで get ircebug 1,2,7 ... 1と2と7 get ircebug 1,2,5-10 ... 1と2と5から10までoffコマンドで一時的に配送を停止していた間に 配送されたメールもgetコマンドで取得できます。