川俣 吉広
&date;

河豚板とは

河豚板(ふぐいた)はOpenBSDというオペレーティングシステム(Operating System: OS)を基に作成されたライブシステムです。

河豚板は無償で入手・利用することができ、CD-R/CD-RWやUSBメモリに書込んだ河豚板をPCで起動するだけで手軽にOpenBSDを活用することができます。

この河豚板ガイドでは、記録メディアへの河豚板の書込み方法、起動方法、基本的な使用方法に始まり、進んだ使い方のための使用手順や設定方法に至るまで、河豚板を利用するためのノウハウを一通り解説致します。

Unix系OSの使用経験があまりなく、Unixの基本的な事柄について知りたい方は Unixの使い方を調べるをご覧下さい。
LinuxやFreeBSDなど他のUnix系OSの使用経験がありOpenBSDについて詳しく知りたい方は OpenBSDの使い方を調べる を参照願います。


【河豚板ガイド 目次】

河豚板を作る

この章では、河豚板が起動するCDやUSBメモリを作成する方法を紹介します。

河豚板を使うには、主に2つの方法があります。

1つはCD-RやCD-RWに河豚板を書込み、これを起動する方法で「LiveCD」などと呼ばれます。
もう1つはUSBメモリに書込んだものを起動する方法で、こちらは「LiveUSB」という呼び名があります。

河豚板はLiveCD版とLiveUSB版のどちらを使用しても同じように利用できますが、それぞれ特徴がありますので用途によって使い分けるのがよいと思います。

総じて「動作の確実性や経済性を求めるのであればLiveCD版が、性能や利便性を重視するならLiveUSB版が向いている」と言えます。

【メモ】
LiveCD版とLiveUSB版の両方を同時に使う「いいとこ取り」な使いかたもできます。
このテクニックを使うと、例えば「USB起動に対応していないPCでLiveUSB版の河豚板を使う」ことや「LiveCD版の河豚板でデータの保存と読み込みをする」ことなどもできます。

最初に河豚板を使い始めるには、以下の手順を踏みます;

  1. 河豚板の配布サイトからファイルをダウンロードする
  2. ダウンロードしたファイルは圧縮されているので、それを展開する
  3. 展開したファイルをCD-RやUSBメモリに書き込む

以下、それぞれの手順について説明をします。

河豚板をダウンロードする

dlsite.png

河豚板はフリーソフトウェアです。河豚板の最新版を始めとした全ての版はインターネットで公開され、自由にダウンロードして使用することができます。

河豚板のダウンロードサイトは2つあります。

サイトの内容は同じなので、どちらのサイトからでも同じようにダウンロードできます。
これらのサイトにアクセスすると、右図のような内容が表示されます。

このうち、「FuguIta-」で始まる名前のファイルが河豚板の配布物です。

#img(): File not found:

このファイル名の意味は、次のようになっています。

FuguIta-5.8-201512051.iso.gz
        --- --------- --- --+->ファイルの圧縮形式です。
         |      |      |       ・gz ... gzipコマンドを使って圧縮
         |      |      |       ・xz ... xzコマンドを使って圧縮
         |      |      |
         |      |      +->ファイルの種類です
         |      |         ・iso ... CD-R/CD-RW書込み用のISOイメージです
         |      |         ・img ... USBメモリ書込み用の生イメージです
         |      |
         |      +->河豚板のリリース(バージョン)です
         |         ・「年月日」「一連番号」 の形式となっています
         |         ・一連番号は、一日のうち2つ以上の河豚板を作成した場合、
         |           一つづつ増えて行きます
         |
         +->この河豚板の元となっているOpenBSDのバージョンです

作成するのがLiveCDか、あるいはLiveUSBか、そして手元で使えるファイル圧縮/展開ソフトがgzipかxzかでファイルを選択してダウンロードします。

【メモ: 圧縮ソフトについて】
ファイル圧縮/展開ソフトはgzip形式に対応したものの方が普及しています。一方、xzはgzipよりも圧縮率が高くファイルがより小さいので、ダウンロード時間が短くて済みます。
Windowsでは、7-Zipなどが両形式のファイル展開に対応しています。

ダウンロードが完了したら、圧縮されているファイルを展開します。
以下は、Unix系のOSでシェルのコマンドラインからCD-R/CD-RW用のファイルを展開する場合の例です;

展開が完了するとファイルサイズが約700メガバイトになり、ファイル名も.gzあるいは.xzの拡張子が取れたものになります。

河豚板のLiveCDを作る

LiveCD版の河豚板を作るには700MB以上の容量を持つCD-R/CD-RWメディアを用意し、ダウンロード・展開済みのISO形式のファイルを書き込みます。
以下は、OpenBSDのcdioコマンドを使用して書き込みを行う場合の例です;

cdio -f /dev/rcd0c blank                          ←CD-RWの内容を消去する。CD-Rの場合は実行しなくてよい。
cdio -f /dev/rcd0c tao FuguIta-5.8-201512051.iso

【メモ】
他のOSでもISOイメージ書き込みソフトが公開されているので、そのようなソフトを使って河豚板のLiveCDを作成できます。

河豚板のLiveUSBを作る

LiveUSB版の河豚板を作るには1ギガバイト以上のサイズのUSBメモリを用意し、ダウンロード・展開済みのIMG形式のファイルを書き込みます。
以下は、OpenBSDを使用して書き込みを行う場合の例です;

dd if=FuguIta-5.8-201512051.img of=/dev/rsd0c

【ご注意】
!!上の例の「/dev/rsd0c」の部分は書き込み先となる機器の指定です。これはあなたが使用するPCの周辺機器の接続状態、あるいはddコマンドを実行するオペレーティングシステムの種類によって変ってきます。このコマンドを実行すると指定した機器に記録されているデータは全て消えてしまいますので、書き込み先が正しいかどうかの確認は事前に十分に行って下さい。

【メモ】
ISOイメージ書込みソフト同様、生イメージ書き込み用のソフトも種々公開されていますので、そのようなソフトも利用可能です。
1ギガバイト以上のUSBメモリを使用しても、1ギガバイトを超える部分は使用されません。
USBメモリのサイズに合ったLiveUSB版河豚板を作成したい場合は 動作中の河豚板から河豚板のLiveUSBやデータ保存用USBを作る を参照して下さい。

河豚板を起動する

この章では河豚板の起動方法、およびその途中で行う設定値の入力について説明します。

河豚板を書き込んだCDやUSBメモリをPCにセットして起動すると、河豚板のシステムが起動します。

【メモ】
CDやUSBメモリをセットして起動しても、すでにインストールされているWindowsやLinuxなどが起動してしまう場合があります。これは、PCにはどの機器を使用して起動するかの優先順設定があり、この設定がCDやUSBメモリより内蔵ハードディスクの方が優先的に起動するようになっているためです。
河豚板を起動できるようにするにはPCのBIOSメニューの設定を変更し、CDやUSBメモリの優先順位を内蔵ハードディスクより高くします。
PCのBIOSメニューは機種により異なりますので、お使いのPCの取扱説明書をご参照頂くか、ネット上で検索を行い、調べてみて下さい。

河豚板が起動すると、以下のようなメッセージが表示されます;

Booting from DVD/CD...
CD-ROM: E0
Loading /CDBOOT
probing: pc0 com0 apm pci mem[639K 254M a20=on]
disk: fd0 hd0+* cd0
>> OpenBSD/i386 CDBOOT 3.23
|
>> Uniprocessor kernel is
>> 'bsd-fi' .
>> Enter this if you wish.

boot> 
booting cd0a:/bsd-fi.mp: 11699164+1069068 [83+412048+405876]=0xcf5104
entry point at 0x200120

[ using 818460 bytes of bsd ELF symbol table ]
Copyright (c) 1982, 1986, 1989, 1991, 1993
       The Regents of the University of California.  All rights reserved.
Copyright (c) 1995-2015 OpenBSD. All rights reserved.  http://www.OpenBSD.org

OpenBSD 5.8-stable (RDROOT.MP) #2: Wed Nov 11 13:18:48 JST 2015
    root@nimbus5.localnet:/opt/fi/5.8/sys/arch/i386/compile/RDROOT.MP
cpu0: QEMU Virtual CPU version 2.2.1 ("GenuineIntel" 686-class) 1.96 GHz
cpu0: FPU,PSE,TSC,MSR,PAE,MCE,CX8,APIC,SEP,PGE,CMOV,MMX,FXSR,SSE,SSE2,SSE3,POPCNT,HV,PERF
real mem  = 267796480 (255MB)
avail mem = 248184832 (236MB)
mpath0 at root
...省略...
vscsi0 at root
scsibus2 at vscsi0: 256 targets
softraid0 at root
scsibus3 at softraid0: 256 targets
root on rd0a swap on rd0b dump on rd0b
fuguboot.png

【メモ】
実際には画面表示が途中から青地に白になります。

このメッセージはカーネル(オペレーティングシステム本体)が表示しています。

これらの表示にはPCのメモリや周辺機器の接続状態などの認識結果が示されており、起動がうまくいかない場合などのトラブルを解決する際に重要な情報源となります。

#img(): File not found:

OpenBSDカーネルの起動が完了すると、河豚板のバナーが表示されます。

============================================
=     ______               __   _
=    / ____/              |  |_| |__
=   / /____  ______  __  _|  /_   _/_____
=  / ___/ / / / __ \/ / / |  | | | /  _  |
= / /  / /_/ / /_/ / /_/ /|  | | |_| (_) |__
=/_/   \____/\__  /\____/ |__| \___/____/__/
=            __/ /
=           /___/
=
= Welcome to FuguIta - OpenBSD LiveCD!
=                 http://fuguita.org/?FuguIta
=============================================

河豚板のバナー表示に続きこのPCに接続されているディスク機器の調査が行われ、そのうちどれに河豚板のシステムがインストールされているかの表示が行われます。

以下の例では「FuguIta's operating device(s): cd0a.」とあるので、LiveCD版の河豚板がCD-R/RWやBlu-Rayなどの光学ドライブにセットされていることがわかります。

よって、「Which is FuguIta's operating device?」(河豚板の運用機器はどれですか?)のプロンプトに対し cd0a と入力します。

【メモ】
これ以降、様々な値を入力してゆきますが、それらのプロンプト中に「[default: xxxx]」という表示がある場合は xxxx がデフォルト値であることを示しています。この場合は下の例のように<Enter>キーを入力するだけでもxxxx<Enter>と入力されたものと見なされます。

scanning partitions: wd0i wd0j cd0a
FuguIta's operating device(s): cd0a.
Which is FuguIta's operating device? [default: cd0a] ->      ← <Enter>のみ入力

【メモ】
OpenBSDオペレーティングシステムでは、ディスク機器に対して以下のようなルールで名前がつきます。

  • 最初のアルファベット数文字 ... 機器の種類
    • cd ... CD, DVDやBlu-Rayなどの光学ドライブ
    • wd ... ハードディスク(IDE, SATA接続)
    • sd ... USBメモリ、SDカード、メモリスティック、SATA接続、SCSI接続、USB接続のハードディスクなど
    • fd ... フロッピーディスク
  • それに続く数字 ... その種類の機器が複数接続されてる場合、0から増えてゆきます
  • 最後のアルファベット ... その機器内の区画(パーティション)
    パーティションは概ね、以下のように使用されています;
    • c ... その機器全体を表します
    • b ... その機器内のOpenBSDスワップパーティションを表します
    • a, d〜h ... OpenBSDのファイルが格納されるパーティションです。aパーティションはルートファイルシステムとして用いられることが多いです
    • i, j など ... Windows用のパーティション(NTFSやFATなど)として表されることが多いです。
  • 注)cパーティション、bパーティション以外は慣習的にそのようなパーティション名が付けられている場合もあり、上の説明に従わないケースもあります。

続いて、メモリに関する設定を行います。

以下の例ではまず、このPCには約255メガバイトのメモリが装着されていることを報告しています。
そして、その255MBのメモリの内、何メガバイトをtmpfsに割り当てるかをユーザが入力します。

LiveCDやLiveUSBなどのシステムはPCに内蔵されたハードディスクを使用しないため、その替わりにメモリ上にディレクトリやファイルを保持する領域を確保します。OpenBSDではそのための仕組みとしてtmpfs (Temporary File System)というものがあり、河豚板もこのtmpfsを使用しています。

tmpfsの割当てサイズとして0を指定すると、装着されているメモリに応じて自動で割当てが行われます。
0は入力時のデフォルト値でもあるので<Enter>キーを押すだけで、0が入力されたと見做されます。
通常はこの<Enter>キーだけの入力で問題ありません。

【メモ】
0ではない数値を入力した場合はその値がtmpfsが保持できるファイルの最大値となります。例えば下の例で100<Enter>と入力したとすると、ファイルやディレクトリは合計で最大約100メガバイトまで保持でき、残りの約155メガバイトはプログラムの実行のために確保されます。

user memory: 255 MB
Enter tmpfs size in MB. (0MB is auto)
[default: 0MB] ->                                            ← <Enter>のみ入力
tmpfs size will be automatically allocated

続いて起動モードの選択に移ります。

起動モードはモード0からモード5までの6種類がありますが、まずは標準的なモード0を選択します。

【メモ】
他のモードについては 河豚板を使う【一般編】河豚板を使う【応用編】 で説明します。

Select boot mode;
  0: fresh boot (normal)
  1: fresh boot (lower memory, faster boot than mode 0)
  2: fresh boot (works only on tmpfs)
  3: retrieve user data from USB flash memory
  4: retrieve user data from floppy disk
  5: interactive shell for debugging
->0
Running manual setup.
Copying system files to /ram ... done
Extracting symlinks from /ram to /fuguita ... done

次はキーボードの言語設定です。

日本語キーボードの場合は「jp」又は「jp.swapctrlcaps」を入力します。

「jp.swapctrlcaps」を入力すると、<Control>キーと<Caps>キーの位置が入れ替わり、<Control>キーはアルファベット「A」キーの左隣となります。
EmacsエディタやBashシェルなどのキー割り付けに慣れている方はこちらのほうがよいかも知れません。

【メモ】
キーボード設定はX Window Systemの環境にも引き継がれます。

Keyboard type;
be      be.swapctrlcaps br      cf
cf.nodead       de      de.nodead       dk
dk.nodead       es      fr      fr.dvorak
fr.swapctrlcaps fr.swapctrlcaps.dvorak  hu      is
is.nodead       it      jp      jp.swapctrlcaps
la      lt      lv      nl
nl.nodead       no      no.nodead       pl
pt      ru      sf      sf.nodead
sg      sg.nodead       si      sv
sv.nodead       tr      tr.nodead       ua
uk      uk.swapctrlcaps us      us.declk
us.dvorak       us.iopener      us.swapctrlcaps us.swapctrlcaps.dvorak
us.swapctrlcaps.iopener                 
-> jp
kbd: keyboard mapping set to jp

キーボード設定に続き、管理者パスワードの設定を行います。

OpenBSDなどのUnix系OSでは、システム管理者のことを「スーパーユーザ (super user)」と呼び、それ以外のユーザを「一般ユーザ (ordinary user)」と呼びます。
スーパーユーザには、あらかじめ「root」というユーザ名が割当てられていますので、そのrootに対してパスワードを設定します。

【メモ】
OpenBSDでは入力したパスワードが短かすぎたり単純過ぎたりすると、警告文が出てそのパスワードは受け入れられません。
設定するパスワードには以下のようなものが推奨されています;

  • 半角6文字以上
  • アルファベットの大文字と小文字を混在させる
  • 数字や記号文字、制御文字なども混ぜる
Please wait ... 
Changing local password for root.
New password:                                 ← パスワード入力は表示されません
Retype new password:                          ← 確認のため、もう一回入力します

最後に、ネットワーク関連の設定を入力します。

【メモ】
ネットワークの設定内容は接続するネットワークの環境によって異なります。
ネットワークの環境に合致しない設定をされたコンピュータが接続された場合、そのネットワークや接続されたコンピュータに思わぬ影響を及ぼすことがあります。
企業内や公共施設などに河豚板を接続する場合は、そのネットワークの管理者に接続設定について前もって相談することをお勧めします。

最初に、河豚板を走らせるPCに名前(ホスト名: host name)を付けます。
この例ではホスト名として「fugu-demo」という名前を付けています。

host name (without domain) -> fugu-demo

次は使用するIPプロトコルバージョンの設定です。
IPv4プロトコルを使用する場合は「4」を、IPv6プロトコルの場合は「6」を、IPv4、IPv6両方を使用する場合は「46」または「64」を入力します。

「n」を入力するとIPプロトコルに関する設定は行なわれません。この場合はこれ以上の設定項目はなく、 ログイン画面に移行 します。

以下の例ではIPv4, IPv6両方を使う設定としています。

IP version(s) to use [n, 4, 6 or 46]-> 46

続いてネットワークインターフェースの設定を行います。

まず、このPCに接続されているネットワークインターフェースとその状態の一覧が表示されます。

以下の表示はifconfigというネットワーク設定コマンドの出力ですが、ここではlo0、em0、enc0という3つのネットワークインターフェースが表示されています。

これに続き、「Available network interface(s): em0」と表示されているため、利用できるネットワークインターフェースが em0 であることがわかります。

今までの例と同様、 入力のデフォルトとして em0 が表示されているため、em0を指定するのに<Enter>キーのみを押しています。

==[ifconfig -a]=========================
lo0: flags=8008<LOOPBACK,MULTICAST> mtu 32768
        priority: 0
        groups: lo
em0: flags=8802<BROADCAST,SIMPLEX,MULTICAST> mtu 1500
        lladdr 52:54:00:12:34:56
        priority: 0
        media: Ethernet autoselect (1000baseT full-duplex)
        status: active
enc0: flags=0<>
        priority: 0
        groups: enc
        status: active
========================================
Available network interface(s): em0
network interface to setup [em0] ->                          ← <Enter>のみ入力

【メモ】
lo0, enc0は特殊なインターフェースなので、設定候補からは外されています。
「em」はインテル社製のギガビットイーサネットインターフェースに付けられている名前です。
em以外のイーサネットインターフェースや無線LANインターフェースが接続されている場合なども、それらがifconfigの表示に出力されます。
個々のネットワークインターフェースについてはOpenBSDに内蔵されている オンラインマニュアルで調べること ができます。

次はこのPCのFQDN (Fully Qualified Domain Name)を入力します。FQDNとは先程入力した、このコンピュータの名前にドメイン名を付加したものです。
このコンピュータの「ホスト名.」がすでに表示されているので、残りのドメイン部分を入力します。

FQDN of this host -> fugu-demo.localnet

【メモ】
家庭内のネットワークなどでは、ドメイン名は正式に登録・管理されているわけではないので、適当な名前を付けます。一般に .local.localnet などが使われることが多いようです。
組織によって管理されているネットワークの場合は、そのネットワークの管理者に相談して下さい。

最後にDNSやIPアドレス関連の設定があります。

【メモ】
DNS (Domain Name System)とは、「fuguita.org」のようなドメイン名から「152.152.211.70」のようなIPアドレスを検索するための仕組みです。コンピュータが通信を始める時、まずDNSサーバと呼ばれるコンピュータに検索を依頼し、その検索結果として返されたIPアドレスを使用して通信します。

DNSの設定には3パターンあります。

以下の例のように<Enter>キーだけを入力するとDHCPによる設定となり、DNSサーバは自動で設定されます。
DHCPはこのPCのIPアドレス関連の設定も併せて行いますので起動時の設定はこれで完了です。後はログイン画面に移行します。

【メモ】
DHCPを使用するには、そのネットワークにあらかじめDHCPサーバが設置されている必要があります。
家庭用のネットワーク機器や公共のWi-FiスポットではDHCPサーバが設置されていることが多いです。

DNS setup;
  Manual : Enter up to three IPv4/IPv6 addresses, separated by spaces
  DHCP   : Just press ENTER .
  no DNS : Enter "none".
-> 
========================================

一方、以下のようにDNSサーバのIPアドレスを手動設定した場合は、その後にこのPC自身のIPアドレス関連の設定も行います。
(noneを指定してDNSなし運用を選択した場合も同様にIPアドレス関連を設定します)

DNS setup;
  Manual : Enter up to three IPv4/IPv6 addresses, separated by spaces
  DHCP   : Just press ENTER .
  no DNS : Enter "none".
-> 172.16.1.16                             ←DNSサーバのIPアドレス
IPv4 addr of this host -> 172.16.1.23      ←このPCのIPアドレス
netmask                -> 255.255.0.0      ←このネットワークのネットマスク
default route          -> 172.16.1.95      ←このネットワークのデフォルトルート
========================================

起動時の設定は以上です。残った初期化処理を行った後はログイン画面に移行します。

Automatic boot in progress: starting file system checks.
setting tty flags
kbd: keyboard mapping set to jp
pf enabled
machdep.allowaperture: 0 -> 2
machdep.lidsuspend: 1 -> 0
machdep.userldt: 0 -> 1
starting network
DHCPDISCOVER on em0 - interval 3
DHCPOFFER from 10.0.2.2 (52:55:0a:00:02:02)
DHCPREQUEST on em0 to 255.255.255.255
DHCPACK from 10.0.2.2 (52:55:0a:00:02:02)
bound to 10.0.2.15 -- renewal in 43200 seconds.
openssl: generating isakmpd/iked RSA key... done.
ssh-keygen: generating new host keys: RSA DSA ECDSA ED25519 
starting early daemons: syslogd pflogd ntpd.
starting RPC daemons:.
savecore: can't find device 17/1
checking quotas: done.
clearing /tmp
kern.securelevel: 0 -> 1
creating runtime link editor directory cache.
preserving editor files.
starting network daemons: sshd smtpd sndiod.
Path to firmware: http://firmware.openbsd.org/firmware/5.8/
No devices found which need firmware files to be downloaded.
starting local daemons: cron.
Sat Dec  5 15:08:50 UTC 2015

OpenBSD/i386 (fugu-demo.localnet) (ttyC0)

login: 

ログインプロンプト「login:」が表示されると、このPCはユーザが利用可能な状態になっています。
以降は 河豚板を使う にて説明を致します。

河豚板を使う【一般編】

河豚板を起動する では起動及びその設定方法について説明しました。
この章ではシステムが起動完了し、実際に使用する時の基本的な手順について説明します。

また、Unix系OSになじみのない人、そして他のUnix系OSを使用経験がある人が参照すると役に立つ情報源をそれぞれ紹介します。

システム管理者としてログイン・ログアウトする

河豚板の起動が完了すると、OpenBSDオペレーティングシステムのログイン画面が表示されます。
最初はスーパーユーザのアカウントのみがログインできる状態ですので「login:」のプロンプトに対し root、「Password:」のプロンプトに対し起動時に設定したパスワードを入力します。

OpenBSD/i386 (fugu-demo.localnet) (ttyC0)

login: root
Password:
Last login: Sat Dec  5 15:10:49 on ttyC0
OpenBSD 5.8-stable (RDROOT.MP) #2: Wed Nov 11 13:18:48 JST 2015

Welcome to OpenBSD: The proactively secure Unix-like operating system.

Please use the sendbug(1) utility to report bugs in the system.
Before reporting a bug, please try to reproduce it with the latest
version of the code.  With bug reports, please try to ensure that
enough information to reproduce the problem is enclosed, and if a
known fix for it exists, include that as well.

You have mail.
#

ログインに成功するとシェルのプロンプト「#」が表示され、コマンドが実行可能な状態になります。
例としてpsというコマンドを実行してみます。

# ps -aux
USER       PID %CPU %MEM   VSZ   RSS TT  STAT  STARTED       TIME COMMAND
root         1  0.0  0.0   764     4 ??  Is    11:13PM    0:01.01 /sbin/init
root     16321  0.0  0.0   620     4 ??  Is    11:15PM    0:00.01 dhclient: em0
_dhcp    15024  0.0  0.0   716     4 ??  Is    11:15PM    0:00.00 dhclient: em0
_syslogd   356  0.0  0.0   940     4 ??  I     11:15PM    0:00.03 /usr/sbin/sys
root     12915  0.0  0.0   940     4 ??  Is    11:15PM    0:00.01 syslogd: [pri
root     32600  0.0  0.0   616     4 ??  Is    11:15PM    0:00.01 pflogd: [priv
_pflogd  29838  0.0  0.0   680   348 ??  S     11:15PM    0:00.26 pflogd: [runn
root      4197  0.0  0.0   600     4 ??  I<s   11:15PM    0:00.01 ntpd: [priv]
_ntp     28802  0.0  0.2   996  2124 ??  S<    11:15PM    0:00.33 ntpd: ntp eng
_ntp     10091  0.0  0.0   884     4 ??  I     11:15PM    0:00.04 ntpd: dns eng
root     11122  0.0  0.0   920     4 ??  Is    11:15PM    0:00.00 /usr/sbin/ssh
root      9211  0.0  0.0  1384     4 ??  Is    11:15PM    0:00.02 smtpd: [priv]
_smtpd   17619  0.0  0.0  1436     4 ??  I     11:15PM    0:00.01 smtpd: contro
_smtpd   25681  0.0  0.0  1164     4 ??  I     11:15PM    0:00.03 smtpd: schedu
_smtpd   19326  0.0  0.0  1368     4 ??  I     11:15PM    0:00.03 smtpd: pony e
_smtpd   32520  0.0  0.0  1232     4 ??  I     11:15PM    0:00.04 smtpd: klondi
_smtpd    2987  0.0  0.0  1308     4 ??  I     11:15PM    0:00.02 smtpd: lookup
_smtpq   13491  0.0  0.0  1384     4 ??  I     11:15PM    0:00.01 smtpd: queue
_sndio    4822  0.0  0.0   528     4 ??  I<s   11:15PM    0:19.63 /usr/bin/sndi
root     11581  0.0  0.0   656   460 ??  Is    11:15PM    0:00.03 /usr/sbin/cro
root     14855  0.0  0.0   280     4 C0  Is+   11:15PM    0:00.01 /usr/libexec/
root     24959  0.0  0.1   656   684 C0  Ss    11:19PM    0:00.03 -ksh
root      1699  0.0  0.0   388   372 C0  R+    11:21PM    0:00.00 ps -aux
root     11287  0.0  0.0   276     4 C1  Is+   11:15PM    0:00.01 /usr/libexec/
root     28547  0.0  0.0   280     4 C2  Is+   11:15PM    0:00.01 /usr/libexec/
root     12101  0.0  0.0   284     4 C3  Is+   11:15PM    0:00.01 /usr/libexec/
root     27847  0.0  0.0   280     4 C5  Is+   11:15PM    0:00.01 /usr/libexec/

psは、現在どのようなプログラム(プロセス)が動いているかを表示するコマンドです。
システムが起動直後、しかも画面表示上動きのない様子であっても内部ではすでに沢山のプロセスが起動されていることがわかります。

ログアウトするにはシェルのプロンプト「#」が出ているときに <Control>-D を押すか、「exit」と入力します。

【メモ】
<Control>-Dは「<Control>キーを押したままの状態でアルファベットの「D」キーも押す」という意味です。<Control>-Dはまた、「^D」と表記されることもあります。

# exit

OpenBSD/i386 (fugu-demo.localnet) (ttyC0)

login: 

ログアウトすると「login:」が表示され、再度ログインできる状態になります。

一般ユーザを登録する

起動直後の河豚板は、スーパユーザ(システム管理者)用のアカウントrootでのみログインできます。

Unix系のOSでは、通常は一般ユーザとしてログインし、日常の利用を行います。
システム管理の時には一般ユーザから一時的にスーパユーザになるか、あるいは一般ユーザからログアウトした後、スーパユーザとしてログインし直して管理作業を行います。

【ご注意】
!!スーパユーザでログイン中はシステムを動作不能にしてしまうような操作を容易に実行できてしまいます。勿論、故意にではない誤操作の場合も例外ではありません。このようなリスクを防ぐため、一般ユーザのアカウントを作成し、通常はそのアカウントで使用することを強くお勧めします。

以下、一般ユーザとしてyoshiというアカウントを作成してみます。
ユーザアカウントの作成もシステム管理ですので、rootで行います。

ユーザアカウントを追加するにはadduserというコマンドを使用します。
まず、ユーザアカウント追加時のデフォルト値を訊かれます。これはadduserの初回の実行時にだけ訊かれます。通常は全て<Enter>キーのみの入力で問題ありません。

# adduser
Couldn't find /etc/adduser.conf: creating a new adduser configuration file
Reading /etc/shells
Enter your default shell: bash csh ksh nologin nsh sh [ksh]:    ←<Enter>を入力
Your default shell is: ksh -> /bin/ksh
Default login class: authpf bgpd daemon default pbuild staff unbound
[default]:                                                      ←<Enter>を入力
Enter your default HOME partition: [/home]:                     ←<Enter>を入力
Copy dotfiles from: /etc/skel no [/etc/skel]:                   ←<Enter>を入力
Send welcome message?: /path/file default no [no]:              ←<Enter>を入力
Do not send message(s)
Prompt for passwords by default (y/n) [y]:                      ←<Enter>を入力
Default encryption method for passwords: auto blowfish [auto]:  ←<Enter>を入力
Use option ``-silent'' if you don't want to see all warnings and questions.

Reading /etc/shells
Check /etc/master.passwd
Check /etc/group

以降は、一般ユーザのアカウント「yoshi」を作成してみます。
最初に表示されているように、入力内容は最後に訂正でき(入力しなおせ)ます。

Ok, let's go.
Don't worry about mistakes. There will be a chance later to correct any input.
Enter username []: yoshi                        ←アカウント名(半角アルファベット半角数字)
Enter full name []: KAWAMATA Yoshihiro          ←ユーザの本名
Enter shell bash csh ksh nologin nsh sh [ksh]:  ←<Enter>を入力 (ログインシェル)
Uid [1000]:                                     ←<Enter>を入力 (ユーザID)
Login group yoshi [yoshi]:                      ←<Enter>を入力 (ログイングループ)
Login group is ``yoshi''. Invite yoshi into other groups: guest no
[no]: wheel                                     ←(ログイングループ以外に加入するグループ)
Login class authpf bgpd daemon default pbuild staff unbound
[default]:                                      ←<Enter>を入力 (ログインクラス)
Enter password []:                              ←パスワードを入力 (表示されません)
Enter password again []:                        ←確認のためのパスワード再入力

Name:        yoshi
Password:    ****
Fullname:    KAWAMATA Yoshihiro
Uid:         1000
Gid:         1000 (yoshi)
Groups:      yoshi wheel
Login Class: default
HOME:        /home/yoshi
Shell:       /bin/ksh
OK? (y/n) [y]: y                                ←入力内容の確認
Added user ``yoshi''
Copy files from /etc/skel to /home/yoshi
Add another user? (y/n) [y]: n                  ←他にもユーザアカウント作成するなら「y」
Goodbye!
# 

【メモ】
この例ではアカウントyoshiをwheelというグループにも加入させています。
wheelに加入しているユーザは、システム管理作業を行うために、一時的にrootになることができます。

以上で、yoshiという一般ユーザアカウントが作成されましたので、実際にログインできるか確認してみます。

# exit

OpenBSD/i386 (fugu-demo.localnet) (ttyC0)

login: yoshi
Password:
OpenBSD 5.8-stable (RDROOT) #2: Wed Nov 11 13:18:12 JST 2015

Welcome to OpenBSD: The proactively secure Unix-like operating system.

Please use the sendbug(1) utility to report bugs in the system.
Before reporting a bug, please try to reproduce it with the latest
version of the code.  With bug reports, please try to ensure that
enough information to reproduce the problem is enclosed, and if a
known fix for it exists, include that as well.

$ pwd
/ram/home/yoshi
$ ls
$ ls -a
.            .config      .fvwm2rc     .mailrc      .ssh         .xsession
..           .cshrc       .fvwmrc      .mew         .twmrc
.Xdefaults   .cvsrc       .icewm       .mplayer     .w3m
.Xresources  .emacs       .login       .profile     .xinitrc
$ ^D

OpenBSD/i386 (fugu-demo.localnet) (ttyC0)

login:

【メモ】
rootでログインしたときのシェルのプロンプトは「#」になりますが、一般ユーザの場合は「$」となります。
以降の例示箇所でもこの表記に従います。
OpenBSDではrootアカウントでのSSHによるログインは許可されていません。SSHによるリモートログインを行ないたい場合も一般ユーザのアカウントを作成しておく必要があります。

河豚板を終了する

河豚板の運用を終了するにはrootでログインし、shutdownコマンドを実行します。

# shutdown -h -p now
Shutdown NOW!
shutdown: [pid 22103]
#
*** FINAL System shutdown message from root@fugu-demo.localnet ***
System going down IMMEDIATELY



System shutdown time has arrived

# syncing disks... done

上の例では、shutdownコマンドへの指定として -h オプションを指定しているので、システムは停止(halt)します。 また、-p オプションを指定しているので停止直後に電源が自動的にOFF (power off)になります(PCによっては -p オプションによる電源OFFに対応していない機種もあります。この場合は手動で本体の電源をOFFにします)。

-h オプションや -p オプションの替わりに -r オプションを指定すると、システムは再起動(reboot)します。

システムの停止や再起動を行うと、今回の起動後に行った設定や作成したユーザアカウント、また、ファイルやディレクトリの作成や編集、削除などの一切の結果は消えてなくなります。

【メモ】
これら各種の設定やデータを保存・復帰させることもできます。この方法は 保存した設定やファイルを起動時に読み込む で説明します。

河豚板上で行った操作がシステムを停止すると消えてしまうということは、見方を変えると内蔵ハードディスクにインストールされている既存のシステムなどに影響を及ぼしにくいということでもあります。
つまり、rootでファイルの消去やプロセスの停止などを行ってもその影響は限定的なので、システム管理の練習などを安心して行うことができます。

X Window Systemを使用する

fugu-desktop.png

OpenBSDはX Window Systemというグラフィック環境を含んだ形で出荷されており、河豚板もこのX Window Systemを使用することができます。

【メモ】
X Window Systemは「X」や「X11」などと略して呼んでもよいことになっています。以下、X Window SystemをXと表記することにします。

Xを起動するには、シェルのプロンプトが出ている状態で startx と入力します。

$ startx

startxを実行してしばらくすると、ディスプレイの表示が右図のような画面に切り替わります。

#img(): File not found:

河豚板ではXを起動すると、IceWMというウィンドウ・マネージャとROX-Filerというデスクトップ環境が立ち上がります。

上の起動画面では画面上部のアイコンが並んだパネルと壁紙部分はROX-Filerが管理しています;

各アイコンの機能は画像の表示の通りですが、以下簡単に説明します。

ROX Filer
ファイルマネージャを開きます。Homeはホームディレクトリ、Appsはアプリケーションのショートカットを置くためのディレクトリです。
kterm
漢字ターミナルエミュレータです。日本語EUC文字コードを表示する設定で立上ります。
Emacs
Emacsテキストエディタです。河豚板のEmacsはX非対応でビルドされていますので、実際にはktermが立ち上り、その中でEmacsが動作しています。
Image Viewer: QIV
ROX Filerで表示されている画像ファイルをこのアイコンボタンにドロップすると、QIV (Quick Image Viewer)が起動し、画像が表示されます。
MPlayer
ROX Filerで表示されている音声ファイルや動画ファイルをこのアイコンボタンにドロップすると、MPlayerが起動し、音声や動画の再生が行われます。。
WWW: W3M
ウェブブラウザW3Mが立ち上り、河豚板の公式サイトfuguita.orgを表示します。 fuguita.orgにアクセスできない場合は、ホームディレクトリの内容を表示します。
Mailer: Mew
Emacs上で動くメーラMewを起動します。Mewを使用するにはホームディレクトリ直下のファイル.mewの設定が必要です。詳しくはEmacsでInfoを使用してマニュアルを参照して下さい。
Lock Screen
これをクリックするとスクリーン全体をロックします。ロックを解除するには、ロック中の画面をクリックするか何かキーを押し、ログイン中のユーザのパスワードを入力すればロックは解除されます。
Input Method
入力メソッド(UIM)の制御や設定を行うためのツールバーを表示します。

個々のアプリケーションの詳細については、それぞれのマニュアル等を参照して下さい。

画面下部のバーはIceWMによって管理されています;

Application Menu
上のスクリーンショットは左下のIceWMボタンをクリックし、「Programs」からアプリケーションの一覧を表示した状態です。
Settingsメニューでは、ウィンドウのデザインやマウスの挙動を設定変更することができます。
Desktop/Workspace handlings
IceWMボタン横のボタンでは、ウィンドウ一覧の表示、デスクトップの表示、端末エミュレータの起動、ワークスペースの切替などを行うことができます。
Battery Status, CPU Load, New Mail and Clock
左下にはPCの状態を示す各種アイコンが表示されます。左から、バッテリーの残量、CPUの付加、メールが新着したかどうか、そして現在時刻が表示されています。

Xを終了するには、全てのアプリケーションを終了させた後、画面左下のIceWMボタンをクリックして logout を選択します。

日本語の設定をする

Xでは、日本語の表示や入力を行うことができます。
日本語を使えるようにするには、ホームディレクトリ内にある .xinitrc ファイルを編集します。

【メモ】
.xinitrc のようなテキストファイルの編集には、テキストエディタを使用します。
OpenBSDではテキストエディタとして ed, ex, vi, mg などがあり、河豚板では更に GNU Emacs テキストエディタが追加インストールされています。

編集を行うのは .xinitrc の以下の部分です。

# #=======================================
# # If you wish to activate your locale settings
# #  1) Extract your locale files like this;
# #       # cd /usr/local/share
# #       # tar xvjpf locale.tar.bz2 'locale/fr/*'
# #    (In case of French locale for example)
# #  2) Uncomment and reconfigure following commands
# #
# LANG=ja_JP.UTF-8
# LC_ALL=$LANG
# XMODIFIERS='@im=uim'
# GTK_IM_MODULE='uim'
# QT_IM_MODULE='uim'
# export LANG LC_ALL XMODIFIERS GTK_IMMODULE QT_IMMODULE
# #
# uim-xim &
# #
# #=======================================

この各行の先頭にあるハッシュ記号と空白を削除し、以下のようにします。

#=======================================
# If you wish to activate your locale settings
#  1) Extract your locale files like this;
#       # cd /usr/local/share
#       # tar xvjpf locale.tar.bz2 'locale/fr/*'
#    (In case of French locale for example)
#  2) Uncomment and reconfigure following commands
#
LANG=ja_JP.UTF-8
LC_ALL=$LANG
XMODIFIERS='@im=uim'
GTK_IM_MODULE='uim'
QT_IM_MODULE='uim'
export LANG LC_ALL XMODIFIERS GTK_IMMODULE QT_IMMODULE
#
uim-xim &
#
#=======================================

【メモ】
.xinitrc 内のコメント文でも説明されているように、言語設定を有効にするためには /usr/local/share/locale 以下にあるロカールファイルのうち、目的とする言語のファイルを展開する必要があります(河豚板ではこれらのロカールファイルはLiveCDの空き容量節約のために圧縮されています)。
英語と日本語のロカールファイルについては、すでに展開済みですのでこの操作は必要ありません。

.xinitrc ファイルの編集を終えた後、Xを立ち上げなおすと日本語に対応した環境になっています。

【メモ】
ktermやEmacsなどは独自に多言語化を行っているのでこの節で説明した設定とは別に日本語設定を行う必要がありますが、河豚板では設定済みです。
kterm や Emacs の言語エンコーディングは EUC-JP に設定されています。その他大部分の日本語対応アプリケーションは UTF-8 対応となっています。
ROX-Filerなどメニューの表示等が英語のままでも、日本語に対応しているアプリケーションがあります。

OpenBSDの多言語化対応は比較的最近開始されました。河豚板でも日本語の対応は限定的となっています。

設定やファイルを保存する

河豚板ではユーザが作成したファイル、設定の変更、追加されたパッケージ、システムのログなど一切のファイルをLiveUSB版の河豚板に作成されているデータ保存用パーティションに保存し、以降の起動時に呼び出すことができます。

データの保存にはrootでログインし、usbfadmコマンドを実行します。

# usbfadm
 Welcome to USB flash maintenance tool.

     Boot mode: manual

Type ? for help.

?:? ->

まず、targetコマンドを使用して保存先のパーティションを指定します。

 ?:? -> target

Rescanning USB flash
 Please make sure the device inserted.
  Then press ENTER -->

USB flash memory found as sd0

次に、saveasコマンドを使用して保存するデータに名前を付けます。
名前を省略した場合、「OSのバージョン番号-ホスト名」が保存名として使用されます。

 /dev/sd0d:? -> saveas

Enter data set name [5.8-fugu-demo] -> 

Now data set name is set to ``5.8-fugu-demo''.

プロンプトの文字列が変化していることにご注意下さい。 今ほどのtargetコマンドとsaveasで設定した値がプロンプト内に表示され、確認ができるようになっています。

最後にsyncコマンドを実行し、データを実際に保存します。

 /dev/sd0d:5.8-fugu-demo -> sync

Sync current mfs as 5.8-fugu-demo, OK? -> y

building file list ... done
created directory /mnt/livecd-config/5.8-fugu-demo
./
etc/
etc/bgpd.conf
etc/boot.conf
   :
   :
var/yp/Makefile.yp
var/yp/Makefile.yp.dist
var/yp/README

sent 16455591 bytes  received 232568 bytes  180412.53 bytes/sec
total size is 15492096  speedup is 0.93

infoコマンドで保存されたデータの情報を表示してみます。

/dev/sd0d : 5.8-fugu-demo -> info

Filesystem     Size    Used   Avail Capacity  Mounted on
 /dev/sd0d     218M   18.9M    179M   9.6%    /mnt

scanning...

18.9M   5.8-fugu-demo

データは問題なく保存されているようなのでusbfadmを終了します。

/dev/sd0d : 5.8-fugu-demo -> bye

#

【メモ】
厳密には、usbfadmコマンドで作成したパーティションでなくとも、OpenBSDのFFS形式でフォーマットされたパーティションで、/livecd-configというディレクトリが作成されているものであれば使用できます。

保存した設定やファイルを起動時に読み込む

設定やファイルを保存する で説明した方法で保存されたデータは以降の起動時に読み込ませ、環境を復帰させることができます。
データを復帰させるには、ブートモード3「retrieve user data from USB flash memory」を選択します。

Select boot mode;
   0: clean boot
   1: clean boot (lower memory, faster boot)
   2: clean boot (everything on mfs)
   3: retrieve user data from USB flash memory
   4: retrieve user data from floppy disk
   5: interactive shell for debugging
-->3
USB flash memory found as sd0
available configs;

5.8-fugu-demo

your config name? -> 5.8-fugu-demo
Copying files from flash to mfs ... done

保存したデータ名を指定すると退避させていたデータを復帰し、起動が再開されます。
各種設定値もすべて復帰するため、最初に説明した起動モード0と違いネットワークの設定などは訊かれません。

ログイン後、さらにデータを保存することもできます。手順は 設定やファイルを保存する で説明した方法と同じですが、 すでにLiveUSB上にファイルが保存されているため、変更したファイルやディレクトリのみが対象となります。
そして、保存デバイス名と保存名はすでに設定済みなので、いきなりsyncコマンドを実行してもOKです。

シャットダウン時、データの退避は自動的には行われないので、その都度手動でusbfadmコマンドを実行する必要があります。 これを自動化したい場合は 終了時にデータが自動で保存されるようにする をご参照下さい。

Unix の使い方を調べる

本ガイドの冒頭で説明したように、河豚板はUnix系のOSである OpenBSD をベースにして作成されています。

Unixは約半世紀前に開発され、以降さまざまなコンピュータ向けの実装が作成されてきました。今ではUnix系のOSはスーパーコンピュータからスマートフォンや家電製品、あるいは小さな組込み機器までさまざまな環境で使用されるに至っています。

Unix系OSはMicrosoft WindowsなどのOSとは操作方法が大きくことなっており、最初はどのように使ってよいか見当がつかない方もいるかも知れません。

Unix系OSの基本的な部分はコンシューマユーザ向けに作られてはいません。OpenBSDも例外ではなく、予備知識を持たないユーザを想定した親切なユーザインターフェースなどは初期状態ではほとんど用意されていません。言い替えると「なんとなくあちこちいじっているうちに使い方がわかった」ということにはなりません。

そんなUnix系OSを理解し、活用するにはどのようなアプローチを取ればよいのでしょうか。

書籍を用意しましょう

Unix系OSに関する基本を解説している書籍を用意しましょう。
様々な実装が存在するUnix系OSですが、それらにはUnix哲学とも呼ばれる共通した考え方があります。この考え方を理解し、実践できるようになることがUnix系OSを習得する上でのキーになります。
書籍の内容としては特定の実装だけを対象とせず、基本的な概念から応用の入口までを網羅的・体系的に解説しているものがよいでしょう。

「これ一冊読めばすべてOK」というような書籍はなかなかないのですが、定評のあるものをいくつか挙げておきます;

  • はじめてUNIXで仕事をする人が読む本 / 木本雅彦 他 著 / KADOKAWA アスキーメディアワークス
  • 新 The Unix Super Text [上] / 山口和紀・古瀬一隆 著 / 技術評論社

以下のものは副読本として読むと、より理解が進むかもしれません;

  • Unixという考え方−その設計思想と哲学 / Mike Gancarz著 芳尾桂訳 / オーム社
  • Linuxを「読む」 / こじまみつひろ著 / 毎日コミュニケーションズ

とにかく自分でやってみましょう
オンライン・マニュアルを活用しましょう

やはり自分で手を動かすことが、効果的なスキル習得の基本になります。
その際、やみくもにやってみるのではなく、オンラインマニュアル(manコマンド)を活用しましょう。オンラインマニュアルはそのシステムに即していますから書籍やネットが持つ弱点、記述が古くなっていたりとか、違う実装に基いて説明している、というようなことがありません。

【メモ】
Unixのマニュアルページは幾つかの章に別れています。
同じ名前の項目が複数の章にある場合があります。例えば「sleep」は、1章(一般コマンド)と3章(ライブラリ)の両方にあり、それぞれsleep(1)、sleep(3)の様に記述します。ですので、sleepコマンドのコマンドラインを知りたい場合は、

$ man 1 sleep

C言語でプログラミングをしていて、sleep関数の使い方を知りたい場合は、

$ man 3 sleep

として第3章にあるsleep関数の説明を表示します。

Unixのコマンドは、その多くが使用方法の簡単な説明を表示する機能を持っています。

$ man
usage: man [-acfhklw] [-C file] [-I os=name] [-K encoding] [-M path] [-m path]
           [-O option=value] [-S subsection] [-s section] [-T output] [-W level]
           [section] name ...
$ cp -?
cp: unknown option -- ?
usage: cp [-fip] [-R [-H | -L | -P]] source target
       cp [-fip] [-R [-H | -L | -P]] source ... directory

上の例ではmanコマンドとcpコマンドのヘルプメッセージを表示させています。
この例のようにヘルプメッセージはそのコマンドが何をするか知っているが、どんなオプションがあったかを思い出すためといったような備忘録的な役割を持っています。

ネットは「参考情報」として活用しましょう

インターネットを活用するとUnix系OSに関連する情報も、簡単に得ることができます。
しかし、前項で説明したような弱点もあります。特に検索エンジンでの検索結果については目の前の実機にもあてはまるかどうかは自分で判断する必要があります。検索サイトの結果は「参考情報」として活用するのがよいでしょう。
さらに、現在では多くのUnix系OSが開発コミュニティなどによる「公式サイト」を持っています。公式サイトの情報は一次情報として活用できます。

以上述べたことを例えば「ファイルの属性」というトピックにあてはめて考えると、次のようになるでしょう;

河豚板は以上で述べたようなUnix系OSの習得にも向いています。つまり、インストール作業不要というライブシステムの特徴を活かし、ユーザが気軽に色々と試せる環境、失敗しても容易にやりなおせる環境を提供しています。

OpenBSDの使い方を調べる

前節の Unix の使い方を調べる ではUnix系OSの使用経験のあまりない人がUnix系OSの使い方を習得するためのヒントについて説明しましたが、この節では他のUnix系OSの使用経験のある人がOpenBSDを使う場合の情報源について述べます。

導入
rootでログインすると、OpenBSDプロジェクト開発リーダーのTheo de Raadtからのメールが届いています。

# mail
Mail version 8.1.2 01/15/2001.  Type ? for help.
"/var/mail/root": 1 message 1 new
>N  1 deraadt@do-not-re  Sun Oct 18 07:58   86/4565  Welcome to OpenBSD 5.8!
& more 1
Message 1:
From deraadt@do-not-reply.openbsd.org Sun Oct 18 07:58:58 MST 2015
Date: Oct 18 07:58:58 MST 2015
From: deraadt@do-not-reply.openbsd.org (Theo de Raadt)
To: root
Subject: Welcome to OpenBSD 5.8!

This message attempts to describe the most basic initial questions that a
system administrator of an OpenBSD box might have.  You are urged to save
this message for later reference.
....(以下略)....

このメールでは、OpenBSDをインストールした人が最初に持つと思われる疑問について説明しています。メール本文に書いてある情報源をたどってゆくことで、OpenBSDを使用する上での様々なノウハウを得ることができます。

以下このメールの内容と重複する部分もありますが、システム上の各種情報源について触れていきます。

オンラインドキュメント
Unixの使い方を調べるで述べたようにマニュアルページはUnix系OSの重要な情報源ですが、OpenBSDにおいても例外ではありません。
そのことはインストール直後のroot宛てメールにおいても、以下のように強調されています;

Again, PLEASE READ THE MANUAL PAGES.  Our developers have spent countless
hours improving them so that they are clear and precise.

マニュアルページには、特に導入のためのエントリも幾つか用意されています。

help
Unix初心者向けのエントリです。コマンドラインでhelpコマンドを実行した場合もこのエントリが表示されます。
man
manコマンドの説明です。OpenBSDではmandocというプログラムによってマニュアルページのシステムが再実装されていますが、manコマンドの使い方は他のUnix系OSとほぼ同じです。
afterboot
インストール直後にチェックを行ったほうがよい項目について解説しています。この文書の 河豚板を使う【一般編】 より詳しく網羅的な内容ですので、ご一読をお勧めします。
intro
マニュアルページはカテゴリごとに章に別れていますが、その各章に関する説明です。例えば、
man 1 intro
とすると、一般コマンドカテゴリについての説明が、
man 5 intro
では、ファイル形式のカテゴリ全般についての説明が表示されます。

OpenBSDでは、マニュアルページの章立ては以下のようになっています;

1一般コマンド
2システムコールとエラー番号
3ライブラリ
3fFortran言語のリファレンスガイド
3pPerl言語のリファレンスガイド
4デバイスドライバ
5ファイル形式
6ゲーム
7その他
8システム保守・運用のためのコマンド
9カーネル内部情報
X11X11R6と同じ
X11R6X Window System
local/usr/local配下にインストールされたコマンド
nTcl/Tk言語のコマンド

各セクションのマニュアルの内容は現状のシステムに追従し続けており、常にアップデートと推敲が行われています。
また他のUnix系OSでは4章(デバイスドライバ)などの章で、ほとんど情報が提供されていない実装系もありますが、OpenBSDではこのような情報も完備されており、例えば無線LANの設定のように使用するハードウェアに依存した設定情報が必要な場合も十分な情報を得ることができます。

emacsinfo.png

GNUプロジェクト由来のコマンドやEmacs上で動作するアプリケーションに関しては、Info形式のドキュメントが提供されている場合があります。
InfoドキュメントはEmacsエディタ上で、<Meta>-x info<Enter>、あるいは<Escape> x info<Enter>と入力することで閲覧できます。

【メモ】
シェルのコマンドラインから実行・閲覧が可能なinfoコマンドもあります。infoコマンドによる表示では日本語のInfoドキュメントがうまく表示されませんのでご注意下さい。

#img(): File not found:

マニュアルページやInfo以外にもアプリケーション固有のドキュメントがあります。 それらは主に次に挙げるディレクトリの下にあります;

システムファイル
サーバやアプリケーションソフトなどの設定ファイルはすべて/etc以下に集約されています。
パッケージ管理ツールports/packagesで追加されたソフトウェアは、/usr/local以下にインストールされますが、設定ファイルに関しては/etc以下に配置されます。X関連の設定ファイルについても同様です。

システムの動作ログは、/var/log以下にあります。唯一、cronのみが/var/cron/logというログファイルを作成します。

インターネット上の情報

http://www.openbsd.org/
プロジェクトによって運営されている公式サイト。OpenBSD全般に関する詳細なガイドシステムの更新情報など、ウェブ上のOpenBSD関連情報の起点です。
http://undeadly.org/
OpenBSD関連のニュースサイト。以前、河豚板の紹介記事も投稿されました。
メーリングリスト
公式に管理・運営されているメーリングリストがあります。また、これらのアーカイブサイトもあり、ウェブでの閲覧も可能です。

書籍
作者の知る限り、日本語で記述されたOpenBSD関連の本は2015年現在出版されておりません。

英語の書籍に関しては公式サイトの記述をご参照下さい。

河豚板を使う【応用編】

河豚板を使う【一般編】 では河豚板の基本的な使用手順について説明しました。
この章では河豚板の特徴を活かした、さらに進んだ利用法について紹介します。

【メモ】
この章では以下のように、河豚板を使う【一般編】 で設定した環境を引続き使用する前提で説明を行います;

  • ホスト名としてfugu-demo.localnetを想定
  • インターネットにアクセスできる状態になっている
  • 一般ユーザyoshiが作成されている。yoshiはwheelグループにも属しているため、rootになることができる。

アプリケーションを追加する

河豚板はOpenBSDで提供されているソフトウェアに、日常よく使うであろうと思われるアプリケーションを追加しています。

更に、システム起動後にもユーザがアプリケーションを追加することができます。

アプリケーションを追加するにはOpenBSDのports/packagesシステムを利用する方法が手軽です。
packagesのソフトウェアを追加するには、pkg_addというコマンドをrootで実行します。例として、ウェブブラウザであるMozilla Firefoxをインストールする例を以下に示します(例の中にある「5.8」の部分は、実際に使用している河豚板のバージョンで置き換えて下さい)。

$ su -
Password:
# export PKG_PATH=ftp://ftp.jaist.ac.jp/pub/OpenBSD/5.8/packages/i386/
# pkg_add firefox
quirks-2.114 signed on 2015-08-09T15:30:39Z
quirks-2.114: ok
firefox-39.0.3:nspr-4.10.8: ok
firefox-39.0.3:nss-3.19.2: ok
firefox-39.0.3:icu4c-55.1p0: ok
firefox-39.0.3:mozilla-dicts-en-GB-1.3p0: ok
firefox-39.0.3:hunspell-1.3.2p2: ok
firefox-39.0.3: ok
Look in /usr/local/share/doc/pkg-readmes for extra documentation.
--- +hunspell-1.3.2p2 -------------------
Install mozilla dictionaries for extra hunspell languages.
e.g.
    # pkg_add mozilla-dicts-ca
# exit
$ firefox http://fuguita.org/

pkg_addによるアプリケーションの追加はrootで作業しなければなりません。
上の例では、suコマンドを使用して一時的にrootになっています。勿論、yoshiをログアウトしてrootでログインしなおし、そこでpkg_addを実行しても構いません。

pkg_addを実行すると目的のアプリケーションを実行するために必要な他のソフトウェアも同時に追加されます。上のfirefoxの例では、nspr, nss, icu4c, mozilla-dicts-en-GB, hunspellがそれです。

インストール完了時に、2種類のコメントが表示されています;

以上の例のような方法で、アプリケーションを追加することができます。
ports/packagesからどのようなソフトウェアがpkg_addできるかはウェブブラウザでftp://ftp.jaist.ac.jp/pub/OpenBSD/5.8/packages/i386/をご覧下さい。またはftp://ftp.jaist.ac.jp/pub/OpenBSD/5.8/ports.tar.gz というアーカイブに含まれるINDEXというファイルにソフトウェアの説明つきの一覧があります。

【メモ】
ports/packagesシステムについてはhttp://www.openbsd.org/faq/faq15.htmlに詳しい説明があります。また、上の例ではダウンロード元としてftp.jaist.ac.jpを使用しましたがダウンロードサイトは他にもあり、その一覧はhttp://www.openbsd.org/ftp.htmlで見ることができます。
ports/packagesを利用せずソフトウェア開発元が公開しているソースコードを直接コンパイル・インストールする所謂「野良ビルド」も可能です。

河豚板ではpkg_addで追加したソフトウェアもまた、usbfadmコマンドによるデータ保存/復帰の対象となります。

一般ユーザが一時的にシステム管理者になれるようにする

前節の アプリケーションを追加する では、suコマンドを使用して一般ユーザから一時的にrootになってシステム管理作業を行う方法を紹介しましたが、他にdoasというコマンドも使用できます。
doasは設定ファイルで動作を制御できる点、rootのパスワードを知らなくてもroot権限でのコマンド実行ができる点などでsuコマンドより使い勝手がよくなっています。

doasを使うには、まず設定ファイル/etc/doas.confを編集する必要があります。
最初はdoas.confは存在していませんので以下のコマンドを実行し、ファイルを作成します(doas.confがすでに存在している場合は、テキストエディタでdoas.confを編集します)。

# echo permit :wheel > /etc/doas.conf
# chmod 0640 /etc/doas.conf

この操作で、「permit :wheel」という内容1行だけのdoas.confが作成されます。これは、wheelグループに所属しているユーザに対してroot権限でのコマンド実行を許可するように設定しています。この設定を用いて、一般ユーザでログイン中にusbfadmユティリティを用いて例えば次の例のように、設定やファイルを保存する ことが可能となります。

$ doas /usr/fuguita/sbin/usbfadm
Password:
Welcome to USB flash maintenance tool.

     Boot mode: usbflash
Data stored in: /dev/sd0d
 Data Saved as: 5.8-fugu-demo
     
Type ? for help.

/dev/sd0d : 5.8-fugu-demo ->

先に説明したようにdoas.confの設定を行うと、doas実行時にパスワードを訊かれますが、これにはrootのパスワードではなく、doasを実行したユーザのパスワードを入力します。
パスワードを入力しないでdoasを実行することもできます。詳しくはdoas.conf(5)を参照して下さい。

【メモ】
doasはUnix系のOSで一般的に使われているsudoと置き換えるためにOpenBSD開発陣が再実装したコマンドです。sudoはOpenBSD 5.8以降はOS本体には含まれていませんが、portsからインストールして使うことが可能です。

タイムゾーンを変更する

モード0で起動した直後の河豚板は、時間帯(time zone: タイムゾーン)がUTC (Universal Coordinated Time: 協定世界時)になっています。
協定世界時に比べ日本標準時(Japan Standard Time: JST)は9時間進んでいます。

$ date
Wed Dec 23 02:27:58 UTC 2015

河豚板の時間帯をJSTにするには以下のようにコマンドを投入し、シンボリックリンク/etc/localtimeの指し示すファイルを変更します。

$ cd /etc
$ ls -l localtime
lrwxr-xr-x  1 root  wheel  23 Dec 23 02:27 localtime -> /usr/share/zoneinfo/UTC
$ doas ln -s -f /usr/share/zoneinfo/Japan localtime
Password:
$ ls -l localtime
lrwxr-xr-x  1 root  wheel  25 Dec 23 11:28 localtime -> /usr/share/zoneinfo/Japan
$ date
Wed Dec 23 11:28:53 JST 2015
$

【メモ】
設定後のJSTが実時刻とずれている場合はdate(1)を使い、root権限で修正します。

時刻を参照するNTPサーバを変更する

NTP (Network Time Protocol)はコンピュータがネットワーク上で通信を行いながら、それぞれの時刻を同期させるためのプロトコル(通信規約)です。
OpenBSDはNTPを用いてインターネット上の時刻基準に自身の時刻を同期させる機能をもっており、この機能は河豚板でも使用することができます。

OpenBSDはインストール時にNTPを使用するかどうかの設定を行います。一方、河豚板ではこの機能はデフォルトで有効になっています。

NTPの機能はntpd(8)というプログラムによって実装されており、ntpdの動作状況を見るにはntpctl(1)というコマンドを実行します。

$ ntpctl -s status
4/4 peers valid, constraint offset 0s, clock synced, stratum 3

上記の例のように「clock synced」と表示されていれば、ntpdは時刻の基準となる外部のNTPサーバと通信し、その結果時刻の同期が取れてことがわかります。一方、

$ ntpctl -s status
0/1 peers valid, clock unsynced

のように「clock unsynced」となっている場合は、何らかの原因で時刻が同期できていません。

OpenBSDではインストール時にNTP機能を有効にすると、時刻基準としてpool.ntp.orgというサーバ群を参照するようになり、河豚板の設定もそれに倣っています。

企業の社内LANなどではセキュリティの関係から、pool.ntp.orgなど外部のNTPサーバとの通信ができないようになっている場合があります。そのような場合、社内LAN上にNTPサーバが運用されていれば、そのサーバを参照することで自ホストの時刻を正確に保つことができます。

以下にNTPサーバの設定方法を示します;

ntpdはntpd.conf(5)というファイルにより動作が設定されますので、root権限でntpd.confを編集します。

$ doas -s
Password:
# vi /etc/ntpd.conf
 ntpd.conf内のこの3行を
  ↓
servers pool.ntp.org
sensor *
constraints from "https://www.google.com"
  ↓
 以下の一行に変更
  ↓
server ntp.localnet

上の例では、「ntp.localnet」というNTPサーバを参照するように設定を変更しています。

設定ファイルの編集が終了したらntpdを再起動し、変更内容を反映させます。
バックグラウンドで走行しサービスを提供するntpdのようなプログラムをUnixではデーモン(daemon)と呼びますが、OpenBSDではデーモンの操作にrcctl(8)というコマンドを使用することができます。

# rcctl restart ntpd
ntpd(ok)
ntpd(ok)
# 

以上で設定変更作業は完了したので、rootから一般ユーザに戻ります。あとはntpdの挙動をntpctlで監視します。

# exit
$ ntpctl -s status
1/1 peers valid, clock unsynced

上記のようになっていれば(まだ)同期はとれていませんが、1つのピア(peer, 参照しているNTPサーバ)が有効となっていることがわかります。

$ ntpctl -s status
1/1 peers valid, clock synced, stratum 3

しばらく時間が経過すると、時刻同期が取れていることが確認できました。

ntpctlは更に詳しくntpdの状態を表示することもできます。またntpd自身が動作記録を/var/log/daemonや/var/log/messagesなどのログファイルに残しますので、それらを調べることでより詳細なntpdの動作把握ができます。
詳しくは各コマンドや設定ファイルのマニュアルページを参照して下さい。

【メモ】
ntpdは時刻のずれを非常にゆっくりと修正していきます。これはいきなり時刻を大きく変更するとシステムの運行に悪影響を及ぼす可能性があるからです。そのため、時刻のずれが大きい場合は同期が取れるまでに長い時間がかかる場合もあります。

OSの設定値を変更する

前節ではNTPサーバの設定変更方法について説明しました。

この節ではOpenBSDで動作しているサービスの設定について説明致します。

全ての設定方法について具体的な説明を行うことは現実的ではないので、設定をカテゴリ毎に分け、それらカテゴリのそれぞれについて説明します。

カーネルパラメータ
OpenBSDカーネルの機能は色々な方法で制御できますがその一つとして、sysctl(8)コマンドを使う方法があります。

$ sysctl -a | less
kern.ostype=OpenBSD
kern.osrelease=5.8
kern.osrevision=201510
kern.version=OpenBSD 5.8-stable (RDROOT.MP) #2: Wed Nov 11 13:18:48 JST 2015
    root@nimbus5.localnet:/opt/fi/5.8/sys/arch/i386/compile/RDROOT.MP

kern.maxvnodes=44152
kern.maxproc=1310
  〜以下略〜

上の例では全てのカーネルパラメータを表示しています。
表示内容が一画面に収まらないため、表示データをページャプログラムlessにパイプで渡して表示しています。

表示したいパラメータがあらかじめわかっている場合は、その名前を指定して表示できます。
以下の例ではファイルの入出力のバッファリングに割り当てるメモリの最大量を表示しています。

$ sysctl kern.bufcachepercent
kern.bufcachepercent=20
$

この表示から、最大でメモリ搭載量の20%までをバッファに割り当てる設定になっていることがわかります。

この値を変更するには以下のようにします。設定の変更はroot権限が必要なので、doasコマンドを経由してsysctlコマンドを実行しています。

$ doas sysctl kern.bufcachepercent=50
Password:
kern.bufcachepercent: 20 -> 50
$

sysctlコマンドの手動実行ではなく、システム起動時に自動的に設定を行うこともできます。 それには、設定したい内容をsysctl.conf(5)というファイルに記述します。

【メモ】
カーネルの設定を変更するにはその他にも(1)configコマンドによるカーネルの書き換え (2)UKC (User Kernel Config)による起動時での変更 (3)カーネルの再コンパイル などの方法がありますが、それぞれ設定できる内容や作業の難易度が異なります。詳しくは各マニュアルページや公式サイトのFAQなどをご参照下さい。

ネットワーク設定
これまでも説明したようにネットワーク関連の設定は河豚板の起動時に行われるので、これで問題なく通信が行われれば特に設定を変更する必要はありません。
河豚板をサーバやネットワークのゲートウェイなどとして運用する場合は、設定を変更したり追加したりする必要が出て来るかもしれません。

インターフェース設定
IPアドレス、ネットマスクなどのネットワークインターフェースに関する設定は/etc/hostname.<インターフェース名>というファイルで設定します。このファイルの書式はhostname.if(5)で参照できます。
経路制御
デフォルトルートは/etc/mygateに記述します。それ以外の経路制御を行うには、経路制御デーモンを走行させるか、routeコマンドの実行を/etc/hostname.ifか/etc/localあたりに記述します。
名前解決
/etc/resolv.conf(5)により設定を行います。
パケットフィルタリング
PFはOpenBSDで開発されたパケット・フィルタですが、ネットワークの帯域制御やアドレス変換など、非常に豊富な機能を持っています。PFに関してはpfctl(8)やpf.conf(5)を参照して下さい。

デーモンの起動・停止と設定
OpenBSDではデフォルトでは動作しないものも含めて、様々なデーモンがインストールされています。 時刻を参照するNTPサーバを変更する ではNTPデーモンを例として、デーモンの起動・停止・設定変更について説明しました。その他のデーモンについても概ね同様な手順を取ります。

OpenBSDでは、このようなデーモンの起動はrc.conf.local(8)が制御を行っており、このファイルにデーモンの起動・停止の指定や起動時にデーモンに与えるオプションなどの指定を行います。

【メモ】
実際にはrc.conf(8)で全てのデーモンについての指定がされており、rc.conf.localはrc.confの設定を上書きするように動作します。

その他の設定
/etc/rc.localはシステム起動時に最も最後に実行されるシェルスクリプトです。今まで説明した以外の処理を行いたい場合は、この/etc/rc.localに処理を記述します。

OpenBSDの起動時や終了時の処理についてはrc(8)を参照して下さい。

起動時間を短縮する。使用メモリを少なくする

河豚板の起動時にモード1を指定すると、それ以降の起動時間が短縮されます。
これ以降に入力する各種設定項目については、モード0と同じです。

Select boot mode;
  0: fresh boot (normal)
  1: fresh boot (lower memory, faster boot than mode 0)
  2: fresh boot (works only on tmpfs)
  3: retrieve user data from USB flash memory
  4: retrieve user data from floppy disk
  5: interactive shell for debugging
->1

起動後のメモリ使用量(tmpfsのサイズ)もモード0に比べ少なくなります。
目安としては実装メモリ64MB程度のマシンからが動作可能となります;

ファイル使用量(モード0)
$ df -h
Filesystem     Size    Used   Avail Capacity  Mounted on
/dev/rd0a      1.6M    729K    833K    47%    /
/dev/cd0a      697M    697M      0B   100%    /sysmedia
/dev/vnd5a     676M    664M   11.9M    98%    /fuguita
tmpfs          698M   25.5M    673M     4%    /ram
ファイル使用量(モード1)
$ df -h
Filesystem     Size    Used   Avail Capacity  Mounted on
/dev/rd0a      1.6M    730K    832K    47%    /
/dev/cd0a      697M    697M      0B   100%    /sysmedia
/dev/vnd5a     676M    664M   11.9M    98%    /fuguita
tmpfs          713M    6.8M    706M     1%    /ram

ただし、起動モード1は標準の起動モードであるモード0に比べ使用リソースが少ないというメリットがありますが、/usr以下のファイルやディレクトリを変更することができなくなるというデメリットがあります。つまり、pkg_addなどによるアプリケーションの追加などもできません。

起動モード1は河豚板に収録されているソフトウェアのみで運用が可能な場合に使用できます。

モード1で起動しusbfadmでファイル保存後、モード3で再起動した場合も上記の状況は引き継がれます。

河豚板を記録メディアを使用しないで動作させる

起動モード2はファイルを全てtmpfs上に転送し、オンメモリで動作するモードです。

Select boot mode;
  0: fresh boot (normal)
  1: fresh boot (lower memory, faster boot than mode 0)
  2: fresh boot (works only on tmpfs)
  3: retrieve user data from USB flash memory
  4: retrieve user data from floppy disk
  5: interactive shell for debugging
->2

モード2ではシステムの起動が完了すると、CDやUSBメモリはアンマウントされますので、それらのデバイスを取り外して運用することができます。プログラムの実行やファイルの読み書きも全てメモリ上で行われますので、モード0やモード1に比べて高速に動作することが期待できます。

$ df -h
Filesystem     Size    Used   Avail Capacity  Mounted on
/dev/rd0a      1.6M    730K    832K    47%    /
tmpfs          813M    736M   76.7M    91%    /ram

ただし、冒頭で説明したように、このモード2ではCDやUSBメモリ上にあるシステムファイルが全てtmpfsにコピーされますので、PCの実装メモリ量は、目安として概ね800MB以上は必要です。

モード2においてもusbfadmでファイル保存後、モード3で再起動した場合にはファイル保存時の状態が復帰します。

/usr以下のシステムファイルを書き換える

河豚板ではLiveCD版・LiveUSB版のいずれもシステムが格納されているパーティションは、通常リードオンリーでマウントされます。

したがってファイルそのものを書き換えることはできませんが、シンボリックリンクの置き換えを行うことによってそれらのファイルの内容を変更することは可能です。

まず最初に、河豚板のファイルシステムの構成について簡単に説明します。

fuguita-mnt.png

右の図は起動モード0で運用中の河豚板のファイルシステムの様子を示しています。

/usr も /etc などと同様、/ram/usr へのシンボリックリンクとなっていますが、/usr 以下のファイルは通常、書き換えられることはほとんどありません。これらのファイルはtmpfsの容量を節約するためにそのほとんどが /fuguita/usr 以下の該当するファイルへのシンボリックリンクになっています。
図では、その一例として /usr/bin/vi について図示しています。

#img(): File not found:

河豚板のファイルシステムは以上説明したような構造になっているため通常の運用、つまり /etc 以下の設定ファイルを編集したりとか、ホームディレクトリ上にファイルを作成する、といったような場合はこのような構造を意識する必要はありません。

但し、/usr 以下のファイルでシンボリックリンクとなっているものを変更する場合はこれらの状況を踏まえて操作をする必要があります。

そのような例として、動画プレーヤであるMPlayerの設定を変更するケースを以下に説明します;

eldr.png

河豚板ではROXファイルマネージャ中の動画ファイルアイコンをクリックするか、もしくはアイコンを画面上部のパネルにあるMPlayerアイコンボタンにドロップすることで、動画が再生されます。

最近は動画サイトにアップロードされている動画ファイルも解像度が高くなり、古いPCでは動画のデコードが追いつかず映像と音声のタイミングがずれてゆく場合もあります。これを解消することを考えます。

MPlayerのマニュアルページを見てゆくと、-framedrop というオプションがあります。これは動画の再生速度が音声に追い付かない場合、フレームをスキップするオプションです。他には -nodouble や -cache, -cache-min なども役に立ちそうです。
ファイルマネージャからの再生時にこれらのオプションが付加されるようにしてみましょう。

#img(): File not found:

ファイルマネージャから動画を再生する時、実際には /usr/fuguita/bin/mplayer-wrapper.sh というシェルラッパーが呼び出されています。

$ cd /usr/fuguita/bin
$ ls -l mplayer-wrapper.sh
lrwxr-xr-x  1 root  wheel  43 Oct 25 19:12 mplayer-wrapper.sh -> /fuguita/usr/fuguita/bin/mplayer-wrapper.sh
$ cat mplayer-wrapper.sh
#!/bin/sh
exec kterm -iconic -name mplayerconsole -title 'mplayer console' -e /usr/local/bin/mplayer "$@"
$

この節の冒頭で説明したとおり、mplayer-wrapper.sh はリードオンリーファイルへのシンボリックリンクとなっており、そのままでは編集できません。そこで、このシンボリックリンクの内容をコピーしたファイルを作り、そのファイルに対して編集を行います。

$ doas -s
Password:
# mv mplayer-wrapper.sh mplayer-wrapper.sh.bak  ←シンボリックリンクは名前を変えて残す
# cp mplayer-wrapper.sh.bak mplayer-wrapper.sh  ←それをコピーするとコピー先は通常ファイルになる
# ls -l mplayer-wrapper.sh*
-rwxr-xr-x  1 root  wheel  106 Dec 26 18:45 mplayer-wrapper.sh
lrwxr-xr-x  1 root  wheel   43 Oct 25 19:12 mplayer-wrapper.sh.bak -> /fuguita/usr/fuguita/bin/mplayer-wrapper.sh
# vi mplayer-wrapper.sh
# exit

編集したmplyaer-wrapper.shの内容は以下のようになります。mplayerの後にマニュアルで調べたコマンドラインオプションを付け加えています。

$ cat mplayer-wrapper.sh
#!/bin/sh
exec kterm -iconic -name mplayerconsole -title 'mplayer console' -e /usr/local/bin/mplayer -framedrop -nodouble
-cache 8192 -cache-min 0 "$@"
$

usbfadmコマンドを実行し、この変更を保存すれば将来にわたってこの設定が有効になります。

【メモ】
モード1で起動した場合は、起動時間を短縮する。使用メモリを少なくするで説明したように /usr 以下のファイルを編集することはできません。これは /ram/usr が /fuguita/usr へのシンボリックリンクとなり、/bin や /sbin と同じ状況になるためです。
モード2で起動した場合は /usr 以下のファイルも通常のファイルとなるため、このようなテクニックは使用せずに普通に編集することが可能です。

動作中の河豚板から河豚板のLiveUSBやデータ保存用USBを作る

河豚板のLiveUSBを作る で説明したように、ダウンロードサイトからイメージファイルをダウンロードし、展開、書込みを行うことでLiveUSB版河豚板を作成することができます。

しかし、このLiveUSB版河豚板はUSBメモリのサイズに関係なく1GBしか領域を使用できません。
河豚板のシステムで700MB占有していますので、usbfadmでデータを保存できるのは300MB程度です。

この節ではすでに稼動している河豚板から、新たに別のUSBメモリに河豚板をインストールする方法を説明します。
この方法を用いるとデータの保存領域を任意のサイズで割り当てることができます(以下の例では、4GB(=4096MB)のサイズのUSBメモリにインストールする場合を想定しています)。

まず、河豚板をモード0、またはモード1で起動します。起動する河豚板はLiveCD版、LiveUSB版のどちらでも使用できます。

起動が完了したら、rootでログインしusbfadmコマンドを実行します。

$ doas /usr/fuguita/sbin/usbfadm
Password:
Welcome to USB flash maintenance tool.
USB flash drive maintenance tool for FuguIta

     Boot mode: manual

Type ? for help.

? : ? --> newdrive                       ← newdriveでLiveUSB作成を指示

Please make sure the device inserted.
Then press ENTER -->                     ← USBメモリの装着を確認したら<Enter>。
                                         デバイス名確認のため
                                         ↓  /var/log/messagesの内容を表示
==== FYI: sd[0-9] on syslog ================================
     1  sd0 at scsibus1 targ 1 lun 0: <TOSHIBA, TransMemory, PMAP>
     2  sd0: 961MB, 512 bytes/sec, 1968128 sec total
     3  sd1 at scsibus2 targ 1 lun 0: <Generic, USB CF Reader, 0.00>
     4  sd1: drive offline
     5  sd2 at scsibus2 targ 1 lun 1: <Generic, USB SD Reader, 0.00>
     6  sd2: drive offline
     7  sd3 at scsibus2 targ 1 lun 2: <Generic, Mini SD Reader, 0.00>
     8  sd3: drive offline
     9  sd4 at scsibus2 targ 1 lun 3: <Generic, USB MS Reader, 0.00>
    10  sd4: drive offline
    11  sd5 at scsibus2 targ 1 lun 4: <Generic, USB SM Reader, 0.00>
    12  sd5: 62MB, 512 bytes/sec, 128000 sec total
============================================================
Enter name of device which FuguIta will be installed --> sd0    ← LiveUSBを作成するデバイス

Do you make this USB flash drive bootable? [y/n] -> y           ← LiveUSB作成の場合は「y」

Enter size for saving User Data in MB (3396MB free).
'*' implies all --> 2048                                        ← データ保存用領域のサイズ
                                                                 「*」で残り全てを割当て
***THIS IS THE LAST CHANCE***
If you type 'Y' now, all the data on sd0 will be lost.
Are you sure to initialize sd0? [y/N] -> y                      ← 書き込みの最終確認

========================================
= Clearing MBR BSD disklabel
=
1+0 records in
1+0 records out
1048576 bytes transferred in 0.099 secs (10562763 bytes/sec)

========================================
= Setting up MBR
=
Writing MBR at offset 0.
〜以下略〜

この後ファイルシステムの作成とシステムの転送が行われ、インストール作業は完了です。

【ご注意】
!!書き込み先のデバイス名は十分にご確認下さい。誤ったデバイスに書き込むと、そこに保存されているデータが失われます。

fuguita-usb.png

今まで説明した内容を図にすると、右のようになります。

「Do you make this USB flash drive bootable? [y/n] -> 」に対し y と答えた場合は a パーティションが作成され、そこに河豚板のシステムが書き込まれます。このパーティションは700MBの固定サイズです。n を入力した場合は a パーティションは作成されません(この場合はデータ保存専用のUSBメモリとなります)。

「Enter size for saving User Data in MB」で入力したサイズの d パーティションが作成され、usbfadm のデータ保存先となります。

aパーティションとdパーティションの領域を確保したあとでまだ未使用領域があれば、i パーティションが確保されます。このパーティションはFATファイルシステムとしてフォーマットされ、Windowsなど他のOSからもアクセスできます。OpenBSDもFATをマウントできますから、河豚板と他OSとのデータのやりとりに使用することもできます。

#img(): File not found:

【メモ】
この節で説明した河豚板のインストール方法は、USBメモリだけではなくOpenBSDが認識できる記録デバイス全般に対して使用可能です。例えばSDカード、コンパクトフラッシュ、メモリスティックあるいはATAやSATAのハードディスクなどにも書き込むことが可能です。

起動時の設定入力を省略できるようにする

終了時にデータが自動で保存されるようにする

複数の河豚板を併用する

OpenBSDと河豚板を共存させる

スワップパーティションを有効にする

WindowsやLinuxと河豚板を共存させる

ウィンドウマネージャを変更する

Xのログイン画面を有効にする

河豚板をバージョンアップする

河豚板をモバイル環境で使う

河豚板を使う【開発編】

河豚板の技術情報を調べる

動作中の河豚板から河豚板のISOイメージを作る

動作中の河豚板から河豚板の生ディスクイメージを作る

ログインなしでアプリケーションが立ち上がるようにする

河豚板の開発ツールを使う


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