#contents
*Userland PPPoEの問題点 [#we46de82]
http://www.jraitala.net/comp/articles/2002/pppoe/ などで
触れられているが、OpenBSDのPPPoE (Point to Point Protocol over Ethernet)は、
ユーザランドで実行されており、あまり効率がよくない。
というか、他のOSと比べてもダントツにパフォーマンスがよくない。

うちの環境でも、ADSL (FLETS ADSL 8M)自体は下りで7Mbps台でリンクアップ
しているのだが、実効スループットは1M弱。もったいない。

2ちゃんねるの「OpenBSDユーザーコーナー」で、
OpenBSD用のin-kernel PPPoE (カーネルモードで動作するPPPoEドライバ)が紹介
されていたので試してみる。 
>''http://www.pro-bono-publico.de/openbsd/pppoe/ ''
**パッチを試してみる [#z8e36439]
上記サイトよりパッチをダウンロードし同梱のドキュメントに従い、
+カーネルと関連コマンドにパッチ適用
+リビルド
+リブート
+[[NetBSDのドキュメントを参考にifconfig, pppoectlコマンドなどでi/f設定→接続:http://www.netbsd.org/Documentation/network/pppoe/]]

-Userland PPPoE (OpenBSDネイティブ): 70~90kB/s
-in-kernel PPPoE (今回試したもの): 200~220kB/s

なので、ネイティブなUserland実の2倍以上のスループットが得られる。
**注意事[#y1cd5372]
:対応していないネットワークコマンドを発行すると、ハングアップ。|あるサイトのオープンポートを調べる目的でnmapを実行したところ、しばらくしてKernelが停止した。ifconfigやtcpdumpなどにパッチを当てるようになっているが、パッチのあたっていないraw socketを扱うネットワーク関連のコマンドを実行するのは危険かも。
:ユーザモードPPPoEとは存できない。|Userland PPPoEで接続をおこなったあと、一旦切断し、in-kernel PPPoEで接続すると、VM faultでpanicする。
:デフォルトルート等の設定は行われない。|後述のifwatchdから呼び出すスクリプトに記述した方がいいかも(今回は常用するわけではないので、手動で設定した)。
:ifwatchdをれましょう|ネットワークの接続/切断時の処理を行うには、NetBSDで用いられているifwatchdというスクリプトを持ってきて移植する。その後;
 /usr/sbin/ifwatchd -u /etc/ppp/ip-up.hook -d /etc/ppp/ip-down.hook pppoe0
などと実行。~
ip-up.hookはUserland PPPoEと用;
--Dynamic DNSの設定
--NTP daemonの立ち上げ直し
--IPv4-IPv6 トンネルやSSH port forwardingトンネルの再接続など
:リンク断が多いような気がした|
Userland PPPoEだと、リンク断なることはほとんどなかった(1月に1回以下)が、
in-kernel PPPoEだと比較的多く(数日に一回~一日数回)なったようだ。
断になっている時間は短かったが、そのつどDynamic DNSの更新が発生し、
外部から参できない場合もあった。
**感想 [#t44ea37d]
うまく接続すると、スループットも飛躍的に伸び、Uptimeも100日近く運用できたが、前に述べたような理由でOSごと停止してしまう場合もあるので、運用には注意が必要。CPUパワーに余裕のあるマシンなら、安全性を重視してネイティブのUserland PPPoEを使うのが無難。

そこらへんの問題が解決されて、正式に布系に採用されるのがベストなんだけど‥。
**その他 [#m34389b7]
これとは別に[[独自に実している人:http://www.sol.is.ritsumei.ac.jp/~sahara/diary/]]もいました。具体的なソース等は公開されていないようですが。
*‥‥などとやっていたら、正式サポート [#dba8aa1a]
ネイティブサポートされたようです。
**ネタ [#l307d7f1]
>''In kernel PPPoE client''~
''http://undeadly.org/cgi?action=article&sid=20041130200439 ''
**使ってみる [#safc3c1c]
とりあえずテスト用マシンに-current ( http://kaw.ath.cx/dl/pub/OpenBSD/current/ - 20041204) をインストール。設定は通常のネットワークインターフェースやbridgeなどとおなじ、/etc/hostname.if に記述。PPPoEなので、/etc/hostname.pppoe0 を作成した。
>/etc/hostname.pppoe0
 pppoedev ne0
 ! /sbin/ifconfig ne0 up
 ! /usr/sbin/spppcontrol \$if myauthproto=pap myauthname=XXX myauthkey=YYY
 ! /sbin/ifconfig \$if inet 0.0.0.0 0.0.0.1 netmask 0xffffffff
 ! /sbin/route add default 0.0.0.1
 up
<これでOK。

3.7のリリース時には、正式に含まれるのでは。
そうしたら、このページは用無しだな。

→''予想どおり含まれました''。
**補足 [#mbca1e84]
***再接続について [#yd39ba52]
In-kernel PPPoEはADSLのリンクがダウンした場合再接続する機能はないようなので、以下のスクリプトを作成してリンクを監視;
 #!/bin/sh
 
     interface=pppoe0
 checkinterval=60
        bindir=`dirname $0`;
 
 getstatus () {
   iface="$1"
   set `/usr/sbin/spppcontrol $iface`
   stat="$2"
 
   case X"$stat" in
     Xphase=dead)    echo down    ;;
     Xphase=network) echo up      ;;
     *)              echo unknown ;;
   esac
 }
 
 prestatus=unknown
 
 while :;
 do
   status=`getstatus $interface`
   case X/"$prestatus/$status" in
       X/down/up|X/unknown/up)
         if [ -x $bindir/linkup ]
         then
           echo `date` link is up >> $bindir/../logs/checklink.log
           $bindir/linkup
         fi
         ;;
       X/up/down)
         if [ -x $bindir/linkdown ]
         then
           echo `date` link is down >> $bindir/../logs/checklink.log
           $bindir/linkdown
         fi
         ;;
       *)
         # status not changed
         ;;
   esac
 
   prestatus=$status
 
   if [ X"$status" = Xdown ]
   then
     ifconfig $interface up
   fi
 
   sleep $checkinterval
 done
リンクを$checkinterval間隔で監視。リンクがダウンしていた場合、再接続を試行する。また、リンクがupまたはdownした場合に、それぞれスクリプト$bindir/linkup , $bindir/linkdown を実行するので、dynamic DNSの更新とかはここに書けばOK。
***ifstatedを使う [#qca39000]
では、リンクダウンした場合の再接続スクリプトを紹介したが、
OpenBSD 3.8以降では、[[ifstated>http://www.openbsd.org/cgi-bin/man.cgi?query=ifstated&sektion=8]]というモノが利用できるらしい。時間が取れたら使ってみよう。
***MTU問題 [#r8ca868a]
MTUを調整しないとやっぱり見られないウェブサイトが出てくる。~
うちの接続業はMSS1414オクテット推奨らしいので、http://www.pro-bono-publico.de/openbsd/pppoe/の記述に倣って書いてみるとこんな感じでしょうか;

|CENTER:|CENTER:|CENTER:|CENTER:|c
|>|>|>|イーサネットフレーム&br;1500オクテット|
|PPPoE+PPPヘッダ&br;8オクテット|>|>|PPPoE+PPPペイロード&br;1492オクテット|
|~|IPヘッダ&br;20オクテット|>|IPペイロード&br;1454オクテット|
|~|~|TCPヘッダ&br;40オクテット|TCPペイロード&br;1414オクテット|

これを実現するための設定;

/etc/hostname.pppoe0
 up mtu 1454

/etc/pf.conf
 scrub in  on $ext_if fragment reassemble max-mss 1414
 scrub out on $ext_if fragment reassemble max-mss 1414

/etc/sysctl.conf
 net.inet.tcp.mssdflt=1414
----
[[FrontPage]]


Front page   Edit Diff History Attach Copy Rename Reload   New Page list Search Recent changes   Help   RSS of recent changes