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RIGHT:川俣 吉広
*河豚板とは [#v1de7f5b]
河豚板(ふぐいた)はOpenBSDというオペレーティングシステム(Operating System: OS)を基に作成されたライブシステムです。
河豚板は無償で入手・利用することができ、CD-R/CD-RWやUSBメモリに書込んだ河豚板をPCで起動するだけで手軽にOpenBSDを活用することができます。
河豚板は無償で入手・利用することができ、DVD-R/DVD-RWやUSBメモリに書込んだ河豚板をPCで起動するだけで手軽にOpenBSDを活用することができます。
さらに、河豚板はバラエティに富んだ起動方法をサポートしていますので単にLiveCD/LiveUSBとして使うだけでなく、ネットワークのテスト環境を簡単・迅速に運用したり、電源を投入するだけでアプリケーションソフトを使用できるターンキーシステムを構築したりといった用途にも用いることができます。
さらに、河豚板はバラエティに富んだ起動方法をサポートしていますので単にLiveDVD/LiveUSBとして使うだけでなく、ネットワークのテスト環境を簡単・迅速に運用したり、電源を投入するだけでアプリケーションソフトを使用できるターンキーシステムを構築したりといった用途にも用いることができます。
この河豚板ガイドでは、記録メディアへの河豚板の書込み方法、起動方法、基本的な使用方法に始まり、進んだ応用のための使用手順や設定方法に至るまで、河豚板を活用するためのノウハウを一通り解説致します。
>Unix系OSの使用経験があまりなく、Unixの基本的な事柄について知りたい方は [[Unixの使い方を調べる>#qd261f24]] をご覧下さい。~
LinuxやFreeBSDなど他のUnix系OSの使用経験がありOpenBSDについて詳しく知りたい方は [[OpenBSDの使い方を調べる>#z306ec3b]] を参照願います。
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''【河豚板ガイド 目次】''
#contents
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>''【おことわり】'' ~
''⇒''この文書は無保証です。~
この文書を作成するにあたり著者は正確な内容と明確な表現を心掛けておりますが、この文書に書かれた内容を実施した結果生じた損害等について著者は責任を負うものではないことを了承のうえ、ご利用下さい。~
なおこの文書に関して、不明瞭な表現、不足している部分、事実と異なる点などございましたら、著者のメールアドレス kaw@on.rim.or.jp 宛て、お知らせ下されば幸甚に存じます。
*河豚板を作る [#ha898539]
この章では、河豚板が起動するCDやUSBメモリを作成する方法を紹介します。
この章では、河豚板が起動するDVDやUSBメモリを作成する方法を紹介します。
河豚板を使うには、主に2つの方法があります。
1つはCD-RやCD-RWに河豚板を書込み、これを起動する方法で「LiveCD」などと呼ばれます。~
1つはDVD-RやDVD-RWに河豚板を書込み、これを起動する方法で「LiveDVD」などと呼ばれます。~
もう1つはUSBメモリに書込んだものを起動する方法で、こちらは「LiveUSB」という呼び名があります。
河豚板はLiveCD版とLiveUSB版のどちらを使用しても同じように利用できますが、それぞれ特徴がありますので用途によって使い分けるのがよいと思います。
河豚板はLiveDVD版とLiveUSB版のどちらを使用しても同じように利用できますが、それぞれ特徴がありますので用途によって使い分けるのがよいと思います。
-一般的にはUSBメモリの方がCDよりデータの読み出し速度が早いので、システムやアプリケーションの起動が完了するまでの時間はLiveUSB版の河豚板の方が短かくなる場合が多いです。
-一般的にはUSBメモリの方がDVDよりデータの読み出し速度が早いので、システムやアプリケーションの起動が完了するまでの時間はLiveUSB版の河豚板の方が短かくなる場合が多いです。
-PCの機種によってはUSBメモリからうまく起動できないものもあります。また、USBメモリからの起動そのものがサポートされていないPCもあります。~
対してCDやDVDのドライブは標準化された規格に準拠して製造されているものが殆どなので、それらはほぼ全て問題なく河豚板が起動します。
-古いPCのなかにはUSBメモリからうまく起動できないものや起動そのものがサポートされていないPCもあります。~
対してDVDのドライブは標準化された規格に準拠して製造されているものが殆どなので、それらはほぼ全て問題なく河豚板が起動します。
-河豚板などの「ライブシステム」は、ハードディスクなどにインストールされないため、データを全てメモリ上に保持しています。このため、通常はシステムを終了するとそれまでのデータはすべて消えてしまいます。~
LiveUSB版の河豚板にはデータの保存領域が確保されており、この領域に各種設定、ファイルなどを保存し、次回のシステム起動時に復帰させることができます。
-記録メディアの単価はUSBメモリに比べCD-Rなどの光学メディアの方が安いため、同時に多数のマシンで動作させたり、メディアをセットしっぱなしの状態で使う、あるいは大量に作成して配布する、といったような使い方にはLiveCD版の方が向いています。
-記録メディアの単価はUSBメモリに比べDVD-Rなどの光学メディアの方が安いため、同時に多数のマシンで動作させたり、メディアをセットしっぱなしの状態で使う、あるいは大量に作成して配布する、といったような使い方にはLiveDVD版の方が向いています。
総じて「動作の確実性や経済性を求めるのであればLiveCD版が、性能や利便性を重視するならLiveUSB版が向いている」と言えます。
総じて「動作の確実性や経済性を求めるのであればLiveDVD版が、性能や利便性を重視するならLiveUSB版が向いている」と言えます。
>''【メモ】'' ~
''⇒''[[LiveCD版とLiveUSB版の両方を同時に使う>#o7bfa547]]「いいとこ取り」な使いかたもできます。 ~
このテクニックを使うと、例えば「USB起動に対応していないPCでLiveUSB版の河豚板を使う」ことや「LiveCD版の河豚板でデータの保存と読み込みをする」ことなどもできます。
''⇒''[[LiveDVD版とLiveUSB版の両方を同時に使う>#o7bfa547]]「いいとこ取り」な使いかたもできます。 ~
このテクニックを使うと、例えば「USB起動に対応していないPCでLiveUSB版の河豚板を使う」ことや「LiveDVD版の河豚板でデータの保存と読み込みをする」ことなどもできます。
最初に河豚板を使い始めるには、以下の手順を踏みます;
+河豚板の配布サイトからファイルをダウンロードする
+ダウンロードしたファイルは圧縮されているので、それを展開する
+展開したファイルをCD-RやUSBメモリに書き込む
+展開したファイルをDVD-RやUSBメモリに書き込む
以下、それぞれの手順について説明をします。
**河豚板をダウンロードする [#r740bc2a]
#ref(dlsite.png,around,right)
河豚板はフリーソフトウェアです。河豚板の最新版を始めとした全ての版はインターネットで公開され、自由にダウンロードして使用することができます。
河豚板のダウンロードサイトは2つあります。
河豚板のダウンロードサイトは5つあります。
-http://mirror.ginzado.ne.jp/pub/FuguIta/
-https://jp1.dl.fuguita.org/
-http://livecd-mirror.ebug.jp/LiveCD/
-https://jp2.dl.fuguita.org/
-https://de.dl.fuguita.org/
-https://eu.dl.fuguita.org/
-https://fr.dl.fuguita.org/
サイトの内容は同じなので、どちらのサイトからでも同じようにダウンロードできます。~
日本国内からは、jp1.dl.fuguita.org または jp2.dl.fuguita.org でのダウンロードをお勧めします。
これらのサイトにアクセスすると、右図のような内容が表示されます。
このうち、「FuguIta-」で始まる名前のファイルが河豚板の配布物です。
#img(,clear)
このファイル名の意味は、次のようになっています。
FuguIta-6.0-amd64-201612251.iso.gz
FuguIta-6.7-amd64-202006244.iso.gz
--- ----- --------- --- --+->ファイルの圧縮形式です。
| | | | ・gz ... gzipコマンドを使って圧縮
| | | | ・xz ... xzコマンドを使って圧縮
| | | | (現在はgzip形式でのみ提供しています)
| | | +->ファイルの種類です
| | | ・iso ... CD-R/CD-RW書込み用のISOイメージです
| | | ・iso ... DVD-R/DVD-RW書込み用のISOイメージです
| | | ・img ... USBメモリ書込み用の生イメージです
| | | ・tar ... 複数のファイルをまとめたアーカイブ形式です
| | |
| | +->河豚板のリリース(バージョン)です
| | ・「年月日」「一連番号」 の形式となっています
| | ・一連番号は、一日のうち2つ以上の河豚板を作成した場合、
| | 一つづつ増えて行きます
| |
| +->対応プラットフォームです。
| 河豚板は現在、i386とamd64の2種類のプラットフォームに対応しています
| お使いのPCのCPU型式に対応したものを選択して下さい。
| 河豚板は現在、i386, amd64, arm64の3種類のプラットフォームに対応
| しています。お使いのPCのCPU型式に対応したものを選択して下さい。
|
+->この河豚板の元となっているOpenBSDのバージョンです
作成するのがLiveCDか、あるいはLiveUSBか、PCのがインテル系の32ビットCPU、あるいは64ビットCPUか、そして手元で使えるファイル圧縮/展開ソフトがgzipかxzかでファイルを選択してダウンロードします。
作成するのがLiveDVDか、あるいはLiveUSBか、PCのがインテル系の32ビットCPU、あるいは64ビットCPUかでファイルを選択してダウンロードします。
>''【メモ: 対応アーキテクチャについて】'' ~
''⇒''上で説明したように、使用しているPCのCPUの種類によってi386かamd64のどちらかを選択する必要がありますが、amd64は従来のi386に対して互換性を持つアーキテクチャです。どちらを使ってよいかわからない場合はi386を選択すれば動作させたいPCがamd64のCPUであっても動作します。 ~
''⇒''上で説明したように、使用しているPCのCPUの種類によってi386かamd64のどちらかを選択する必要がありますが、amd64は従来のi386に対して互換性を持つアーキテクチャです。現在使われているPCはほとんどがamd64アーキテクチャのCPUです。 ~
arm64はシングルボードコンピュータ「Raspberry Pi 3」版の河豚板です。
>''【メモ: 圧縮ソフトについて】'' ~
''⇒''ファイル圧縮/展開ソフトはgzip形式に対応したものの方が普及しています。一方、xzはgzipよりも圧縮率が高くファイルがより小さいので、ダウンロード時間が短くて済みます。~
Windowsでは、[[7-Zip>https://sevenzip.osdn.jp/]]などが両形式のファイル展開に対応しています。
ダウンロードが完了したら、圧縮されているファイルを展開します。~
以下は、Unix系のOSでシェルのコマンドラインからCD-R/CD-RW用のファイルを展開する場合の例です;
-gzip形式のファイルを展開する場合
gunzip FuguIta-6.0-amd64-201612251.iso.gz
-xz形式のファイルを展開する場合
unxz FuguIta-6.0-amd64-201612251.iso.xz
以下は、Unix系のOSでシェルのコマンドラインからDVD-R/DVD-RW用のファイルを展開する場合の例です;
gzip -d FuguIta-6.0-amd64-201612251.iso.gz
展開が完了するとファイルサイズが約700メガバイトになり、ファイル名も.gzあるいは.xzの拡張子が取れたものになります。
展開が完了するとファイルサイズが約1ギガバイトになり、ファイル名も.gzの拡張子が取れたものになります。
**河豚板のLiveCDを作る [#ibfed0ca]
LiveCD版の河豚板を作るには700MB以上の容量を持つCD-R/CD-RWメディアを用意し、ダウンロード・展開済みのISO形式のファイルを書き込みます。~
以下は、OpenBSDのcdioコマンドを使用して書き込みを行う場合の例です;
cdio -f /dev/rcd0c blank ←CD-RWの内容を消去する。CD-Rの場合は実行しなくてよい。
cdio -f /dev/rcd0c tao FuguIta-6.0-amd64-201612251.iso
>''【ご注意】'' ~
''⇒''「Raspberry Pi 3」版の河豚板は、tar形式のアーカイブファイルです。以下のように展開を行います。
tar xzvf FuguIta-6.7-arm64-202006244.tar.gz
Raspberry Pi 3版河豚板の作成方法、および起動方法については、このアーカイブファイルに含まれる README-arm64 ファイルをご参照下さい。
**河豚板のLiveDVDを作る [#ibfed0ca]
LiveDVD版の河豚板を作るにはDVD-RやDVD-RWなどの書込み可能なDVDメディアを用意し、展開済みのISO形式のファイルを書き込みます。~
以下は、OpenBSD上で書き込みを行う場合の例です;
pkg_add dvd+rw-tools ←DVDの書込みソフトdvd+rw-toolsをインストールする
growisofs --dvd-compat -Z /dev/rcd0c=FuguIta-6.7-amd64-202006244.iso ←イメージを書込み
>''【メモ】'' ~
''⇒''他のOSでも[[ISOイメージ書き込みソフトが公開されている>https://www.google.co.jp/?q=ISO+%E6%9B%B8%E3%81%8D%E8%BE%BC%E3%81%BF+%E3%82%BD%E3%83%95%E3%83%88]]ので、そのようなソフトを使って河豚板のLiveCDを作成できます。
''⇒''他のOSでも[[ISOイメージ書き込みソフトが公開されている>https://www.google.co.jp/?q=ISO+%E6%9B%B8%E3%81%8D%E8%BE%BC%E3%81%BF+%E3%82%BD%E3%83%95%E3%83%88]]ので、そのようなソフトを使って河豚板のLiveDVDを作成できます。
**河豚板のLiveUSBを作る [#sa216e5d]
LiveUSB版の河豚板を作るには1ギガバイト以上のサイズのUSBメモリを用意し、ダウンロード・展開済みのIMG形式のファイルを書き込みます。~
LiveUSB版の河豚板を作るには2ギガバイト以上のサイズのUSBメモリを用意し、ダウンロード・展開済みのIMG形式のファイルを書き込みます。~
以下は、OpenBSDを使用して書き込みを行う場合の例です;
dd if=FuguIta-6.0-amd64-201612251.img of=/dev/rsd0c
dd if=FuguIta-6.7-amd64-202006244.img of=/dev/rsd0c
>&color(red){''【ご注意】''};~
&color(red){''!!''上の例の「/dev/rsd0c」の部分は書き込み先となる機器の指定です。これはあなたが使用するPCの周辺機器の接続状態、あるいはddコマンドを実行するオペレーティングシステムの種類によって変ってきます。このコマンドを実行すると指定した機器に記録されているデータは全て消えてしまいますので、書き込み先が正しいかどうかの確認は事前に十分に行って下さい。};
>''【メモ】''~
''⇒''ISOイメージ書込みソフト同様、[[生イメージ書き込み用のソフトも種々公開されて>https://www.google.co.jp/?q=%E7%94%9F%E3%82%A4%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%82%B8+%E6%9B%B8%E3%81%8D%E8%BE%BC%E3%81%BF+%E3%82%BD%E3%83%95%E3%83%88]]いますので、そのようなソフトも利用可能です。~
''⇒''1ギガバイト以上のUSBメモリを使用しても、1ギガバイトを超える部分は使用されません。~
''⇒''USBメモリのサイズに合ったLiveUSB版河豚板を作成したい場合は [[USBメモリの容量に合った河豚板をインストールする>#ld36d7ec]] を参照して下さい。
''⇒''2ギガバイト以上のUSBメモリを使用しても、2ギガバイトを超える部分は使用されません。~
USBメモリのサイズに合ったLiveUSB版河豚板を作成したい場合は [[USBメモリの容量に合った河豚板をインストールする>#ld36d7ec]] を参照して下さい。
*河豚板を起動する [#i322b9ad]
この章では河豚板の起動方法、およびその途中で行う設定値の入力について説明します。
**起動デバイスの選択 [#e21929c7]
河豚板を書き込んだCDやUSBメモリをPCにセットして起動すると、河豚板のシステムが起動します。
河豚板を書き込んだDVDやUSBメモリをPCにセットして起動すると、河豚板のシステムが起動します。
>''【メモ】''~
''⇒''CDやUSBメモリをセットして起動しても、すでにインストールされているWindowsやLinuxなどが起動してしまう場合があります。これは、PCにはどの機器を使用して起動するかの優先順設定があり、この設定がCDやUSBメモリより内蔵ハードディスクの方が優先的に起動するようになっているためです。~
河豚板を起動できるようにするにはPCのBIOSメニューの設定を変更し、CDやUSBメモリの優先順位を内蔵ハードディスクより高くします。~
''⇒''DVDやUSBメモリをセットして起動しても、すでにインストールされているWindowsやLinuxなどが起動してしまう場合があります。これは、PCにはどの機器を使用して起動するかの優先順設定があり、この設定がDVDやUSBメモリより内蔵ハードディスクの方が優先的に起動するようになっているためです。~
河豚板を起動できるようにするにはPCのBIOSメニューの設定を変更し、DVDやUSBメモリの優先順位を内蔵ハードディスクより高くします。~
PCのBIOSメニューは機種により異なりますので、お使いのPCの取扱説明書をご参照頂くか、[[ネット上で検索を行い、調べてみて>https://www.google.co.jp/?q=bios+%E8%B5%B7%E5%8B%95%E9%A0%86%E4%BD%8D]]下さい。
河豚板が起動すると、以下のようなメッセージが表示されます;
Booting from DVD/CD...
CD-ROM: E0
Loading /CDBOOT
probing: pc0 com0 apm pci mem[639K 254M a20=on]
disk: fd0 hd0+* cd0
>> OpenBSD/amd64 CDBOOT 3.26
>> OpenBSD/amd64 CDBOOT 3.46
boot>
booting cd0a:/bsd-fi.mp: 6952132+2194352+2216968+0+663552|[72+732408+486807]=0xca3d58
entry point at 0x1001000 [7205c766, 34000004, 24448b12, 1be0a304]
[ using 1219928 bytes of bsd ELF symbol table ]
booting cd0a:/bsd-fi.mp: 12997960+2769928+2277408+0+708608\[806285+128+1028280+751803]=0x145cb88
entry point at 0xffffffff81001000
[ using 2587528 bytes of bsd ELF symbol table ]
Copyright (c) 1982, 1986, 1989, 1991, 1993
The Regents of the University of California. All rights reserved.
Copyright (c) 1995-2016 OpenBSD. All rights reserved. http://www.OpenBSD.org
Copyright (c) 1995-2020 OpenBSD. All rights reserved. https://www.OpenBSD.org
OpenBSD 6.0-stable (RDROOT.MP) #3: Sat Oct 29 14:03:04 JST 2016
root@nimbus12.localnet:/opt/fi/6.0/sys/arch/amd64/compile/RDROOT.MP
real mem = 251518976 (239MB)
avail mem = 237576192 (226MB)
OpenBSD 6.7-stable (RDROOT.MP) #1: Fri Jun 5 09:41:45 JST 2020
root@nimbus9.localnet:/opt/fi/6.7/sys/arch/amd64/compile/RDROOT.MP
real mem = 1056825344 (1007MB)
avail mem = 1010286592 (963MB)
mpath0 at root
scsibus0 at mpath0: 256 targets
mainbus0 at root
///bios0 at mainbus0: SMBIOS rev. 2.8 @ 0xf6a30 (9 entries)
///bios0: vendor SeaBIOS version "rel-1.9.1-0-gb3ef39f-prebuilt.qemu-project.org" date 04/01/2014
///bios0: QEMU Standard PC (i440FX + PIIX, 1996)
///acpi0 at bios0: rev 0
///acpi0: sleep states S3 S4 S5
///acpi0: tables DSDT FACP APIC HPET
///acpi0: wakeup devices
///acpitimer0 at acpi0: 3579545 Hz, 24 bits
///acpimadt0 at acpi0 addr 0xfee00000: PC-AT compat
///cpu0 at mainbus0: apid 0 (boot processor)
///cpu0: QEMU Virtual CPU version 2.5+, 1663.83 MHz
///cpu0: FPU,DE,PSE,TSC,MSR,PAE,MCE,CX8,APIC,SEP,MTRR,PGE,MCA,CMOV,PAT,PSE36,CFLUSH,MMX,FXSR,SSE,SS
///E2,SSE3,CX16,HV,NXE,LONG,LAHF,SVM
///cpu0: 64KB 64b/line 2-way I-cache, 64KB 64b/line 2-way D-cache, 512KB 64b/line 16-way L2 cache
///cpu0: ITLB 255 4KB entries direct-mapped, 255 4MB entries direct-mapped
///cpu0: DTLB 255 4KB entries direct-mapped, 255 4MB entries direct-mapped
///mtrr: Pentium Pro MTRR support, 8 var ranges, 88 fixed ranges
///cpu0: apic clock running at 1010MHz
///ioapic0 at mainbus0: apid 0 pa 0xfec00000, version 11, 24 pins
///acpihpet0 at acpi0: 100000000 Hz
///acpiprt0 at acpi0: bus 0 (PCI0)
///acpicpu0 at acpi0: C1(@1 halt!)
///"ACPI0006" at acpi0 not configured
///"PNP0303" at acpi0 not configured
///"PNP0F13" at acpi0 not configured
///"PNP0700" at acpi0 not configured
///"PNP0400" at acpi0 not configured
///"PNP0501" at acpi0 not configured
///"PNP0A06" at acpi0 not configured
///"PNP0A06" at acpi0 not configured
///"QEMU0002" at acpi0 not configured
///"PNP0A06" at acpi0 not configured
///pci0 at mainbus0 bus 0
///pchb0 at pci0 dev 0 function 0 "Intel 82441FX" rev 0x02
///pcib0 at pci0 dev 1 function 0 "Intel 82371SB ISA" rev 0x00
///pciide0 at pci0 dev 1 function 1 "Intel 82371SB IDE" rev 0x00: DMA, channel 0 wired to compatibility, channel 1 wired to compatibility
///wd0 at pciide0 channel 0 drive 0: <QEMU HARDDISK>
///wd0: 16-sector PIO, LBA48, 1024MB, 2097152 sectors
///wd0(pciide0:0:0): using PIO mode 4, DMA mode 2
///atapiscsi0 at pciide0 channel 1 drive 0
///scsibus1 at atapiscsi0: 2 targets
///cd0 at scsibus1 targ 0 lun 0: <QEMU, QEMU DVD-ROM, 2.5+> ATAPI 5/cdrom removable
///cd0(pciide0:1:0): using PIO mode 4, DMA mode 2
///uhci0 at pci0 dev 1 function 2 "Intel 82371SB USB" rev 0x01: apic 0 int 11
///piixpm0 at pci0 dev 1 function 3 "Intel 82371AB Power" rev 0x03: apic 0 int 9
///iic0 at piixpm0
///vga1 at pci0 dev 2 function 0 "Bochs VGA" rev 0x02
///vga1: aperture needed
///wsdisplay0 at vga1 mux 1: console (80x25, vt100 emulation)
///wsdisplay0: screen 1-5 added (80x25, vt100 emulation)
///em0 at pci0 dev 3 function 0 "Intel 82540EM" rev 0x03: apic 0 int 11, address 52:54:00:12:34:56
///isa0 at pcib0
///isadma0 at isa0
///fdc0 at isa0 port 0x3f0/6 irq 6 drq 2
///fd0 at fdc0 drive 1: density unknown
///com0 at isa0 port 0x3f8/8 irq 4: ns16550a, 16 byte fifo
///com0: console
///pckbc0 at isa0 port 0x60/5 irq 1 irq 12
///pckbd0 at pckbc0 (kbd slot)
///wskbd0 at pckbd0: console keyboard, using wsdisplay0
///pms0 at pckbc0 (aux slot)
///wsmouse0 at pms0 mux 0
///pcppi0 at isa0 port 0x61
///spkr0 at pcppi0
///lpt0 at isa0 port 0x378/4 irq 7
///usb0 at uhci0: USB revision 1.0
///uhub0 at usb0 "Intel UHCI root hub" rev 1.00/1.00 addr 1
///vmm0 at mainbus0: SVM
///nvram: invalid checksum
///umass0 at uhub0 port 1 configuration 1 interface 0 "QEMU QEMU USB HARDDRIVE" rev 2.00/0.00 addr 2
///umass0: using SCSI over Bulk-Only
///scsibus2 at umass0: 2 targets, initiator 0
///sd0 at scsibus2 targ 1 lun 0: <QEMU, QEMU HARDDISK, 2.5+> SCSI3 0/direct fixed serial.46f4000100:00:01.2-1
///sd0: 1024MB, 512 bytes/sector, 2097152 sectors
///vscsi0 at root
///scsibus3 at vscsi0: 256 targets
〜略〜
scsibus4 at vscsi0: 256 targets
softraid0 at root
scsibus4 at softraid0: 256 targets
root on rd0a swap on rd0b dump on rd0b
scsibus5 at softraid0: 256 targets
uhub1: illegal enable change, port 1
root on rd0a swap on wd0b dump on rd0b
>''【メモ】''~
''⇒''実際には画面表示が途中から&color(white,blue){青地に白};になります。~
このメッセージはカーネル(オペレーティングシステム本体)が表示しています。
#ref(fuguboot.png,wrap)
これらの表示にはPCのメモリや周辺機器の接続状態などの認識結果が示されており、起動がうまくいかない場合などのトラブルを解決する際に重要な情報源となります。
OpenBSDカーネルの起動が完了すると、河豚板のバナーが表示されます。
============================================
= ______ __ _
= / ____/ | |_| |__
= / /____ ______ __ _| /_ _/_____
= / ___/ / / / __ \/ / / | | | | / _ |
= / / / /_/ / /_/ / /_/ /| | | |_| (_) |__
=/_/ \____/\__ /\____/ |__| \___/____/__/
= __/ /
= /___/
=
= Welcome to FuguIta - OpenBSD Live System!
= http://fuguita.org/?FuguIta
= http://fuguita.org/
=============================================
河豚板のバナー表示に続きこのPCに接続されているディスク機器の調査が行われ、そのうちどれに河豚板のシステムがインストールされているかの表示が行われます。
以下の例では「FuguIta's operating device(s): cd0a.」とあるので、LiveCD版の河豚板がCD-R/RWやBlu-Rayなどの光学ドライブにセットされていることがわかります。
以下の例では「FuguIta's operating device(s): cd0a.」とあるので、LiveDVD版の河豚板がCD, DVD, Blu-Rayなどの光学ドライブにセットされていることがわかります。
よって、「Which is FuguIta's operating device?」(河豚板の運用機器はどれですか?)のプロンプトに対し ''cd0a'' と入力します。
>''【メモ】''~
''⇒''これ以降、様々な値を入力してゆきますが、それらのプロンプト中に「[default: xxxx]」という表示がある場合は xxxx がデフォルト値であることを示しています。この場合は下の例のように<Enter>キーを入力するだけでもxxxx<Enter>と入力されたものと見なされます。
scanning partitions: wd0i wd0j cd0a
scanning partitions: cd0a sd1d
FuguIta's operating device(s): cd0a.
Which is FuguIta's operating device? [default: cd0a] -> ← <Enter>のみ入力
>''【メモ】''~
''⇒''OpenBSDオペレーティングシステムでは、ディスク機器に対して以下のようなルールで名前がつきます。
-最初のアルファベット数文字 ... 機器の種類
--cd ... CD, DVDやBlu-Rayなどの光学ドライブ
--wd ... ハードディスク(IDE, SATA接続)
--sd ... USBメモリ、SDカード、メモリスティック、SATA接続、SCSI接続、USB接続のハードディスクなど
--fd ... フロッピーディスク
-それに続く数字 ... その種類の機器が複数接続されてる場合、0から増えてゆきます
-最後のアルファベット ... その機器内の区画(パーティション)~
パーティションは概ね、以下のように使用されています;
--c ... その機器全体を表します
--b ... その機器内のOpenBSDスワップパーティションを表します
--a, d〜h ... OpenBSDのファイルが格納されるパーティションです。aパーティションはルートファイルシステムとして用いられることが多いです
--i, j など ... WindowsやLinux用のパーティションはこのi, jパーディションとされることが多いです。
-注)cパーティション、bパーティション以外は慣習的にそのようなパーティション名が付けられている場合もあり、上の説明に従わないケースもあります。
**メモリ使用量の設定 [#ceed87b2]
**tmpfsサイズの設定 [#ceed87b2]
続いて、メモリに関する設定を行います。
以下の例ではまず、このPCには約255メガバイトのメモリが装着されていることを報告しています。~
そして、その255MBのメモリの内、何メガバイトをtmpfsに割り当てるかをユーザが入力します。
LiveCDやLiveUSBなどのシステムはPCに内蔵されたハードディスクを使用しないため、その替わりにメモリ上にディレクトリやファイルを保持する領域を確保します。OpenBSDではそのための仕組みとしてtmpfs (Temporary File System)というものがあり、河豚板もこのtmpfsを使用しています。
河豚板は通常、PCに内蔵されたハードディスクを使用しないため、その替わりにメモリ上にディレクトリやファイルを保持する領域を確保します。OpenBSDにはそのための仕組みとしてtmpfs (Temporary File System)というものがあり、河豚板もこのtmpfsを使用しています。
tmpfsの割当てサイズとして0を指定すると、装着されているメモリに応じて自動で割当てが行われます。~
0は入力時のデフォルト値でもあるので<Enter>キーを押すだけで、0が入力されたと見做されます。~
通常はこの<Enter>キーだけの入力で問題ありません。
>''【メモ】''~
''⇒''0ではない数値を入力した場合はその値がtmpfsが保持できるファイルの最大値となります。例えば下の例で100<Enter>と入力したとすると、ファイルやディレクトリは合計で最大約100メガバイトまで保持でき、残りの約155メガバイトはプログラムの実行のために確保されます。
user memory: 255 MB
user memory: 1007 MB
Enter tmpfs size in MB. (0MB is auto)
[default: 0MB] -> ← <Enter>のみ入力
tmpfs size will be automatically allocated
>''【メモ】''~
''⇒''0ではない数値を入力した場合はその値がtmpfsが保持できるファイルの最大値となります。例えば下の例で100<Enter>と入力したとすると、ファイルやディレクトリは合計で最大約100メガバイトまで保持でき、残りの約155メガバイトはプログラムの実行のために確保されます。
**起動モードの選択 [#f8b048c7]
続いて起動モードの選択に移ります。
起動モードはモード0からモード5までの6種類がありますが、まずは標準的なモード0を選択します。
>''【メモ】''~
''⇒''他のモードについては [[河豚板を使う【一般編】>#v7ad37bc]] や [[河豚板を使う【応用編】>#kf683b7c]] で説明します。
Select boot mode;
0: fresh boot (normal)
1: fresh boot (lower memory, faster boot than mode 0)
2: fresh boot (works only on tmpfs)
3: retrieve user data from USB flash memory
4: retrieve user data from floppy disk
起動モードにはモード0からモード5までの6種類がありますが、まずは標準的なモード0を選択します。
Boot modes:
0: fresh boot - standard mode as a live system
1: fresh boot - less memory, faster boot (/usr is non-writable, can't pkg_add)
2: fresh boot - works using only RAM (about 1GB or more of RAM required)
3: boot with retrieving saved files from storage device
or enter passphrase for an encrypted volume
4: boot with retrieving saved files from floppy disk
5: interactive shell for debugging
->0
Running manual setup.
Copying system files to /ram ... done
Extracting symlinks from /ram to /fuguita ... done
>''【メモ】''~
''⇒''他のモードについては [[河豚板を使う【一般編】>#v7ad37bc]] や [[河豚板を使う【応用編】>#kf683b7c]] で説明します。
**キーボードレイアウトの設定 [#te842ff2]
次はキーボードの言語設定です。
日本語キーボードの場合は「jp」又は「jp.swapctrlcaps」を入力します。
「jp.swapctrlcaps」を入力すると、<Control>キーと<Caps>キーの位置が入れ替わり、<Control>キーはアルファベット「A」キーの左隣となります。~
EmacsエディタやBashシェルなどのキー割り付けに慣れている方はこちらのほうがよいかも知れません。
Enter keyboard type.
pc-xt/pc-at keyboard:
us de de.nodead fr fr.dvorak dk dk.nodead it uk jp sv sv.nodead no no.nodead us.
declk us.dvorak us.colemak us.swapctrlcaps us.iopener uk.swapctrlcaps jp.swapctr
lcaps fr.swapctrlcaps fr.swapctrlcaps.dvorak be.swapctrlcaps us.swapctrlcaps.dvo
rak us.swapctrlcaps.colemak us.swapctrlcaps.iopener es be ru ua sg sg.nodead sf
sf.nodead pt lt la br tr tr.nodead pl hu si cf cf.nodead lv nl nl.nodead is is.n
odead ee ee.nodead
keyboard type -> jp
>''【メモ】''~
''⇒''キーボード設定はX Window Systemの環境にも引き継がれます。
Keyboard type;
be be.swapctrlcaps br cf
cf.nodead de de.nodead dk
dk.nodead es fr fr.dvorak
fr.swapctrlcaps fr.swapctrlcaps.dvorak hu is
is.nodead it jp jp.swapctrlcaps
la lt lv nl
nl.nodead no no.nodead pl
pt ru sf sf.nodead
sg sg.nodead si sv
sv.nodead tr tr.nodead ua
uk uk.swapctrlcaps us us.declk
us.dvorak us.iopener us.swapctrlcaps us.swapctrlcaps.dvorak
us.swapctrlcaps.iopener
-> jp
kbd: keyboard mapping set to jp
**管理者パスワードの設定 [#ad3588bf]
キーボード設定に続き、管理者パスワードの設定を行います。
OpenBSDなどのUnix系OSでは、システム管理者のことを「スーパーユーザ (super user)」と呼び、それ以外のユーザを「一般ユーザ (ordinary user)」と呼びます。~
スーパーユーザには、あらかじめ「root」というユーザ名が割当てられていますので、そのrootに対してパスワードを設定します。
Changing password for root.
New password: ← パスワード入力は表示されません
Retype new password: ← 確認のため、もう一回入力します
>''【メモ】''~
''⇒''OpenBSDでは入力したパスワードが短かすぎたり単純過ぎたりすると、警告文が出てそのパスワードは受け入れられません。~
設定するパスワードには以下のようなものが推奨されています;
-半角6文字以上
-アルファベットの大文字と小文字を混在させる
-数字や記号文字、制御文字なども混ぜる
Please wait ...
Changing local password for root.
New password: ← パスワード入力は表示されません
Retype new password: ← 確認のため、もう一回入力します
**ネットワーク関連の設定 [#sffc6969]
最後に、ネットワーク関連の設定を入力します。
次に、ネットワーク関連の設定を入力します。
>''【メモ】''~
''⇒''ネットワークの設定内容は接続するネットワークの環境によって異なります。~
ネットワークの環境に合致しない設定をされたコンピュータが接続された場合、そのネットワークや接続されたコンピュータに思わぬ影響を及ぼすことがあります。~
企業内や公共施設などに河豚板を接続する場合は、そのネットワークの管理者に接続設定について前もって相談することをお勧めします。
>&color(red){''【ご注意】''};~
&color(red){''!!''ネットワークの設定内容は接続するネットワークの環境によって異なります。&br;ネットワークの環境に合致しない設定をされたコンピュータが接続された場合、そのネットワークや接続されたコンピュータに思わぬ影響を及ぼすことがあります。&br;企業内や公共施設などに河豚板を接続する場合は、そのネットワークの管理者に接続設定について前もって相談することをお勧めします。};
***ホスト名の設定 [#ie5a333c]
最初に、河豚板を走らせるPCに名前(ホスト名: host name)を付けます。~
この例ではホスト名として「fugu-demo」という名前を付けています。
host name (without domain) -> fugu-demo
***IPプロトコルバージョンの選択 [#m437800b]
次は使用するIPプロトコルバージョンの設定です。
IP version(s) to use: 4, 6, 46, 64 or n
46: IPv4 preferred over IPv6 in address resolution
64: reversed to 46
n: stand alone operation
[46]->
IPv4プロトコルだけを使用して通信を行う場合は「4」を、IPv6プロトコルだけの場合は「6」を、IPv4、IPv6両方を使用する場合は「46」または「64」を入力します。
「n」を入力するとIPネットワークに関する設定は行なわれず、[[ログイン画面に移行>#v7ad37bc]] します。
~<Enter>キーのみを入力した場合は、「46」を入力したものとみなされます。
通常は<Enter>キーのみの入力で問題ありません。
>''【メモ】''~
''⇒''IPv4、IPv6両方を使用する場合は「46」と「64」のどちらも指定できますが、DNSの問い合せ順序が異なります。~
「46」ではIPv4を優先してアドレスの問合せを行い、逆に「64」ではIPv6の問い合せが優先されます。
***ネットワークインターフェースの設定 [#b17e97e6]
続いてネットワークインターフェースの設定を行います。
まず、このPCに接続されているネットワークインターフェースとその状態の一覧が表示されます。
以下の表示はifconfigというネットワーク設定コマンドの出力ですが、この例ではlo0、em0、enc0という3つのネットワークインターフェースが表示されています。
これに続き、「Available network interface(s): em0」と表示されているため、利用できるネットワークインターフェースが em0 であることがわかります。
今までの例と同様、 入力のデフォルトとして em0 が表示されているため、em0を指定するのに<Enter>キーのみを押しています。
==[ifconfig -a]=========================
lo0: flags=8008<LOOPBACK,MULTICAST> mtu 32768
priority: 0
groups: lo
em0: flags=8802<BROADCAST,SIMPLEX,MULTICAST> mtu 1500
lladdr 52:54:00:12:34:56
priority: 0
media: Ethernet autoselect (1000baseT full-duplex)
status: active
enc0: flags=0<>
priority: 0
groups: enc
status: active
========================================
Available network interface(s): em0
network interface to setup [em0] -> ← <Enter>のみ入力
>''【メモ】''~
''⇒''lo0, enc0は特殊なインターフェースなので、設定候補からは外されています。~
「em」はインテル社製のギガビットイーサネットインターフェースに付けられている名前です。~
em以外のイーサネットインターフェースやWiFiインターフェースが接続されている場合なども、それらがifconfigの表示に出力されます。~
個々のネットワークインターフェースについてはOpenBSDに内蔵されている [[オンラインマニュアルで調べること>#z306ec3b]] ができます。
***ドメイン名の設定 [#xd790bd7]
次はこのPCのFQDN (Fully Qualified Domain Name)を入力します。FQDNとは先程入力した、このコンピュータの名前にドメイン名を付加したものです。~
このコンピュータの「ホスト名.」がすでに表示されているので、残りのドメイン部分を入力します。
FQDN of this host -> fugu-demo.localnet
>''【メモ】''~
''⇒''家庭内のネットワークなどでは、ドメイン名は正式に登録・管理されているわけではないので、適当な名前を付けます。一般に ''.local'' や ''.localnet'' などが使われることが多いようです。~
組織によって管理されているネットワークの場合は、そのネットワークの管理者に相談して下さい。
#aname(wifi-set)
***WiFiの設定 [#gcd7e74b]
このあと、ネットワークインターフェースとしてWiFiデバイスを選択した場合にのみ、以下のような設定項目が表れます。
Wi-Fi SSID -> my-wifinet ← 接続したいWiFiのSSIDを入力
WPA Key -> my-wpa-secrect-key ← WPAの鍵を入力
なお、WPAの鍵をENTERのみ入力し、設定を行わなかった時にWEPの鍵を訊いてきます。~
WEP方式は現在では簡単に暗号を解読されてしまうため、WEPは使用せずWPA方式を使用することを強くお勧めします。
Wi-Fi SSID -> my-wifinet
WPA Key ->
WEP Key -> my-wep-unsecured-key
>''【メモ】''~
''⇒''WiFiデバイスには、デバイスメーカーが供給するファームウェア(firmware)が必要で、動作のためにはファームウェアのダウンロードとインストールが必要な場合があります。~
この場合は有線LANを設定してインターネットに接続した後、[[ファームウェアのダウンロードが必要なWiFiデバイスを使う>#e61af36c]] の項を参照し、WiFiの設定を行って下さい。
この場合は有線LANを設定してインターネットに接続した後、[[ファームウェアのダウンロードが必要なWiFiデバイスを使う>#e61af36c]] の項を参照し、WiFiの設定を行って下さい。~
''⇒''WEP鍵の入力に対してENTERのみを入力した場合はWPA・WEPのいずれの鍵もなしでWiFiの接続を試みます。これは鍵が設定されていない公衆WiFiに接続する場合などに使用します。
***IPアドレスとDNSの設定 [#n0705aa2]
最後にDNSやIPアドレス関連の設定があります。
>''【メモ】''~
''⇒''DNS (Domain Name System)とは、「fuguita.org」のようなドメイン名から「152.152.211.70」のようなIPアドレスを検索するための仕組みです。コンピュータが通信を始める時、まずDNSサーバと呼ばれるコンピュータに検索を依頼し、その検索結果として返されたIPアドレスを使用して通信します。
DNSの設定には3パターンあります。
-手動設定 ... 問い合せを依頼するDNSサーバのIPアドレスを直接指定します。
-DHCP ... DHCP (Dynamic Host Configuration Protocol) と呼ばれる仕組みを使用してDNSサーバの自動的に設定します。
-DNSなし ... DNSを使用せず、IPアドレスを直接指定して通信を行う場合にこれを選択します。
以下の例のように<Enter>キーだけを入力するとDHCPによる設定となり、DNSサーバは自動で設定されます。~
DHCPはこのPCのIPアドレス関連の設定も併せて行いますので起動時の設定はこれで完了です。後は[[ログイン画面に移行>#v7ad37bc]]します。
DHCPはこのPCのIPアドレス関連の設定も併せて行います。
>''【メモ】''~
''⇒''DHCPを使用するには、そのネットワークにあらかじめDHCPサーバが設置されている必要があります。~
''⇒''家庭用のネットワーク機器や公共のWi-FiスポットではDHCPサーバが設置されていることが多いです。
DNS setup;
Manual : Enter up to three IPv4/IPv6 addresses, separated by spaces
DHCP : Just press ENTER .
no DNS : Enter "none".
->
========================================
一方、以下のようにDNSサーバのIPアドレスを手動設定した場合は、その後にこのPC自身のIPアドレス関連の設定も行います。~
(''none''を指定してDNSなし運用を選択した場合も同様にIPアドレス関連を設定します)
DNS setup;
Manual : Enter up to three IPv4/IPv6 addresses, separated by spaces
DHCP : Just press ENTER .
no DNS : Enter "none".
-> 172.16.1.16 ←DNSサーバのIPアドレス
IPv4 addr of this host -> 172.16.1.23 ←このPCのIPアドレス
netmask -> 255.255.0.0 ←このネットワークのネットマスク
default route -> 172.16.1.95 ←このネットワークのデフォルトルート
========================================
**ログイン方法の選択 [#a5fdbf53]
最後に、どのような方法でログインするかを指定します。~
ログイン方法には、このままコンソール画面から行う方法と、X Window Systemのログイン画面(xenodm)からログインする方法の2通りあります。~
以下の例では<Enter>キーのみを入力して、デフォルトのコンソールからのログインを選択しています。
Do you login with C)onsole or X) Window System?
[default: C] ->
X Window Systemからのログインを行うには、「x」を入力します。
起動時の設定は以上です。残った初期化処理を行った後は[[ログイン画面に移行>#v7ad37bc]]します。
_________________________________________________
/ Setup for FuguIta ends. /
/ OpenBSD's boot sequence will follow. /
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
Automatic boot in progress: starting file system checks.
setting tty flags
kbd: keyboard mapping set to jp
kbd: keyboard mapping set to us
pf enabled
machdep.allowaperture: 0 -> 2
machdep.lidsuspend: 1 -> 0
machdep.userldt: 0 -> 1
starting network
DHCPDISCOVER on em0 - interval 3
DHCPOFFER from 10.0.2.2 (52:55:0a:00:02:02)
DHCPREQUEST on em0 to 255.255.255.255
DHCPACK from 10.0.2.2 (52:55:0a:00:02:02)
bound to 10.0.2.15 -- renewal in 43200 seconds.
openssl: generating isakmpd/iked RSA key... done.
ssh-keygen: generating new host keys: RSA DSA ECDSA ED25519
starting early daemons: syslogd pflogd ntpd.
starting RPC daemons:.
savecore: can't find device 17/1
checking quotas: done.
clearing /tmp
kern.securelevel: 0 -> 1
creating runtime link editor directory cache.
preserving editor files.
machdep.lidaction: 1 -> 0
〜略〜
starting network daemons: sshd smtpd sndiod.
Path to firmware: http://firmware.openbsd.org/firmware/6.0/
No devices found which need firmware files to be downloaded.
running rc.firsttime
Path to firmware: http://firmware.openbsd.org/firmware/6.7/
Installing: vmm-firmware
starting local daemons: cron.
Fri Dec 30 16:39:58 UTC 2016
fuguita: disabled KARL because of read-only media
Thu Jul 2 06:51:57 UTC 2020
OpenBSD/amd64 (fugu-demo.localnet) (tty00)
login:
ログインプロンプト「login:」が表示されると、このPCはユーザが利用可能な状態になっています。~
以降は [[河豚板を使う>#v7ad37bc]] にて説明を致します。
*河豚板を使う【一般編】 [#v7ad37bc]
[[河豚板を起動する>#i322b9ad]] では起動及びその設定方法について説明しました。~
この章ではシステムが起動完了し、実際に使用する時の基本的な手順について説明します。
また、Unix系OSになじみのない人、そして他のUnix系OSを使用経験がある人が参照すると役に立つ情報源をそれぞれ紹介します。
**システム管理者としてログイン・ログアウトする [#w2c53668]
河豚板の起動が完了すると、OpenBSDオペレーティングシステムのログイン画面が表示されます。~
最初はスーパーユーザのアカウントのみがログインできる状態ですので「login:」のプロンプトに対し ''root''、「Password:」のプロンプトに対し起動時に設定したパスワードを入力します。
OpenBSD/amd64 (fugu-demo.localnet) (tty00)
login: root
Password:
Last login: Fri Dec 30 16:40:09 on ttyC0
OpenBSD 6.0-stable (RDROOT.MP) #3: Sat Oct 29 14:03:04 JST 2016
OpenBSD 6.7-stable (RDROOT.MP) #1: Fri Jun 5 09:41:45 JST 2020
Welcome to OpenBSD: The proactively secure Unix-like operating system.
Please use the sendbug(1) utility to report bugs in the system.
Before reporting a bug, please try to reproduce it with the latest
version of the code. With bug reports, please try to ensure that
enough information to reproduce the problem is enclosed, and if a
known fix for it exists, include that as well.
You have new mail.
#
fugu-demo#
ログインに成功するとシェルのプロンプト「#」が表示され、コマンドが実行可能な状態になります。~
例としてpsというコマンドを実行してみます。
# ps -aux
USER PID %CPU %MEM VSZ RSS TT STAT STARTED TIME COMMAND
root 1 0.0 0.0 764 4 ?? Is 11:13PM 0:01.01 /sbin/init
root 16321 0.0 0.0 620 4 ?? Is 11:15PM 0:00.01 dhclient: em0
_dhcp 15024 0.0 0.0 716 4 ?? Is 11:15PM 0:00.00 dhclient: em0
_syslogd 356 0.0 0.0 940 4 ?? I 11:15PM 0:00.03 /usr/sbin/sys
root 12915 0.0 0.0 940 4 ?? Is 11:15PM 0:00.01 syslogd: [pri
root 32600 0.0 0.0 616 4 ?? Is 11:15PM 0:00.01 pflogd: [priv
_pflogd 29838 0.0 0.0 680 348 ?? S 11:15PM 0:00.26 pflogd: [runn
root 4197 0.0 0.0 600 4 ?? I<s 11:15PM 0:00.01 ntpd: [priv]
_ntp 28802 0.0 0.2 996 2124 ?? S< 11:15PM 0:00.33 ntpd: ntp eng
_ntp 10091 0.0 0.0 884 4 ?? I 11:15PM 0:00.04 ntpd: dns eng
root 11122 0.0 0.0 920 4 ?? Is 11:15PM 0:00.00 /usr/sbin/ssh
root 9211 0.0 0.0 1384 4 ?? Is 11:15PM 0:00.02 smtpd: [priv]
_smtpd 17619 0.0 0.0 1436 4 ?? I 11:15PM 0:00.01 smtpd: contro
_smtpd 25681 0.0 0.0 1164 4 ?? I 11:15PM 0:00.03 smtpd: schedu
_smtpd 19326 0.0 0.0 1368 4 ?? I 11:15PM 0:00.03 smtpd: pony e
_smtpd 32520 0.0 0.0 1232 4 ?? I 11:15PM 0:00.04 smtpd: klondi
_smtpd 2987 0.0 0.0 1308 4 ?? I 11:15PM 0:00.02 smtpd: lookup
_smtpq 13491 0.0 0.0 1384 4 ?? I 11:15PM 0:00.01 smtpd: queue
_sndio 4822 0.0 0.0 528 4 ?? I<s 11:15PM 0:19.63 /usr/bin/sndi
root 11581 0.0 0.0 656 460 ?? Is 11:15PM 0:00.03 /usr/sbin/cro
root 14855 0.0 0.0 280 4 C0 Is+ 11:15PM 0:00.01 /usr/libexec/
root 24959 0.0 0.1 656 684 C0 Ss 11:19PM 0:00.03 -ksh
root 1699 0.0 0.0 388 372 C0 R+ 11:21PM 0:00.00 ps -aux
root 11287 0.0 0.0 276 4 C1 Is+ 11:15PM 0:00.01 /usr/libexec/
root 28547 0.0 0.0 280 4 C2 Is+ 11:15PM 0:00.01 /usr/libexec/
root 12101 0.0 0.0 284 4 C3 Is+ 11:15PM 0:00.01 /usr/libexec/
root 27847 0.0 0.0 280 4 C5 Is+ 11:15PM 0:00.01 /usr/libexec/
fugu-demo# ps -aux
USER PID %CPU %MEM VSZ RSS TT STAT STARTED TIME COMMAND
root 68528 3.6 0.1 868 884 00 Sp 6:51AM 0:01.89 -ksh (ksh)
root 1 0.0 0.1 884 532 ?? I 6:40AM 0:01.68 /sbin/init
root 14453 0.0 0.1 792 644 ?? Ip 6:43AM 0:00.47 /sbin/slaacd
_slaacd 53995 0.0 0.1 812 784 ?? Ip 6:43AM 0:00.81 slaacd: engi
_slaacd 33982 0.0 0.1 800 732 ?? Ip 6:43AM 0:00.81 slaacd: fron
root 55401 0.0 0.1 712 548 ?? IU 6:44AM 0:00.17 dhclient: em
_dhcp 78950 0.0 0.1 840 700 ?? Ip 6:44AM 0:00.10 dhclient: em
root 86344 0.0 0.2 520 2184 ?? IpU 6:46AM 0:00.64 syslogd: [pr
_syslogd 45328 0.0 0.1 1128 1488 ?? Sp 6:46AM 0:01.04 /usr/sbin/sy
root 73380 0.0 0.1 836 584 ?? IU 6:46AM 0:00.27 pflogd: [pri
_pflogd 53476 0.0 0.1 876 540 ?? Sp 6:46AM 0:02.97 pflogd: [run
_ntp 63935 0.0 0.3 1016 2868 ?? S<p 6:47AM 0:02.87 ntpd: ntp en
_ntp 18769 0.0 0.2 820 2508 ?? Ip 6:47AM 0:01.86 ntpd: dns en
root 34145 0.0 0.2 788 1568 ?? S<pU 6:47AM 0:00.81 /usr/sbin/nt
root 63360 0.0 0.1 1324 1280 ?? I 6:47AM 0:00.37 sshd: /usr/s
root 61566 0.0 0.2 1680 2052 ?? Ip 6:48AM 0:00.82 /usr/sbin/sm
_smtpd 19845 0.0 0.4 1448 3940 ?? Ip 6:48AM 0:01.83 smtpd: klond
_smtpd 66321 0.0 0.4 1716 4240 ?? Ip 6:48AM 0:02.23 smtpd: contr
_smtpd 91561 0.0 0.4 1552 4164 ?? Ip 6:48AM 0:01.95 smtpd: looku
_smtpd 90688 0.0 0.4 1844 4396 ?? Ip 6:48AM 0:02.69 smtpd: pony
_smtpq 16446 0.0 0.4 1640 4252 ?? Ip 6:48AM 0:02.47 smtpd: queue
_smtpd 82450 0.0 0.4 1440 3988 ?? Ip 6:48AM 0:02.17 smtpd: sched
_sndio 66682 0.0 0.1 516 744 ?? I<p 6:48AM 0:00.17 /usr/bin/snd
_sndiop 92235 0.0 0.1 504 920 ?? IpU 6:48AM 0:00.08 sndiod: help
root 1376 0.0 0.1 672 1268 ?? Sp 6:51AM 0:00.84 /usr/sbin/cr
root 6575 0.0 0.0 484 360 00 R+pU/0 7:32AM 0:00.35 ps -aux
root 13541 0.0 0.1 288 1296 C0 I+pU 6:51AM 0:00.58 /usr/libexec
root 70324 0.0 0.1 292 1308 C1 I+pU 6:51AM 0:00.54 /usr/libexec
root 10475 0.0 0.1 296 1312 C2 I+pU 6:51AM 0:00.44 /usr/libexec
root 81779 0.0 0.1 292 1304 C3 I+pU 6:51AM 0:00.58 /usr/libexec
root 45364 0.0 0.1 284 1280 C5 I+pU 6:51AM 0:00.47 /usr/libexec
fugu-demo#
psは、現在どのようなプログラム(プロセス)が動いているかを表示するコマンドです。~
システムが起動直後、しかも画面表示上動きのない様子であっても内部ではすでに沢山のプロセスが起動されていることがわかります。
ログアウトするにはシェルのプロンプト「#」が出ているときに <Control>-D を押すか、「exit」と入力します。
>''【メモ】''~
''⇒''<Control>-Dは「<Control>キーを押したままの状態でアルファベットの「D」キーも押す」という意味です。<Control>-Dはまた、「^D」と表記されることもあります。
# exit
OpenBSD/amd64 (fugu-demo.localnet) (tty00)
login:
ログアウトすると「login:」が表示され、再度ログインできる状態になります。
**一般ユーザを登録する [#h1216f6c]
起動直後の河豚板は、スーパユーザ(システム管理者)用のアカウントrootでのみログインできます。
Unix系のOSでは、通常は一般ユーザとしてログインし、日常の利用を行います。~
システム管理の時には一般ユーザから一時的にスーパユーザになるか、あるいは一般ユーザからログアウトした後、スーパユーザとしてログインし直して管理作業を行います。
>&color(red){''【ご注意】''};~
&color(red){''!!''スーパユーザでログイン中はシステムを動作不能にしてしまうような操作を容易に実行できてしまいます。勿論、故意にではない誤操作の場合も例外ではありません。このようなリスクを防ぐため、一般ユーザのアカウントを作成し、通常はそのアカウントで使用することを''強くお勧め''します。};
以下、一般ユーザとしてyoshiというアカウントを作成してみます。~
ユーザアカウントの作成もシステム管理ですので、rootで行います。
ユーザアカウントを追加するにはadduserというコマンドを使用します。~
まず、ユーザアカウント追加時のデフォルト値を訊かれます。これはadduserの初回の実行時にだけ訊かれます。通常は全て<Enter>キーのみの入力で問題ありません。
# adduser
Couldn't find /etc/adduser.conf: creating a new adduser configuration file
Reading /etc/shells
Enter your default shell: bash csh ksh nologin nsh sh [ksh]: ←<Enter>を入力
Your default shell is: ksh -> /bin/ksh
Default login class: authpf bgpd daemon default pbuild staff unbound
[default]: ←<Enter>を入力
Enter your default HOME partition: [/home]: ←<Enter>を入力
Copy dotfiles from: /etc/skel no [/etc/skel]: ←<Enter>を入力
Send welcome message?: /path/file default no [no]: ←<Enter>を入力
Do not send message(s)
Prompt for passwords by default (y/n) [y]: ←<Enter>を入力
Default encryption method for passwords: auto blowfish [auto]: ←<Enter>を入力
Use option ``-silent'' if you don't want to see all warnings and questions.
Reading /etc/shells
Check /etc/master.passwd
Check /etc/group
以降は、一般ユーザのアカウント「yoshi」を作成してみます。~
最初に表示されているように、入力内容は最後に訂正でき(入力しなおせ)ます。
Ok, let's go.
Don't worry about mistakes. There will be a chance later to correct any input.
Enter username []: yoshi ←アカウント名(半角アルファベット半角数字)
Enter full name []: KAWAMATA Yoshihiro ←ユーザの本名
Enter full name []: Yoshihiro Kawamata ←ユーザの本名
Enter shell bash csh ksh nologin nsh sh [ksh]: ←<Enter>を入力 (ログインシェル)
Uid [1000]: ←<Enter>を入力 (ユーザID)
Login group yoshi [yoshi]: ←<Enter>を入力 (ログイングループ)
Login group is ``yoshi''. Invite yoshi into other groups: guest no
[no]: wheel ←(ログイングループ以外に加入するグループ)
Login class authpf bgpd daemon default pbuild staff unbound
[default]: ←<Enter>を入力 (ログインクラス)
Enter password []: ←パスワードを入力 (表示されません)
Enter password again []: ←確認のためのパスワード再入力
Name: yoshi
Password: ****
Fullname: KAWAMATA Yoshihiro
Fullname: Yoshihiro Kawamata
Uid: 1000
Gid: 1000 (yoshi)
Groups: yoshi wheel
Login Class: default
HOME: /home/yoshi
Shell: /bin/ksh
OK? (y/n) [y]: y ←入力内容の確認
Added user ``yoshi''
Copy files from /etc/skel to /home/yoshi
Add another user? (y/n) [y]: n ←他にもユーザアカウント作成するなら「y」
Goodbye!
#
>''【メモ】''~
''⇒''この例ではアカウントyoshiをwheelというグループにも加入させています。~
wheelに加入しているユーザは、システム管理作業を行うために、一時的にrootになることができます。
以上で、yoshiという一般ユーザアカウントが作成されましたので、実際にログインできるか確認してみます。
# exit
fugu-demo# exit
OpenBSD 6.0-stable (RDROOT.MP) #3: Sat Oct 29 14:03:04 JST 2016
OpenBSD/amd64 (fugu-demo.localnet) (tty00)
login: yoshi
Password:
OpenBSD 6.7-stable (RDROOT.MP) #1: Fri Jun 5 09:41:45 JST 2020
Welcome to OpenBSD: The proactively secure Unix-like operating system.
Please use the sendbug(1) utility to report bugs in the system.
Before reporting a bug, please try to reproduce it with the latest
version of the code. With bug reports, please try to ensure that
enough information to reproduce the problem is enclosed, and if a
known fix for it exists, include that as well.
$ pwd
fugu-demo$ pwd
/ram/home/yoshi
$ ls
$ ls -a
. .config .fvwm2rc .mailrc .ssh .xsession
.. .cshrc .fvwmrc .mew .twmrc
.Xdefaults .cvsrc .icewm .mplayer .w3m
.Xresources .emacs .login .profile .xinitrc
$ ^D
fugu-demo$ ls
fugu-demo$ ls -a
. .Xdefaults .cvsrc .mailrc .ssh
.. .cshrc .login .profile
fugu-demo$ ^D
OpenBSD/amd64 (fugu-demo.localnet) (tty00)
login:
login:
>''【メモ】''~
''⇒''rootでログインしたときのシェルのプロンプトは「#」になりますが、一般ユーザの場合は「$」となります。~
以降の例示箇所でもこの表記に従います。~
''⇒''OpenBSDではrootアカウントでのSSHによるログインは許可されていません。SSHによるリモートログインを行ないたい場合も一般ユーザのアカウントを作成しておく必要があります。
**X Window Systemを起動してみる。 [#a1cfa1e7]
OpenBSDはX Window Systemというグラフィック環境を含んだ形で出荷されており、河豚板もこのX Window Systemを使用することができます。
>''【メモ】''~
''⇒''X Window Systemは「X」や「X11」などと略して呼んでもよいことになっています。以下、X Window SystemをXと表記することにします。
''⇒''X Window Systemは「X」や「X11」などと略して呼んでもよいことになっています。以下、X Window SystemをXと表記することにします。
Xを起動するには、シェルのプロンプトが出ている状態で startx と入力します。
$ startx
Xの起動が完了すると以下のような画面になります。
Xを使用するには、[[ログイン方法の選択>#a5fdbf53]] で説明したように、ログイン方法としてX Window Systemを選択します。
Do you login with Console or X Window System?
[default: Console] -> x
Xが起動すると、以下のようなログイン画面が表示されますので、ユーザ名とパスワードを入力します。
#ref(xenodm-login.png,,50%)
ログインに成功すると以下のような画面になります。
#ref(startx.png)
画面左上の白いウィンドウは「端末エミュレータ」というもので、X上でシェルとのセッションなど、文字端末での作業を行うためのプログラムです。~
画面左上の白いウィンドウは「端末エミュレータ」というもので、X上でシェルとのセッションなど、文字端末での作業を行うためのプログラムです。~
右上には時計が表示されています。~
左下にあるものは「xconsole」といい、システムのログ情報を表示するプログラムです。起動直後はこのプログラムはアイコン化されています。~
右下の表のようなものは、「仮想デスクトップ」といい、複数のデスクトップ画面を切り替えて使用できるようにするものです。標準の設定では3列×3行=9面のデスクトップ画面を切り替えられます。
>''【メモ】''~
''⇒''河豚板は、5.9から6.0にバージョンアップした時点でいままでのIceWMとROX Filerによるデスクトップ環境はなくなり、OpenBSDのXがそのまま起動するようになりました。~
河豚板6.0以降用の説明は、今後執筆予定です。今、OpenBSDのXについてお知りになりたい場合は、http://www.openbsd.org/faq/faq11.html をご参照下さい。
壁紙部分(Xでは、「ルートウィンドウ」と呼びます)でマウスの左ボタンを押すとメニューが表われます。このメニューからXのアプリを選択して実行できます。メニューにないものは端末エミュレータからコマンドを投入して実行することもできます。
壁紙部分(Xでは、「ルートウィンドウ」と呼びます)でマウスの左ボタンを押すとメニューが表われます。このメニューからXのアプリを選択して実行できます。メニューにないものは端末エミュレータからコマンドを投入して実行することもできます。
以下の画面は、実際にアプリを実行してみた例です。
#ref(various-xclt.png,wrap)
ルートウィンドウではマウスの中ボタンや右ボタンを押すことで、別のメニューが表示されます。
>''【メモ】''~
''⇒''Xの操作は3ボタンマウスによる操作を想定して設計されています。
''⇒''Xの操作は3ボタンマウスによる操作を想定して設計されています。
中ボタンのないマウスの場合は、左右のボタンを両方同時に押すか、あるいはホイールを押します。
Xを終了するには、マウスの左ボタンのメニュー中、「Exit」を選択し、さらに本当に終了するかを確認するウィンドウに対し「Exit」を選択します。
Xを終了するには、マウスの左ボタンのメニュー中、「Exit」を選択し、さらに本当に終了するかを確認するウィンドウに対し「Exit」を選択します。
#ref(quit-verify-win.png,wrap)
>''【メモ】''~
''⇒''OpenBSDには、X Windowを使うためのソフトウェア(デスクトップ環境)が何種類か用意されており、また、日本語の表示や入力用のソフトウェアを追加することもできます。これについては応用編の [[X Window Systemに日本語デスクトップ環境を導入する>#r41dd079]] で説明致します。
**河豚板を終了する [#r5ff7390]
河豚板の運用を終了するにはrootでログインし、shutdownコマンドを実行します。
# shutdown -h -p now
fugu-demo# shutdown -h -p now
Shutdown NOW!
shutdown: [pid 22103]
#
shutdown: [pid 4771]
fugu-demo#
*** FINAL System shutdown message from root@fugu-demo.localnet ***
System going down IMMEDIATELY
System shutdown time has arrived
# syncing disks... done
fugu-demo# syncing disks... done
上の例では、shutdownコマンドへの指定として -h オプションを指定しているので、システムは停止(halt)します。
また、-p オプションを指定しているので停止直後に電源が自動的にOFF (power off)になります(PCによっては -p オプションによる電源OFFに対応していない機種もあります。この場合は手動で本体の電源をOFFにします)。
~ -h オプションや -p オプションの替わりに -r オプションを指定すると、システムは再起動(reboot)します。~
システムの停止や再起動を行うと、今回の起動後に行った設定や作成したユーザアカウント、また、ファイルやディレクトリの作成や編集、削除などの一切の結果は消えてなくなります。
>''【メモ】''~
''⇒''これら各種の設定やデータを保存・復帰させることもできます。この方法は [[保存した設定やファイルを起動時に読み込む>#w4595c42]] で説明します。
河豚板上で行った操作がシステムを停止すると消えてしまうということは、見方を変えると内蔵ハードディスクにインストールされている既存のシステムなどに影響を及ぼしにくいということでもあります。~
つまり、rootでファイルの消去やプロセスの停止などを行ってもその影響は限定的なので、システム管理の練習などを安心して行うことができます。
**設定やファイルを保存する [#k57e4ba1]
河豚板ではユーザが作成したファイル、設定の変更、追加されたパッケージ、システムのログなど一切のファイルをLiveUSB版の河豚板に作成されているデータ保存用パーティションに保存し、以降の起動時に呼び出すことができます。
データの保存にはrootでログインし、usbfadmコマンドを実行します。
>''【メモ】''~
''⇒''usbfadmは(USB Flash drive ADMinistration tool)の略です。
# usbfadm
Welcome to usbfadm.
USB flash drive administration tool for FuguIta
Version/Arch: 6.0/amd64 (FuguIta-6.0-amd64-201612291)
Boot mode: manual
Data stored in: not set
Data Saved as: not set
Type ? for help.
まず、targetコマンドを使用して保存先のパーティションを指定します。~
保存用のデバイスが装着されていることを確認した後、ENTERを押下するとデバイスのスキャンが行われます。~
デバイス名の前に+記号がついているものが、保存に使用することができるデバイスです。
? : ? --> target
Searching USB flash drives
Please make sure the device inserted.
Then press ENTER ->
cd0a sd0a +sd0d
targe device--> sd0d
次に、saveasコマンドを使用して保存するデータに名前を付けます。~
名前を省略した場合、ホスト名が保存名として使用されます。
sd0d : ? --> saveas
Name of saved data --> fugu-demo
Your data will be saved as ``fugu-demo''.
当初「?:?」だったプロンプトの文字列が変化していることにご注目下さい。
今ほどのtargetコマンドとsaveasで設定した値がプロンプト内に表示され、確認ができるようになっています。
最後にsyncコマンドを実行し、データを実際に保存します。
/dev/sd0d : fugu-demo -> sync
Sync current mfs as fugu-demo, OK? -> y
building file list ... done
created directory /mnt/livecd-config/fugu-demo
./
etc/
etc/bgpd.conf
etc/boot.conf
:
:
var/yp/Makefile.yp
var/yp/Makefile.yp.dist
var/yp/README
sent 16455591 bytes received 232568 bytes 180412.53 bytes/sec
total size is 15492096 speedup is 0.93
infoコマンドで保存されたデータの情報を表示してみます。
/dev/sd0d : fugu-demo -> info
Filesystem Size Used Avail Capacity Mounted on
/dev/sd0d 218M 18.9M 179M 9.6% /mnt
scanning...
18.9M 6.0/amd64/fugu-demo
データは問題なく保存されているようなのでusbfadmを終了します。
/dev/sd0d : fugu-demo -> bye
#
>''【メモ】''~
usbfadmによる保存は、シェルのコマンドラインからも行うことができます。
# usbfadm -r
========================================
= Sync current tmpfs as fugu-demo into /dev/sd0d
=
sending incremental file list
deleting etc/X11/xenodm/authdir/authfiles/A:0-G4H73h
:
var/spool/smtpd/purge/
var/spool/smtpd/temporary/
#
オプション -r は、usbfadmにファイル保存の再実行を指示します。~
~
また、cronを使用してバックグラウンドで定期的に実行することもできます。
(crontabファイル)
# crontab file
#minute hour mday month wday command
〜 略 〜
#save session periodically
#0 */4 * * * PATH=$PATH:/usr/local/bin /usr/fuguita/sbin/usbfadm -rq
これにより、usbfadmによる保存がバックグラウンドで4時間ごとに行われます。-q は進捗状況などを表示しない「quiet」オプションです。
>''【メモ】''~
''⇒''usbfadmコマンドで作成したパーティションでなくとも、OpenBSDのFFS形式でフォーマットされていて、/livecd-configというディレクトリが作成されているパーティションであれば使用できます。
**保存した設定やファイルを起動時に読み込む [#w4595c42]
[[設定やファイルを保存する>#k57e4ba1]] で説明した方法で保存されたデータは以降の起動時に読み込ませ、環境を復帰させることができます。~
データを復帰させるには、ブートモード3「retrieve user data from USB flash memory」を選択します。
Select boot mode;
0: fresh boot (normal)
1: fresh boot (lower memory, faster boot than mode 0)
2: fresh boot (works only on tmpfs)
3: retrieve user data from USB flash memory
4: retrieve user data from floppy disk
5: interactive shell for debugging
-->3
scanning partitions: sd0a sd0d sd0i
FuguIta's storage device(s): sd0d.
Which is FuguIta's storage device? [default: sd0d] ->
データを復帰させるには、ブートモード3を選択します。
Boot modes:
0: fresh boot - standard mode as a live system
1: fresh boot - less memory, faster boot (/usr is non-writable, can't pkg_add)
2: fresh boot - works using only RAM (about 1GB or more of RAM required)
3: boot with retrieving saved files from storage device
or enter passphrase for an encrypted volume
4: boot with retrieving saved files from floppy disk
5: interactive shell for debugging
->3
scanning partitions: sd0a sd0d sd0i cd0a
Device(s) found:
loadable from: sd0d
Which is FuguIta's storage device? [default: sd0d] -> sd0d
/dev/sd0d : available data;
fugu-demo
config name -> fugu-demo
Copying files from flash to mfs ... done
Copying files from flash to ram ...
保存したデータ名を指定すると退避させていたデータを復帰し、起動が再開されます。~
各種設定値もすべて復帰するため、最初に説明した起動モード0と違いネットワークの設定などは訊かれません。
ログイン後、さらにデータを保存することもできます。手順は [[設定やファイルを保存する>#k57e4ba1]] で説明した方法と同じですが、
すでにLiveUSB上にファイルが保存されているため、変更したファイルやディレクトリのみが対象となります。~
そして、保存デバイス名と保存名はすでに設定済みなので、いきなりsyncコマンドを実行してもOKです。
シャットダウン時、データの退避は自動的には行われないので、その都度手動でusbfadmコマンドを実行する必要があります。
これを自動化したい場合は [[終了時にデータが自動で保存されるようにする>#m8ee7943]] をご参照下さい。
** Unix の使い方を調べる [#qd261f24]
本ガイドの冒頭で説明したように、河豚板はUnix系OSの一種である OpenBSD をベースにして作成されています。
Unixは約半世紀前の1969年に開発され、以降さまざまなコンピュータ向けの実装が作成されてきました。今ではUnix系のOSはスーパーコンピュータからスマートフォンや家電製品、あるいは小さな組込み機器までさまざまな環境で使用されるに至っています。
Unix系OSはMicrosoft WindowsなどのOSとは操作方法が大きくことなっており、最初はどのように使ってよいか見当がつかない方もいるかも知れません。
Unix系OSの基本的な部分はコンシューマユーザ向けに作られてはいません。OpenBSDも例外ではなく、予備知識を持たないユーザを想定した親切なユーザインターフェースなどは初期状態ではほとんど用意されていません。言い替えると''「なんとなくあちこちいじっているうちに使い方がわかった」ということにはなりません。''
そんなUnix系OSを理解し、活用するにはどのようなアプローチを取ればよいのでしょうか。
***書籍を用意しましょう [#eb296ff3]
>Unix系OSに関する基本を解説している書籍を用意しましょう。~
様々な実装が存在するUnix系OSですが、それらには[[Unix哲学>https://ja.wikipedia.org/wiki/UNIX%E5%93%B2%E5%AD%A6]]とも呼ばれる共通した考え方があります。この考え方を理解し、実践できるようになることがUnix系OSを習得する上でのキーになります。~
書籍の内容としては特定の実装だけを対象とせず、基本的な概念から応用の入口までを網羅的・体系的に解説しているものがよいでしょう。~
>「これ一冊読めばすべてOK」というような書籍はなかなかないのですが、定評のあるものをいくつか挙げておきます;
-はじめてUNIXで仕事をする人が読む本 / 木本雅彦 他 著 / KADOKAWA アスキーメディアワークス
-新 The Unix Super Text [上] / 山口和紀・古瀬一隆 著 / 技術評論社
>以下のものは副読本として読むと、より理解が進むかもしれません;
-Unixという考え方−その設計思想と哲学 / Mike Gancarz著 芳尾桂訳 / オーム社
-Linuxを「読む」 / こじまみつひろ著 / 毎日コミュニケーションズ
***とにかく自分でやってみましょう&br;オンライン・マニュアルを活用しましょう [#ra99ba26]
>やはり自分で手を動かすことが、効果的なスキル習得の基本になります。~
その際、やみくもにやってみるのではなく、オンラインマニュアル(manコマンド)を活用しましょう。オンラインマニュアルはそのシステムに即していますから書籍やネットが持つ弱点、記述が古くなっていたりとか、違う実装に基いて説明している、というようなことがありません。
>>''【メモ】''~
''⇒''Unixのマニュアルページは幾つかの章に別れています。~
同じ名前の項目が複数の章にある場合があります。例えば「sleep」は、1章(一般コマンド)と3章(ライブラリ)の両方にあり、それぞれsleep(1)、sleep(3)の様に記述します。ですので、sleepコマンドのコマンドラインを知りたい場合は、
$ man 1 sleep
C言語でプログラミングをしていて、sleep関数の使い方を知りたい場合は、
$ man 3 sleep
として第3章にあるsleep関数の説明を表示します。
ですので、これ以降「ls(1)」のような表記が出てきますが、これは「"man 1 ls"を実行してオンラインマニュアルの1章にある"ls"の項を参照して下さい」という意味になります。
オンラインマニュアルとは別に、Unixのコマンドの多くは自分自身の使用説明を表示する機能を持っています;
$ man
usage: man [-acfhklw] [-C file] [-I os=name] [-K encoding] [-M path] [-m path]
[-O option=value] [-S subsection] [-s section] [-T output] [-W level]
[section] name ...
$ cp -?
cp: unknown option -- ?
usage: cp [-fip] [-R [-H | -L | -P]] source target
cp [-fip] [-R [-H | -L | -P]] source ... directory
上の例ではmanコマンドとcpコマンドのヘルプメッセージを表示させています。~
このようにコマンドのヘルプメッセージは非常に簡素な説明なので、忘れてしまったコマンドラインオプションを思い出すため、といったような備忘録的な役割で使用されます。
***ネットは「参考情報」として活用しましょう [#yd1087f1]
>インターネットを活用するとUnix系OSに関連する情報も、簡単に得ることができます。 ~
しかし、前項で説明したような弱点もあります。特に検索エンジンでの検索結果については目の前の実機にもあてはまるかどうかは自分で判断する必要があります。検索サイトの結果は「参考情報」として活用するのがよいでしょう。~
さらに、現在では多くのUnix系OSが開発コミュニティなどによる「公式サイト」を持っています。公式サイトの情報は一次情報として活用できます。~
***この節のまとめ [#w8477b64]
以上述べたことを例えば「ファイルの属性」というトピックにあてはめて考えると、次のようになるでしょう;
-書籍で基礎事項を押さえる ~
→ファイルのオーナ・グループ・パーミッションとは何か、どのようなコマンドで操作するかを調べる。
-オンラインマニュアル等で確認しながら実際に操作 ~
→実際にchown, chgrp, chmodコマンドなどを実行し、結果を確認してみる。どのようなコマンドラインオプションがあるかなどをmanコマンドで調べる。
-ネットで関連情報・参考情報をゲット~
→ネットの検索などで注意点、はまりやすい点、色々な応用法などを調べてみる。~
→公式サイトで関連情報を調べる ... 仕様の変更やセキュリティホール情報がないか、など。
河豚板は以上で述べたようなUnix系OSの習得にも向いています。つまり、インストール作業不要というライブシステムの特徴を活かし、ユーザが気軽に色々と試せる環境、失敗しても容易にやりなおせる環境を提供しています。
**OpenBSDの使い方を調べる [#z306ec3b]
前節の [[Unix の使い方を調べる>#qd261f24]] ではUnix系OSの使用経験のあまりない人がUnix系OSの使い方を習得するためのヒントについて説明しましたが、この節ではOpenBSDを使う場合の情報源やそれらを活用する上でのポイントについて説明します。
***導入 [#y69d2587]
rootでログインすると、OpenBSDプロジェクト開発リーダーTheo de Raadt氏からのメールが届いています。
# mail
Mail version 8.1.2 01/15/2001. Type ? for help.
"/var/mail/root": 1 message 1 new
>N 1 deraadt@do-not-re Sun Oct 18 07:58 86/4565 Welcome to OpenBSD 5.8!
& more 1
Message 1:
From deraadt@do-not-reply.openbsd.org Sun Oct 18 07:58:58 MST 2015
Date: Oct 18 07:58:58 MST 2015
From: deraadt@do-not-reply.openbsd.org (Theo de Raadt)
To: root
Subject: Welcome to OpenBSD 5.8!
This message attempts to describe the most basic initial questions that a
system administrator of an OpenBSD box might have. You are urged to save
this message for later reference.
....(以下略)....
このメールでは、OpenBSDをインストールした人が最初に持つと思われる疑問について説明しています。メール本文に書いてある情報源をたどってゆくことで、OpenBSDを使用する上での様々なノウハウを得ることができます。
以下このメールの内容と重複する部分もありますが、システム上の各種情報源について触れていきます。
***オンラインドキュメント [#p2cb140a]
[[Unixの使い方を調べる>#qd261f24]]で述べたようにマニュアルページはUnix系OSの重要な情報源ですが、OpenBSDにおいても例外ではありません。~
そのことはインストール直後のroot宛てメールにおいても、以下のように強調されています;
Again, PLEASE READ THE MANUAL PAGES. Our developers have spent countless
hours improving them so that they are clear and precise.
マニュアルページには、特に導入のためのエントリも幾つか用意されています。
:help|Unix初心者向けのエントリです。コマンドラインで''help''コマンドを実行した場合もこのエントリが表示されます。
:man|manコマンドの説明です。OpenBSDではmandocというプログラムによってマニュアルページのシステムが再実装されていますが、manコマンドの使い方は他のUnix系OSとほぼ同じです。
:afterboot|インストール直後にチェックを行ったほうがよい項目について解説しています。この文書の [[河豚板を使う【一般編】>#v7ad37bc]] より詳しく網羅的な内容ですので、ご一読をお勧めします。
:intro|マニュアルページはカテゴリごとに章に別れていますが、その各章に関する説明です。例えば、
man 1 intro
とすると、一般コマンドカテゴリについての説明が、
man 5 intro
では、ファイル形式のカテゴリ全般についての説明が表示されます。
OpenBSDでは、マニュアルページの章立ては以下のようになっています;
|1 |一般コマンド |
|2 |システムコールとエラー番号 |
|3 |ライブラリ |
|3f |Fortran言語のリファレンスガイド |
|3p |Perl言語のリファレンスガイド |
|4 |デバイスドライバ |
|5 |ファイル形式 |
|6 |ゲーム |
|7 |その他 |
|8 |システム保守・運用のためのコマンド |
|9 |カーネル内部情報 |
|X11 |X11R6と同じ |
|X11R6|X Window System |
|local|/usr/local配下にインストールされたコマンド|
|n |Tcl/Tk言語のコマンド |
各セクションのマニュアルの内容は現状のシステムに追従し続けており、常にアップデートと推敲が行われています。~
また他のUnix系OSでは4章(デバイスドライバ)などの章で、ほとんど情報が提供されていない実装系もありますが、OpenBSDではこのような情報も完備されており、例えばWiFiの設定のように使用するハードウェアに依存した設定情報が必要な場合も十分な情報を得ることができます。
///|TO BE REVISED|
#ref(emacsinfo.png,around,right)
GNUプロジェクト由来のコマンドやEmacs上で動作するアプリケーションに関しては、Info形式のドキュメントが提供されている場合があります。~
Infoドキュメントを閲覧するには、infoコマンドを実行します。
>''【メモ】''~
''⇒''Emacsエディタを追加インストールしている環境では、InfoドキュメントはEmacsエディタから、''<Meta>-x info<Enter>''、あるいは''<Escape> x info<Enter>''と入力し、閲覧することができます。
#img(,clear);
マニュアルページやInfo以外にもアプリケーション固有のドキュメントがあります。
それらは主に次に挙げるディレクトリの下にあります;
-/usr/share/doc
-/usr/X11R6/share/doc
-/usr/local/share/doc
-/usr/local/share/gtk-doc
***システム上のファイル [#p9f62bb7]
サーバやアプリケーションソフトなどの設定ファイルはすべて/etc以下に集約されています。~
パッケージ管理ツールports/packagesで追加されたソフトウェアは、/usr/local以下にインストールされますが、設定ファイルに関しては/etc以下に配置されます。X関連の設定ファイルについても同様です。
パッケージ管理ツールports/packagesで追加されたソフトウェアは、/usr/local以下にインストールされますが、設定ファイルに関しては/etc以下に配置されます。X関連の設定ファイルについても同様です。
システムの動作ログは、/var/log以下にあります。唯一、cronのみが/var/cron/logというログファイルを作成します。
[[河豚板を起動する>#i322b9ad]] で説明した起動時に表示されるカーネルメッセージは、/var/run/dmesg.boot というファイルに記録されています。システム起動完了後はこのファイルの内容を閲覧することで、システム起動時の様子を調査することができます。
***インターネット上の情報 [#z8ce8604]
:http://www.openbsd.org/|プロジェクトによって運営されている公式サイト。[[OpenBSD全般に関する詳細なガイド>http://www.openbsd.org/faq/index.html]]や[[システムの更新情報>http://www.openbsd.org/errata59.html]]など、ウェブ上のOpenBSD関連情報の起点です。
:http://undeadly.org/ 「OpenBSD Journal」|OpenBSD関連のニュースサイト。その都度OpenBSDの旬の話題が取り上げられ、OpenBSD開発の最前線の様子なども知ることができます。以前、[[河豚板の紹介記事>http://undeadly.org/cgi?action=article&sid=20131210093950]]も投稿されました。
:メーリングリスト|[[公式に管理・運営されているメーリングリスト>http://www.openbsd.org/mail.html]]があります。また、これらのアーカイブサイトもあり、メーリングリストに加入しなくてもウェブ上での閲覧が可能です。
***書籍 [#cf43eff9]
作者の知る限り、OpenBSDユーザ向けに書かれた日本語の書籍は2015年現在出版されておりません。~
BSD系のUnix向けの書籍の中には、
-BSD HACKS 〜 プロが使うテクニック&ツール100選 / Dru Lavigne著,桃井康成監修,林秀幸訳 / オライリー・ジャパン
など、部分的にOpenBSDについて言及されている書籍もあります。
英語の書籍に関しては[[公式サイトの記述>http://www.openbsd.org/books.html]]をご参照下さい。~
'''Absolute OpenBSD, 2nd Edition''' や '''The book of PF, 3rd Edition'''など、OpenBSD向けの書籍がいくつか出版されているようです。
*河豚板を使う【応用編】 [#kf683b7c]
[[河豚板を使う【一般編】>#v7ad37bc]] では河豚板の基本的な使用手順について説明しました。~
この章では河豚板の特徴を活かした、さらに進んだ利用法について紹介します。
>''【メモ】''~
''⇒''この章では以下のように、[[河豚板を使う【一般編】>#v7ad37bc]] で設定した環境を引続き使用する前提で説明を行います;
-ホスト名としてfugu-demo.localnetを想定
-インターネットにアクセスできる状態になっている
-一般ユーザyoshiが作成されている。yoshiはwheelグループにも属しているため、rootになることができる。
**アプリケーションを追加する [#af9dcfcb]
河豚板はOpenBSDで提供されているソフトウェアに、その他日常よく使うであろうと思われるアプリケーションやシステム管理などに便利やツール類を追加しています。
更に、システム起動後にもユーザがアプリケーションを追加することができます。
アプリケーションを追加するにはOpenBSDのports/packagesシステムを利用する方法が手軽です。~
packagesのソフトウェアを追加するには、pkg_addというコマンドをrootで実行します。例として、ウェブブラウザであるMozilla Firefoxをインストールする例を以下に示します(例の中にある「5.8」の部分は、実際に使用している河豚板のバージョンで置き換えて下さい)。
$ su -
Password:
# export PKG_PATH=ftp://ftp.jaist.ac.jp/pub/OpenBSD/5.8/packages/i386/
# pkg_add firefox
quirks-2.114 signed on 2015-08-09T15:30:39Z
quirks-2.114: ok
firefox-39.0.3:nspr-4.10.8: ok
firefox-39.0.3:nss-3.19.2: ok
firefox-39.0.3:icu4c-55.1p0: ok
firefox-39.0.3:mozilla-dicts-en-GB-1.3p0: ok
firefox-39.0.3:hunspell-1.3.2p2: ok
firefox-39.0.3: ok
Look in /usr/local/share/doc/pkg-readmes for extra documentation.
--- +hunspell-1.3.2p2 -------------------
Install mozilla dictionaries for extra hunspell languages.
e.g.
# pkg_add mozilla-dicts-ca
# exit
$ firefox http://fuguita.org/
pkg_addによるアプリケーションの追加はrootで作業しなければなりません。~
上の例では、suコマンドを使用して一時的にrootになっています。勿論、yoshiをログアウトしてrootでログインしなおし、そこでpkg_addを実行しても構いません。
pkg_addを実行すると目的のアプリケーションを実行するために必要な他のソフトウェアも同時に追加されます。上のfirefoxの例では、nspr, nss, icu4c, mozilla-dicts-en-GB, hunspellがそれです。
インストール完了時に、2種類のコメントが表示されています;
-ディレクトリ/usr/local/share/doc/pkg-readmes以下にインストールしたソフトウェアに関するドキュメントがあります。
-スペルチェック用の辞書は
# pkg_add mozilla-dicts-ca
といった方法で追加できます。
以上の例のような方法で、アプリケーションを追加することができます。~
ports/packagesからどのようなソフトウェアがpkg_addできるかはウェブブラウザでftp://ftp.jaist.ac.jp/pub/OpenBSD/5.9/packages/i386/をご覧下さい。またはftp://ftp.jaist.ac.jp/pub/OpenBSD/5.9/ports.tar.gz というアーカイブに含まれるINDEXというファイルにソフトウェアの説明つきの一覧があります。
>''【メモ】'' ~
''⇒''ports/packagesシステムについてはhttp://www.openbsd.org/faq/faq15.htmlに詳しい説明があります。また、上の例ではダウンロード元としてftp.jaist.ac.jpを使用しましたがダウンロードサイトは他にもあり、その一覧はhttp://www.openbsd.org/ftp.htmlで見ることができます。~
''⇒''ports/packagesを利用せずソフトウェア開発元が公開しているソースコードを直接コンパイル・インストールする所謂「野良ビルド」も可能です。
河豚板ではpkg_addで追加したソフトウェアもまた、usbfadmコマンドによるデータ保存/復帰の対象となります。
**一般ユーザが一時的にシステム管理者になれるようにする [#f2649d0e]
前節の [[アプリケーションを追加する>#af9dcfcb]] では、suコマンドを使用して一般ユーザから一時的にrootになってシステム管理作業を行う方法を紹介しましたが、他にdoasというコマンドも使用できます。~
doasは設定ファイルで動作を制御できる点、rootのパスワードを知らなくてもroot権限でのコマンド実行ができる点などでsuコマンドより使い勝手がよくなっています。
doasを使うには、まず設定ファイル/etc/doas.confを編集する必要があります。~
最初はdoas.confは存在していませんので以下のコマンドを実行し、ファイルを作成します(doas.confがすでに存在している場合は、テキストエディタでdoas.confを編集します)。
# echo permit :wheel > /etc/doas.conf
# chmod 0640 /etc/doas.conf
この操作で、「permit :wheel」という内容1行だけが書かれたファイル doas.conf が作成されます。これは「wheelグループに所属しているユーザに対してroot権限でのコマンド実行を許可するように」という意味の設定です。この設定を用いて、一般ユーザでログイン中にusbfadmユティリティを用いて例えば次の例のように、[[設定やファイルを保存する>#k57e4ba1]] ことが可能となります。
$ doas /usr/fuguita/sbin/usbfadm
Password:
Welcome to usbfadm.
USB flash drive administration tool for FuguIta
Version/Arch: 6.0/amd64 (FuguIta-6.0-amd64-201612291)
Boot mode: usbflash
Data stored in: /dev/sd0d
Data Saved as: fugu-demo
Type ? for help.
/dev/sd0d : fugu-demo ->
先に説明したようにdoas.confの設定を行うと、doas実行時にパスワードを訊かれますが、これにはrootのパスワードではなく、''doasを実行したユーザのパスワードを入力''します。~
パスワードを入力しないでdoasを実行することもできます。詳しくはdoas.conf(5)を参照して下さい。
>''【メモ】'' ~
''⇒''doasはUnix系のOSで一般的に使われているsudoと置き換えるためにOpenBSD開発陣が再実装したコマンドです。sudoはOpenBSD 5.8以降はOS本体には含まれていませんが、[[portsからインストールして>#af9dcfcb]]使うことが可能です。
**タイムゾーンを変更する [#i0182778]
モード0で起動した直後の河豚板は、時間帯(time zone: タイムゾーン)がUTC (Universal Coordinated Time: 協定世界時)になっています。~
協定世界時に比べ日本標準時(Japan Standard Time: JST)は9時間進んでいます。
$ date
Wed Dec 23 02:27:58 UTC 2015
河豚板の時間帯をJSTにするには以下のようにコマンドを投入し、シンボリックリンク/etc/localtimeの指し示すファイルを変更します。
$ cd /etc
$ ls -l localtime
lrwxr-xr-x 1 root wheel 23 Dec 23 02:27 localtime -> /usr/share/zoneinfo/UTC
$ doas ln -s -f /usr/share/zoneinfo/Japan localtime
$ doas ln -s -f /usr/share/zoneinfo/Asia/Tokyo localtime
Password:
$ ls -l localtime
lrwxr-xr-x 1 root wheel 25 Dec 23 11:28 localtime -> /usr/share/zoneinfo/Japan
lrwxr-xr-x 1 root wheel 25 Dec 23 11:28 localtime -> /usr/share/zoneinfo/Asia/Tokyo
$ date
Wed Dec 23 11:28:53 JST 2015
$
>''【メモ】''~
''⇒''設定後のJSTが実時刻とずれている場合はdate(1)を使い、root権限で修正します。
**時刻を参照するNTPサーバを変更する [#j453b186]
**サーバ設定の例 - 時刻を参照するNTPサーバを変更する [#j453b186]
NTP (Network Time Protocol)はコンピュータがネットワーク上で通信を行いながら、それぞれの時刻を同期させるためのプロトコル(通信規約)です。~
OpenBSDはNTPを用いてインターネット上の時刻基準に自身の時刻を同期させる機能をもっており、この機能は河豚板でも使用することができます。
OpenBSDはインストール時にNTPを使用するかどうかの設定を行います。一方、河豚板ではこの機能はデフォルトで有効になっています。
NTPの機能はntpd(8)というプログラムによって実装されており、ntpdの動作状況を見るにはntpctl(1)というコマンドを実行します。
>''【メモ】''~
''⇒''OpenBSDで使われているNTPのソフトウェアは「[[OpenNTPD>http://www.openntpd.org]]」と呼ばれ、OpenBSDの開発陣によって作成されたものです。~
LinuxやFreeBSDでは同じntpdでも、別の実装を用いています。
$ ntpctl -s status
4/4 peers valid, constraint offset 0s, clock synced, stratum 3
上記の例のように「clock synced」と表示されていれば、ntpdは時刻の基準となる外部のNTPサーバと通信し、その結果時刻の同期が取れていることがわかります。一方、
$ ntpctl -s status
0/1 peers valid, clock unsynced
のように「clock unsynced」となっている場合は、何らかの原因で時刻が同期できていません。
OpenBSDではインストール時にNTP機能を有効にすると、時刻基準としてpool.ntp.orgというサーバ群を参照するようになり、河豚板の設定もそれに倣っています。
企業の社内LANなどではセキュリティの関係から、pool.ntp.orgなど外部のNTPサーバとの通信ができないようになっている場合があります。そのような場合、社内LAN上にNTPサーバが運用されていれば、そのサーバを参照することで自ホストの時刻を正確に保つことができます。
以下にNTPサーバの設定方法を示します;
ntpdはntpd.conf(5)というファイルにより動作が設定されますので、root権限でntpd.confを編集します。
$ doas -s
Password:
# vi /etc/ntpd.conf
ntpd.conf内のこの3行を
↓
servers pool.ntp.org
sensor *
constraints from "https://www.google.com"
↓
以下の一行に変更
↓
server ntp.localnet
上の例では、「ntp.localnet」というNTPサーバを参照するように設定を変更しています。
設定ファイルの編集が終了したらntpdを再起動し、変更内容を反映させます。~
バックグラウンドで走行しサービスを提供するntpdのようなプログラムをUnixではデーモン(daemon)と呼びますが、OpenBSDではデーモンの操作にrcctl(8)というコマンドを使用することができます。
# rcctl restart ntpd
ntpd(ok)
ntpd(ok)
#
以上で設定変更作業は完了したので、rootから一般ユーザに戻ります。あとはntpdの挙動をntpctlで監視します。
# exit
$ ntpctl -s status
1/1 peers valid, clock unsynced
上記のようになっていれば(まだ)同期はとれていませんが、1つのピア(peer, 参照しているNTPサーバ)が有効となっていることがわかります。
$ ntpctl -s status
1/1 peers valid, clock synced, stratum 3
しばらく時間が経過すると、時刻同期が取れていることが確認できました。
ntpctlは更に詳しくntpdの状態を表示することもできます。またntpd自身が動作記録を/var/log/daemonや/var/log/messagesなどのログファイルに残しますので、それらを調べることでより詳細なntpdの動作把握ができます。~
詳しくは各コマンドや設定ファイルのマニュアルページを参照して下さい。
>''【メモ】'' ~
''⇒''ntpdは時刻のずれを非常にゆっくりと修正していきます。これはいきなり時刻を大きく変更するとシステムの運行に悪影響を及ぼす可能性があるからです。そのため、時刻のずれが大きい場合は同期が取れるまでに長い時間がかかる場合もあります。
**OSの設定値を変更する [#g61850e9]
前節では[[NTPサーバの設定変更方法について説明>#j453b186]]しました。
この節ではOpenBSDで動作しているサービスの設定について説明致します。
全ての設定方法について具体的な説明を行うことは現実的ではないので、設定をカテゴリ毎に分け、それらカテゴリのそれぞれについて説明します。
***カーネルパラメータ [#k3a552ed]
OpenBSDカーネルの機能は色々な方法で制御できますがその一つとして、sysctl(8)コマンドを使う方法があります。
$ sysctl -a | less
kern.ostype=OpenBSD
kern.osrelease=5.8
kern.osrevision=201510
kern.version=OpenBSD 5.8-stable (RDROOT.MP) #2: Wed Nov 11 13:18:48 JST 2015
root@nimbus5.localnet:/opt/fi/5.8/sys/arch/i386/compile/RDROOT.MP
kern.maxvnodes=44152
kern.maxproc=1310
〜以下略〜
上の例では全てのカーネルパラメータを表示しています。~
表示内容が一画面に収まらないため、表示データをページャプログラムlessにパイプで渡して表示しています。
表示したいパラメータがあらかじめわかっている場合は、その名前を指定して表示できます。~
以下の例ではファイルの入出力のバッファリングに割り当てるメモリの最大量を表示しています。
$ sysctl kern.bufcachepercent
kern.bufcachepercent=20
$
この表示から、最大でメモリ搭載量の20%までをバッファに割り当てる設定になっていることがわかります。
この値を変更するには以下のようにします。設定の変更はroot権限が必要なので、doasコマンドを経由してsysctlコマンドを実行しています。
$ doas sysctl kern.bufcachepercent=50
Password:
kern.bufcachepercent: 20 -> 50
$
sysctlコマンドの手動実行ではなく、システム起動時に自動的に設定を行うこともできます。
それには、設定したい内容をsysctl.conf(5)というファイルに記述します。
>''【メモ】'' ~
''⇒''カーネルの設定を変更するにはその他にも
-configコマンドによるカーネルの書き換え
-UKC (User Kernel Config)による起動時での変更
-カーネルの再コンパイル
>などの方法がありますが、それぞれ設定できる内容や作業の難易度が異なります。詳しくは各マニュアルページや[[公式サイトのFAQ>http://www.openbsd.org/faq/faq5.html]]などをご参照下さい。
***ネットワークの基本設定 [#pd55b21e]
これまでも説明したようにネットワーク関連の設定は河豚板の起動時に行われるので、これで問題なく通信が行われれば特に設定を変更する必要はありません。~
河豚板をサーバやネットワークのゲートウェイなどとして運用する場合は、設定を変更したり追加したりする必要が出て来るかもしれません。
:インターフェース設定|IPアドレス、ネットマスクなどのネットワークインターフェースに関する設定は/etc/hostname.<インターフェース名>というファイルで設定します。このファイルの書式はhostname.if(5)で参照できます。
>''【メモ】'' ~
''⇒''使用しているPCにどのようなネットワークインターフェースがあるかはコマンドの実行「ifconfig -a」で表示されます。
:経路制御|デフォルトルートは/etc/mygateに記述します。それ以外の経路制御を行うには、経路制御デーモンを走行させるか、routeコマンドの実行を/etc/hostname.ifか/etc/localあたりに記述します。
:経路制御|デフォルトルートは/etc/mygateに記述します。それ以外の経路制御を行うには、経路制御デーモンを走行させるか、routeコマンドの実行を/etc/hostname.ifか/etc/rc.localなどに記述します。
:名前解決|/etc/resolv.conf(5)により設定を行います。
:パケットフィルタリング|PFはOpenBSDで開発されたパケット・フィルタですが、ネットワークの帯域制御やアドレス変換など、フィルタリング以外にも非常に豊富な機能を持っています。PFに関してはpfctl(8)やpf.conf(5)を参照して下さい。
***デーモンの起動・停止と設定 [#j2c6731d]
OpenBSDではデフォルトでは動作しないものも含めて、様々なデーモンがインストールされています。
[[時刻を参照するNTPサーバを変更する>#j453b186]] ではNTPデーモンを例として、デーモンの起動・停止・設定変更について説明しました。その他のデーモンについても概ね同様な手順を取ります。
OpenBSDでは、このようなデーモンの起動はrc.conf.local(8)が制御を行っており、このファイルにデーモンの起動・停止の指定や起動時にデーモンに与えるオプションなどの指定を行います。
>''【メモ】'' ~
''⇒''実際にはrc.conf(8)で全てのデーモンについての指定がされており、rc.conf.localはrc.confの設定を上書きするように動作します。
各種デーモンの挙動を制御するには rc.conf.local の内容を変更するので、テキスト・エディタで編集を行うわけですが、その他にrcctl(8)というコマンドを使用してデーモンの起動・停止の制御や設定変更を行うことができます。
ntpdがntpd.confによって設定されるように、他のデーモンもそれぞれ固有の設定ファイルを持ちますが、その多くは /etc 直下に置かれます。
また、/etc/examples に各種デーモンの設定用サンプルファイルが置かれていますので、このファイルを参照、あるいはコピー・編集して実際の設定ファイルとすることができます。
***その他の設定 [#k8fb92e4]
/etc/rc.localはシステム起動の最終段階で実行されるシェルスクリプトです。今まで説明した以外の処理を行いたい場合は、この/etc/rc.localに処理を記述します。
OpenBSDの起動時や終了時の処理についてはrc(8)を参照して下さい。
**起動時間を短縮する。使用メモリを少なくする [#h4bd3eba]
**起動時間を短縮する。使用メモリを少なくする - 起動モード1 [#h4bd3eba]
河豚板の起動時にモード1を指定すると、それ以降の起動時間が短縮されます。~
これ以降に入力する各種設定項目については、モード0と同じです。
Select boot mode;
0: fresh boot (normal)
1: fresh boot (lower memory, faster boot than mode 0)
2: fresh boot (works only on tmpfs)
3: retrieve user data from USB flash memory
4: retrieve user data from floppy disk
5: interactive shell for debugging
->1
起動後のメモリ使用量(tmpfsのサイズ)もモード0に比べ少なくなります。~
目安としては実装メモリ64MB程度のマシンからが動作可能となります;
ファイル使用量(モード0)
$ df -h
Filesystem Size Used Avail Capacity Mounted on
/dev/rd0a 1.6M 729K 833K 47% /
/dev/cd0a 697M 697M 0B 100% /sysmedia
/dev/vnd5a 676M 664M 11.9M 98% /fuguita
tmpfs 698M 25.5M 673M 4% /ram
ファイル使用量(モード1)
$ df -h
Filesystem Size Used Avail Capacity Mounted on
/dev/rd0a 1.6M 730K 832K 47% /
/dev/cd0a 697M 697M 0B 100% /sysmedia
/dev/vnd5a 676M 664M 11.9M 98% /fuguita
tmpfs 713M 6.8M 706M 1% /ram
ただし、起動モード1は標準の起動モードであるモード0に比べ必要なリソースが少ないというメリットがありますが、/usr以下のファイルやディレクトリを変更することができなくなるというデメリットがあります。つまり、pkg_addなどによるアプリケーションの追加などもできません。
起動モード1は河豚板に収録されているソフトウェアのみで運用が可能な場合に使用できます。
モード1で起動しusbfadmでファイル保存後、モード3で再起動した場合も上記の状況は引き継がれます。
**河豚板を記録メディアを使用しないで動作させる [#zaeb073d]
**河豚板を記録メディアを使用しないで動作させる - 起動モード2 [#zaeb073d]
起動モード2はファイルを全てtmpfs上に転送し、全てがオンメモリで動作するモードです。
Select boot mode;
0: fresh boot (normal)
1: fresh boot (lower memory, faster boot than mode 0)
2: fresh boot (works only on tmpfs)
3: retrieve user data from USB flash memory
4: retrieve user data from floppy disk
5: interactive shell for debugging
->2
モード2ではシステムの起動が完了すると、CDやUSBメモリはアンマウントされますので、それらのデバイスを取り外して運用することができます。プログラムの実行やファイルの読み書きも全てメモリ上で行われますので、モード0やモード1に比べて高速に動作することが期待できます。
モード2ではシステムの起動が完了すると、DVDやUSBメモリはアンマウントされますので、それらのデバイスを取り外して運用することができます。プログラムの実行やファイルの読み書きも全てメモリ上で行われますので、モード0やモード1に比べて高速に動作することが期待できます。
$ df -h
Filesystem Size Used Avail Capacity Mounted on
/dev/rd0a 1.6M 730K 832K 47% /
tmpfs 813M 736M 76.7M 91% /ram
ただし、冒頭で説明したように、このモード2ではCDやUSBメモリ上にあるシステムファイルが全てtmpfsにコピーされますので、PCの実装メモリ量は、目安として概ね800MB以上は必要です。
ただし、冒頭で説明したように、このモード2ではDVDやUSBメモリ上にあるシステムファイルが全てtmpfsにコピーされますので、PCの実装メモリ量は、目安として概ね800MB以上は必要です。
モード2においてもusbfadmでファイル保存後、モード3で再起動した場合にはファイル保存時の状態が復帰します。
**USBメモリの容量に合わせて河豚板をインストールする [#ld36d7ec]
**USBメモリの容量に合わせて河豚板をインストールする - usbfadmコマンド [#ld36d7ec]
[[河豚板のLiveUSBを作る>#sa216e5d]] で説明したように、ダウンロードサイトからイメージファイルをダウンロードし、展開、書込みを行うことでLiveUSB版河豚板を作成することができます。
しかし、このLiveUSB版河豚板はUSBメモリのサイズに関係なく1GBしか領域を使用できません。~
この内、河豚板のシステムが700MBを占有していますので、usbfadmでデータを保存できるのは300メガバイト程度です。
しかし、このLiveUSB版河豚板はUSBメモリのサイズに関係なく2GBしか領域を使用できません。~
この内、河豚板のシステムが約1GBを占有していますので、usbfadmでデータを保存できるのは1ギガバイト程度です。
この節ではすでに稼動中の河豚板上で、新たに別のUSBメモリに河豚板をインストールする方法を説明します。~
この方法を用いるとデータの保存領域を任意のサイズで割り当てることができます(以下の例では、8GB(実際には7788MB)のサイズのUSBメモリにインストールする場合を想定しています)。
まず、河豚板をモード0、またはモード1で起動します。起動する河豚板はLiveCD版、LiveUSB版のどちらでも使用できます。
まず、河豚板をモード0、またはモード1で起動します。起動する河豚板はLiveDVD版、LiveUSB版のどちらでも使用できます。
起動が完了したら、root権限でusbfadmコマンドを実行します。
$ doas usbfadm
doas (yoshi@fugu-demo.localnet) password:
Welcome to usbfadm.
USB flash drive administration tool for FuguIta
Version/Arch: 6.4/amd64 (FuguIta-6.4-amd64-201902021)
Boot mode: usbflash
Data stored in: /dev/sd1d
Data Saved as: fugu-demo
Type ? for help.
? : ? ->newdrive ← LiveUSB作成を指示
Please make sure the device inserted.
Then press ENTER -> ← USBメモリの装着を確認したら<Enter>
認識したディスクデバイスの一覧が時系列で表示される
↓
==== disk(s) and vnode devices ============================
sd0 at scsibus1 targ 0 lun 0: <ATA, Hitachi HTS72757, JF4O>
sd0: 715404MB, 512 bytes/sector, 1465149168 sectors
sd1 at scsibus2 targ 1 lun 0: <UFD 3.0, Silicon-Power32G, 1.00>
sd1: 29624MB, 512 bytes/sector, 60669952 sectors
sd2 at scsibus5 targ 1 lun 0: <BUFFALO, USB Flash Disk, 4000>
sd2: 7788MB, 512 bytes/sector, 15950592 sectors
vnd0: not in use
vnd1: not in use
vnd2: not in use
vnd3: not in use
vnd4: not in use
vnd5: covering /sysmedia/fuguita-6.4-amd64.ffsimg on sd1a, inode 9
============================================================
Enter the name of device which FuguIta will be installed->sd2 ← LiveUSBを作成する
デバイスを指定
Disk: sd2 geometry: 992/255/63 [15950592 Sectors]
Offset: 0 Signature: 0xAA55
Starting Ending LBA Info:
#: id C H S - C H S [ start: size ]
-------------------------------------------------------------------------------
*0: 0C 0 130 3 - 2 140 10 [ 8192: 32768 ] FAT32L
1: 00 0 0 0 - 0 0 0 [ 0: 0 ] unused
2: 00 0 0 0 - 0 0 0 [ 0: 0 ] unused
3: A6 2 140 11 - 130 138 8 [ 40960: 2056192 ] OpenBSD
This disk seems to have been partitioned already.
Continue anyway? [y/N] -> y
Select boot method:
1: [Legacy BIOS]
2: UEFI
3: none (only for save data)
4: Hybrid
-> ← 起動方法を指定
このようにEnterのみ入力すると[]で囲まれたデフォルトの
項目(この場合はLegacy BIOS)を指定したことになる。
Enter size for saving User Data.
You can add suffix K, M, G or T (otherwise considered 'bytes').
'*' implies 'all'
'0' doesn't make this partition.
6GB (14516928sectors) free
->2g ← データ保存用領域のサイズ
「2g」で2ギガバイトを割当て
->3g ← データ保存用領域のサイズ
「3g」で3ギガバイトを割当て
「*」と入力すると、残り全てという意味になる
Create an extra FAT partition? [y/n] -> y ← 残りの領域をFATにするかどうか
target disk: sd2
partition type=MBR
boot type=Legacy
-------------------- : ------
partition : size
-------------------- : ------
whole disk : 7GB
partition tables : 32KB
UEFI system : 0B
FuguIta system : 700MB
FuguIta user data : 2GB
MSDOS FAT : 4GB
FuguIta system : 946MB
FuguIta user data : 3GB
MSDOS FAT : 3GB
-------------------- : ------
***THIS IS THE LAST CHANCE***
If you type 'Y' now, all the data on sd2 will be lost.
Are you sure to initialize sd2? [y/N] -> y ← 指定したUSBメモリに書き込むか
どうかの最終確認
========================================
= Clearing MBR, GPT and BSD disklabel
=
21+0 records in
21+0 records out
22020096 bytes transferred in 5.693 secs (3867757 bytes/sec)
========================================
= Setting up fdisk partitions
=
〜〜省略〜〜
** /dev/rsd2d
** File system is already clean
** Last Mounted on /mnt
** Phase 1 - Check Blocks and Sizes
** Phase 2 - Check Pathnames
** Phase 3 - Check Connectivity
** Phase 4 - Check Reference Counts
** Phase 5 - Check Cyl groups
3 files, 3 used, 3663622 free (14 frags, 457951 blocks, 0.0% fragmentation)
? : ? ->quit
Bye bye...
$
以上で、指定したデバイスに河豚板のシステムが書き込まれ、使用可能となります。
>&color(red){''【ご注意】''&br;''!!''書き込み先のデバイス名は十分にご確認下さい。誤ったデバイスに書き込むと、そこに保存されているデータが失われます。};
#ref(fuguita-usb.png,around,right);
今まで説明した内容を図にすると、右のようになります。
「Select boot method:」に対し「Legacy BIOS」あるいは「UEFI」を選択した場合は a パーティションが作成され、そこに河豚板のシステムが書き込まれます。このパーティションは700MBの固定サイズです。「none」を入力した場合は a パーティションは作成されません(この場合はデータ保存専用のUSBメモリとなります)。
「Select boot method:」に対し「Legacy BIOS」あるいは「UEFI」を選択した場合は a パーティションが作成され、そこに河豚板のシステムが書き込まれます。このパーティションは946MBの固定サイズです。「none」を入力した場合は a パーティションは作成されません(この場合はデータ保存専用のUSBメモリとなります)。
「Enter size for saving User Data」で入力したサイズの d パーティションが作成され、usbfadm のデータ保存先となります。
''a''パーティションと''d''パーティションの領域を確保したあとでまだ未使用領域があれば、「Create an extra FAT partition? [y/n] ->」と訊かれます。これに対し''y''と答えると''i''または''j''パーティションが確保されます。このパーティションはFATファイルシステムとしてフォーマットされ、Windowsなど他のOSからもアクセスできます。OpenBSDもFATをマウントできますから、河豚板と他OSとのデータのやりとりに使用することもできます。
#img(,clear)
>''【メモ】''~
''⇒''この節で説明した河豚板のインストール方法は、USBメモリだけではなくOpenBSDが認識できる記録デバイス全般に対して使用可能です。例えばSDカード、コンパクトフラッシュ、メモリスティックあるいはATAやSATAのハードディスクなどにも書き込むことが可能です。
>''【メモ】''~
''⇒''現在のPCは、起動方法として「BIOS」と「UEFI」の2種類があります。いままで説明してきたUSBメモリの作成方法は、BIOSでの起動に対応したものです。
UEFI起動に対応したUSBメモリを作成するには、以下のように起動方法として「UEFI」を、パーティションの形式として「GPT」を指定します。
Select boot method:
1: [Legacy BIOS]
2: UEFI
3: none (only for save data)
4: Hybrid
->2
Select partition type:
1: [GPT]
2: MBR
->1
また、起動方法「Hybrid」を指定すると、BIOS、UEFIのどちらでも起動できるUSBメモリを作成することができます。~
だたし、「Hybrid」は規格に準拠していない作成方法です。加えて、作成後にfdiskコマンドでパーティションを変更すると不具合が発生しますのでご注意下さい。
**起動時の設定入力を省略できるようにする [#b493ab9a]
**起動時の設定入力を省略できるようにする - noasksファイル [#b493ab9a]
河豚板ではどのモードで起動するかに関わらず、起動中に手動で入力しなければならない箇所があります。
-どのデバイスを使用して運用を行うか? (Which is FuguIta's operating device?)
-実装メモリのどれくらいをtmpfsに割り当てるか? (Enter tmpfs size in MB.)
-どの起動モードを使用するか? (Boot modes)
-どの保存デバイスからファイルを復帰させるか?(モード3のみ) (Which is FuguIta's storage device?)
-どの保存名からファイルを復帰させるか?(モード3のみ) (config name ->)
上記の4項目については入力を自動化する機能があります。~
上記の5項目については入力を自動化する機能があります。~
それには、LiveUSB版河豚板の''d''パーティションにあるnoasksというファイルに設定値を書き込みます。
$ doas -s
Password:
# mount /dev/sd0d /mnt
# cd /mnt
# ls -l
total 2
drwxr-xr-x 9 root wheel 512 Dec 23 06:24 livecd-config
-rw-r--r-- 1 root wheel 302 Oct 27 07:50 noasks
#
>''【メモ】''~
''⇒''ディレクトリlivecd-configは、usbfadmによるデータ保存用のディレクトリです。
noasksには、設定値の雛形がコメントの形で書かれていますので、テキストエディタで設定行のコメントを外し、設定したい値を書き込みます。
# vi noasks
#
# noasks - parameter settings for non-interactive boot
#
# Make statements uncommented
# to activate settings
#
#
# FuguIta system device
noask_rdev='sd0a'
#
# tmpfs size in MB
noask_umem='0'
#
# boot mode
noask_setup_rw_mode='3'
#
# storage device
noask_confdev='sd0d'
#
# data set name in USB flash drive
noask_confdir='fugu-demo'
編集が終了したら''d''パーティションをアンマウントしてシステムを再起動します。
# cd
# umount /mnt
# /sbin/shutdown -r now
#aname(noasks-intr)
noasksファイルによる値の設定がされている場合、次のようなメッセージが表示されます;
============================================
= ______ __ _
= / ____/ | |_| |__
= / /____ ______ __ _| /_ _/_____
= / ___/ / / / __ \/ / / | | | | / _ |
= / / / /_/ / /_/ / /_/ /| | | |_| (_) |__
=/_/ \____/\__ /\____/ |__| \___/____/__/
= __/ /
= /___/
=
= Welcome to FuguIta! - OpenBSD Live System
= http://fuguita.org/?FuguIta
=============================================
scanning partitions: wd0i wd0j sd0a sd0d
FuguIta's operating device(s): sd0a.
Press ^C to cancel non-interactive boot
この「Press ^C to cancel non-interactive boot」が表示されてから5秒待つと自動起動が実施されます。~
5秒以内に''<Control>-C''を入力するとnoasksファイルによる自動起動は中止され、通常の動作に戻ります。
>''【メモ】''~
''⇒''noasksファイルの中に未設定の項目がある場合は、自動起動中にその項目設定の箇所でユーザからの入力を待ちます。
>''【メモ】''~
''⇒''設定項目のうち、noask_rdevとnoask_confdevについてはsd0aといったような通常のデバイス名の他、DUID (Disklabel Unique IDentifiers) による指定も可能です。DUIDはディスクデバイスに自動的に付けられるランダムで固有な16進文字列です。~
DUIDは、disklabelコマンドの出力から確認できます。
# disklabel sd0
# /dev/rsd0c:
type: ESDI
disk: ESDI/IDE disk
label: QEMU HARDDISK
duid: eac6323f6d34c465 ←DUID
flags:
〜略〜
例えば、河豚板の起動デバイスをnoasksファイル中で指定する場合、
noask_confdev='sd0d'
と書く替わりに、
noask_confdev='eac6323f6d34c465.d'
というように「DUID.パーティション」というように指定することもできます。~
通常のデバイス名による指定は、ディスクデバイスの接続状況が変わるとsd0がsd1などに変わり、起動に失敗するおそれがありますが、DUIDによる指定ではデバイスの接続状況に関係なく常に同じディスクを指定することができます。
**終了時にデータが自動で保存されるようにする [#m8ee7943]
前節の [[起動時の設定入力を省略できるようにする>#b493ab9a]] では河豚板起動時の自動化について説明しましたが、終了時にデータを保存する処理を自動化することもできます。
OpenBSDではシステム終了時に /etc/rc.shutdown というスクリプトを実行するようになっているので、このファイルの最終行に以下のような処理を追加します。
export PATH=$PATH:/usr/local/bin
/usr/fuguita/sbin/usbfadm -r
>&color(red){''【ご注意】''&br;''!!''この処理は保存処理時のエラーリカバリを行っていないので、保存に失敗してもシステムはシャットダウンを続行します。運用中に重要な処理を行った場合は、別途手動でデータを保存することをお勧めします。};
**データの保存領域を暗号化する [#f90fbf26]
基本編の[[設定やファイルを保存する>#k57e4ba1]]で説明したとおり、河豚板のUSBメモリにはデータの保存用パーティションがあります。
保存領域を暗号化する機能を使うと、USBメモリに保存した情報を盗難や紛失などのアクシデントから保護することができます。
[[usbfadmコマンドでLiveUSBを作成する>#ld36d7ec]]時には、usbfadmコマンドのnewdrive機能を使用しますが、
以下のように指定を行うと、暗号化パーティションを作成することができます。
# usbfadm
Welcome to usbfadm.
USB flash drive administration tool for FuguIta
Version/Arch: 6.7/amd64 (FuguIta-6.7-amd64-202006142)
Boot mode: manual
Data stored in: not set
Data Saved as: not set
Type ? for help.
? : ? ->newdrive
〜〜 略 〜〜
Enter sizes for swap, user data and extra FAT.
You can add suffix K, M, G or T (otherwise considered 'bytes').
'*' implies 'all'
'0' doesn't make this partition.
589MB (604128KB) (1208256sectors) free
swap->64m
525MB (538592KB) (1077184sectors) free
userrdata->*
user data encryption? [y/N] -> y ← 「y」を入力しデータ保存領域の暗号化を指定
Enter passphrase twice. They'll be not echoed.
//// CAUTION ////////////////////////////
//// If you lost this passphrase, ← パスフレーズを失念すると、保存したデータを
//// you'll never access sd0d. ← 取り出す方法はありません。ご注意下さい。
/////////////////////////////////////////
Passphrase: ← 暗号化のパスフレーズを入力します(入力内容は表示されません)。
Passphrase: ← 確認のため、再度パスフレーズを入力します
〜〜 続く 〜〜
暗号化されたパーティションにデータを保存するには以下のように、2段階の手順を踏みます。
+usbfadmのtarget機能で暗号化されているパーティションを指定し、パスフレーズを入力します。~
~
+パスフレーズの入力が正しいと新たにディスクが現れるので、再度target機能を呼出し、このディスクを指定します。
-usbfadmのsync機能でデータの保存を実行します。
? : ? ->target
Searching storage device
Please make sure the device inserted.
Then press ENTER ->
sd0a ?sd0d ← 「?」の付いているものが暗号化された
パーティションです(このままでは読めません)。
target device->sd0d ← このパーティションを指定して、
Passphrase: ← パスフレーズを入力します。
sd1 at scsibus3 targ 1 lun 0: <OPENBSD, SR CRYPTO, 006>
sd1: 525MB, 512 bytes/sector, 1076656 sectors
softraid0: CRYPTO volume attached as sd1
sd0a ?sd0d +sd1d ← パスフレーズが正しいと新しいディスク
sd1dが現れます。
target device->sd1d ← sd1dを保存先に指定し、
以下、通常の手順で保存を実行します。
sd1d : ? ->saveas
Name of avedd ata->fugu-demo
Your data will be saved as ``fugu-demo''.
sd1d : fugu-demo ->sync
Sync current tmpfs as ``fugu-demo'' , OK? [y/N] -> y
copying /ram to /mnt/livecd-config/6.7/amd64/fugu-demo (30688KB approx.):
25.0MiB 0:00:38 [9673KiB/s][[===========================> ] 83% ETA 0:00:07
waiting for pax to finish ... syncing ... done.
sd1d : fugu-demo ->bye
保存されたデータを以降の起動時に読み込む時も保存の場合と同様、2段階の手順を踏みます。
+起動モード3を指定し、暗号化されているパーティションを指定し、パスフレーズを入力します。~
~
+パスフレーズの入力が正しいと新たにディスクが現れるので、再度モード3を呼出し、そのディスクを指定します。
============================================
= ______ __ _
= / ____/ | |_| |__
= / /____ ______ __ _| /_ _/_____
= / ___/ / / / __ \/ / / | | | | / _ |
= / / / /_/ / /_/ / /_/ /| | | |_| (_) |__
=/_/ \____/\__ /\____/ |__| \___/____/__/
= __/ /
= /___/
=
= Welcome to FuguIta - OpenBSD Live System
= http://fuguita.org/
=============================================
scanning partitions: sd0a sd0b sd0d cd0a
FuguIta's operating device(s): sd0a cd0a.
Which is FuguIta's operating device? -> sd0a
activating swap partition: /dev/sd0b
user memory: 239 MB
Enter tmpfs size in MB. (0MB is auto)
[default: 0MB] ->
tmpfs size will be automatically allocated
Boot modes:
0: fresh boot - standard mode as a live system
1: fresh boot - less memory, faster boot (/usr is non-writable, can't pkg_add)
2: fresh boot - works using only RAM (about 1GB or more of RAM required)
3: boot with retrieving saved files from storage device
or enter passphrase for an encrypted volume
4: boot with retrieving saved files from floppy disk
5: interactive shell for debugging
->3 ← 起動モード3を選択
scanning partitions: sd0a sd0b sd0d cd0a
Device(s) found:
encrypted: sd0d ← This is the encrypted volume.
Which is FuguIta's storage device? -> sd0d
Passphrase: ← パスフレーズを入力
↓ パスフレーズが正しいと、新たにディスクが現れます。
sd1 at scsibus3 targ 1 lun 0: <OPENBSD, SR CRYPTO, 006>
sd1: 525MB, 512 bytes/sector, 1076656 sectors
softraid0: CRYPTO volume attached as sd1
Passphrase successful: Select boot mode again...
Boot modes:
0: fresh boot - standard mode as a live system
1: fresh boot - less memory, faster boot (/usr is non-writable, can't pkg_add)
2: fresh boot - works using only RAM (about 1GB or more of RAM required)
3: boot with retrieving saved files from storage device
or enter passphrase for an encrypted volume
4: boot with retrieving saved files from floppy disk
5: interactive shell for debugging
->3 ← 再度起動モード3を指定します。
scanning partitions: sd0a sd0b sd0d cd0a sd1d
Device(s) found:
loadable from: sd1d ← 新たに現れたディスクから読み込めます。
encrypted: sd0d
Which is FuguIta's storage device? [default: sd1d] -> sd1d ← 指定して読み込み
/dev/sd1d : available data;
fugu-demo
config name -> fugu-demo
Copying files from flash to ram ...
done
〜〜 続く 〜〜
このディスクは起動完了後も見えているので、データを保存する時に改めてパスフレーズを入力する必要はありません。
**複数の河豚板を併用する [#o7bfa547]
いままではほとんどの場面で、LiveCD版かLiveUSB版の河豚板のどちらか一方を使う想定で説明を行ってきましたが、もしPCにLiveCDとLiveUSBの両方を装着して起動したらどうなるでしょうか? あるいは、LiveUSBを2つ作って、それを二つとも装着して起動したら?
いままではほとんどの場面で、LiveDVD版かLiveUSB版の河豚板のどちらか一方を使う想定で説明を行ってきましたが、もしPCにLiveDVDとLiveUSBの両方を装着して起動したらどうなるでしょうか? あるいは、LiveUSBを2つ作って、それを二つとも装着して起動したら?
河豚板はそのような場合にもうまく動作するように設計されています。
LiveCDとLiveUSBの両方を装着して起動した場合について説明します。
LiveDVDとLiveUSBの両方を装着して起動した場合について説明します。
まず、電源を入れた直後にCDとUSBのどちらが起動するかですが、これは [[河豚板を起動する>#i322b9ad]] で説明したようにPCのBIOSメニューの設定によります。
まず、電源を入れた直後にDVDとUSBのどちらが起動するかですが、これは [[河豚板を起動する>#i322b9ad]] で説明したようにPCのBIOSメニューの設定によります。
次に、運用デバイス(ディレクトリ /fuguita にマウントされ、OSとして使用されるデバイス)ですが、河豚板のシステムが書き込まれたデバイスが2つ以上検出された場合は、
scanning partitions: wd0i wd0j cd0a sd0a sd0d
FuguIta's operating device(s): cd0a sd0a.
Which is FuguIta's operating device? ->
のように使用可能なデバイスを列挙し、どれを使用するかユーザに尋ねるようになっています。
>''【メモ】''~
''⇒''上の例ではwd0iとwd0jは内蔵ハードディスクという想定です。内蔵ハーディスクにはWindowsがインストールされていて、CドライブとDドライブの2つのパーティションが存在しているような場合、このような表示になります。
保存されたデータを読み込む場合も同様に候補が複数ある場合はどれを使うかユーザに尋ねます。例えばLiveUSBが2本挿された状態で起動モード3を選択した場合、以下のようにsd0d、sd1dの2つの候補が表示されます;
Select boot mode;
0: clean boot
1: clean boot (lower memory, faster boot)
2: clean boot (everything on mfs)
3: retrieve user data from USB flash memory
4: retrieve user data from floppy disk
5: interactive shell for debugging
-->3
Boot modes:
0: fresh boot - standard mode as a live system
1: fresh boot - less memory, faster boot (/usr is non-writable, can't pkg_add)
2: fresh boot - works using only RAM (about 1GB or more of RAM required)
3: boot with retrieving saved files from storage device
or enter passphrase for an encrypted volume
4: boot with retrieving saved files from floppy disk
5: interactive shell for debugging
->3
scanning partitions: wd0i wd0j sd0a sd0d sd1a sd1d
FuguIta's storage device(s): sd0d sd1d.
Which is FuguIta's storage device? ->
Device(s) found:
loadable from: sd0d sd1d
Which is FuguIta's storage device? ->
usbfadmコマンドでデータを保存する場合も、[[設定やファイルを保存する>#k57e4ba1]] で説明したように、usbfadmのtargetコマンドを使用して保存先のデバイスを指定できます。
以上のことを応用すると、以下に挙げるような運用が可能となります。
:SDカード版の河豚板で運用|[[USBメモリの容量に合わせて河豚板をインストールする>#ld36d7ec]]で説明したように、usbfadmコマンドでは、USBメモリ以外の記憶デバイスにも河豚板をインストールできます。~
SDカードからの起動をサポートしているPCはほとんど存在しませんが、LiveCD版とSDカード版の河豚板の2つを装着してPCを起動すると、システムの起動をLiveCDで行い、運用デバイスをSDカードとすることで、SDカード版河豚板による運用が可能となります。
SDカードからの起動をサポートしているPCはほとんど存在しませんが、LiveDVD版とSDカード版の河豚板の2つを装着してPCを起動すると、システムの起動をLiveDVDで行い、運用デバイスをSDカードとすることで、SDカード版河豚板による運用が可能となります。
:LiveCD版河豚板をモード3で起動|LiveCD版河豚板単体では、データの保存・復帰はできませんが、LiveUSBなどと併用することでCDで運用しながら、データを保存して終了し、次回起動時に復帰するといった使い方ができます。
:LiveDVD版河豚板をモード3で起動|LiveDVD版河豚板単体では、データの保存・復帰はできませんが、LiveUSBなどと併用することでDVDで運用しながら、データを保存して終了し、次回起動時に復帰するといった使い方ができます。
>''【メモ】''~
''⇒''USBメモリはデータの保存時/復帰時にのみマウントされるので、それ以外の時ははずしておけます。
この、河豚板の「起動と運用は別々のデバイスで行える」という特徴をさらに活かし、[[OpenBSDと河豚板を共存させる>#d99117a6]] ことや [[WindowsやLinuxと河豚板を共存させる>#b882fb9c]] ことも可能になっています。これらについては次節以降で紹介します。
>''【メモ】''~
''⇒''なお、[[起動時の設定入力を省略できるようにする>#b493ab9a]] で説明した設定入力の自動化は、全パーティション中に noasks ファイルが1つしかない場合に実行されます。2つ以上の noasks ファイルが検出された場合は安全のため自動実行は中止され、手動入力に移行します。
**OpenBSDと河豚板を共存させる [#d99117a6]
河豚板を実行しようとしているPCにすでにOpenBSDがインストールされている場合、そのインストール済みのOpenBSD内に河豚板のファイルを置くことでLiveCDやLiveUSBを装着していなくても河豚板を起動することができます。
河豚板を実行しようとしているPCにすでにOpenBSDがインストールされている場合、そのインストール済みのOpenBSD内に河豚板のファイルを置くことでLiveDVDやLiveUSBを装着していなくても河豚板を起動することができます。
原理としては、既存のOpenBSDパーティションに河豚板のカーネルとISOイメージを置き、既存のブートローダを利用して河豚板のカーネルを起動する、という方法になります。
以下、設置と起動の方法を説明します。~
まず既存のOpenBSDを起動し、rootでログインします。
次に、ルートディレクトリ直下に「ISO」というディレクトリを作成します。~
この /ISO ディレクトリに河豚板のサイトからISOイメージをダウンロードし、展開します。
# mkdir /ISO
# cd /ISO
# ftp http://mirror.ginzado.ne.jp/pub/FuguIta/FuguIta-6.0-amd64-201612251.iso.gz
Trying 110.92.1.251...
Requesting http://mirror.ginzado.ne.jp/pub/FuguIta/FuguIta-6.0-amd64-201612251.iso.gz
100% |**************************************************| 322 MB 07:48
338634465 bytes received in 468.48 seconds (705.90 KB/s)
# ls -l
total 661632
-rw-r--r-- 1 root wheel 338634465 Dec 29 00:55 FuguIta-6.0-amd64-201612251.iso.gz
# gunzip FuguIta-6.0-amd64-201612251.iso.gz
# ls -l
total 1427648
-rw-r--r-- 1 root wheel 730744832 Dec 29 00:55 FuguIta-6.0-amd64-201612251.iso
ISOイメージの中に含まれている河豚板のカーネルをルートディレクトリ直下にコピーします。
vnconfig(8)はISOやUSBメモリのイメージファイルを記憶デバイスとしてアクセスできるようにするコマンドです。
# vnconfig vnd0 FuguIta-6.0-amd64-201612251.iso
# vnconfig -l
vnd0: covering FuguIta-6.0-amd64-201612251.iso on wd0a, inode 25986
vnd1: not in use
vnd2: not in use
vnd3: not in use
# mount -r /dev/vnd0a /mnt
# ls -l /mnt
total 1427119
-r-xr-xr-x 1 root bin 71452 Apr 4 2015 boot
-rwxr--r-- 1 root wheel 2048 Dec 27 11:59 boot.catalog
-rw-r--r-- 1 root wheel 5569179 Dec 27 19:19 bsd-fi
-rw-r--r-- 1 root wheel 5577796 Dec 27 19:19 bsd-fi.mp
-r-xr-xr-x 1 root wheel 72328 Dec 27 19:19 cdboot
-r-xr-xr-x 1 root wheel 2048 Dec 27 19:19 cdbr
drwxr-xr-x 2 root wheel 2048 Apr 18 2014 etc
-rw-r--r-- 1 root wheel 719388672 Dec 27 19:19 fuguita-5.8.ffsimg
# cp -p /mnt/bsd-fi /mnt/bsd-fi.mp /
# umount /mnt
# vnconfig -u vnd0
# vnconfig -l
vnd0: not in use
vnd1: not in use
vnd2: not in use
vnd3: not in use
#
以上で設置作業は完了です。
>''【メモ】''~
''⇒''データの保存と復帰を行いたい場合は livecd-config というディレクトリを作成します。ただし、ISO ディレクトリと同じ場所には作れません。なぜなら、ISO ディレクトリが作成されたパーティションは、河豚板稼動中は書込み不可でマウントされるからです。従って、livecd-config の作成に適切なパーティションは、例えば /home や /var など、別パーティションのマウントポイント直下ということになります。
次に起動方法ですが、PCが起動し、カーネルメッセージが表示される直前に「boot>」というプロンプトが数秒間表示されます。~
ここで何もしないと既設のOpenBSDシステムが起動しますが、起動したいカーネルを入力すると、そのカーネルが立ち上がります。
boot> bsd-fi.mp
この「bsd-fi.mp」がマルチプロセッサ用の河豚板カーネルです。
シングルプロセッサ用の河豚板カーネルを起動したい場合は「bsd-fi」と入力します。
>''【メモ】''~
''⇒''以上の説明では ISO ディレクトリと livecd-config ディレクトリはルートディレクトリ直下に作成しましたが、OpenBSDのファイルシステムが作成されているパーティションの直下であれば、ルートディレクトリ直下でなくとも動作します。
**WindowsやLinuxと河豚板を共存させる [#b882fb9c]
河豚板ではWindowsのNTFSやFAT、LinuxのEXT-2, EXT-4ファイルシステムでフォーマットされたパーティションも運用デバイスとして用いることができます。~
この方法は [[OpenBSDと河豚板を共存させる>#d99117a6]] で説明した手順とほぼ同様な方法です。つまり、
-運用デバイスとして用いるOSを起動させ、
-そのOS上のファイルシステム直下(WindowsならCドライブやDドライブ、Linuxならルートディレクトリやその他のマウントポイント)にISOというフォルダを作成し、
-そのフォルダ内に河豚板のISOイメージを置きます。
だたし、WindowsやLinuxのファイルシステムから河豚板を使用する場合は、以下のような制限があります。
-現段階ではWindowsやLinuxのファイルシステムに置かれたOpenBSDのカーネルを起動することはできません。従って、カーネル起動用にのみLiveCD版やLiveUSB版の河豚板を使用することになります。
-現段階ではWindowsやLinuxのファイルシステムに置かれたOpenBSDのカーネルを起動することはできません。従って、カーネル起動用にのみLiveDVD版やLiveUSB版の河豚板を使用することになります。
-WindowsやLinuxのファイルシステムは、データの保存・復帰も対応していませんので、データの保存と復帰にはLiveUSB版の河豚板を使用します。
**スワップパーティションを有効にする [#y45d0ddf]
通常、河豚板はスワップを使用せずメインメモリだけで動作しますが、[[ノーマルなOpenBSDと河豚板が共存している>#d99117a6]] ような環境では、OpenBSDのスワップパーティションを検出し、さらにそれを有効化します。
Which is FuguIta's operating device? -> wd0a
activating swap partition: /dev/wd0b
activating swap partition: /dev/wd1b
この例では、/dev/wd0b と /dev/wd1b の2つのスワップパーティションが見つかり、両方とも有効になっています。~
スワップパーティションは検出と同時に有効化されます。これを無効/有効にする設定はありません。
>''【メモ】''~
''⇒''何らかの理由でスワップを使用したくない場合(例えば、スワップパーティションにバッドセクタが存在するためプロセスが異常終了するおそれがある、ディスク上にメモリイメージを残したくない、など)場合は、起動モード5「interactive shell for debugging」を選択します。~
選択後、シェルが立ち上がったらswapctl(8)コマンドを-dオプション付きで実行し、スワップを無効化します。~
シェルを抜けると再度起動モードの選択になりますので本来の起動モードを選択し、処理を再開します。
**マウントするパーティションを追加する [#d052ec6d]
通常Unix系のOSでは、/etc/fstabという設定ファイルでマウントするパーティションを指定します。~
よって、ユーザがマウントするパーティションを追加や変更する場合は、fstabの記述内容を変更します。
通常Unix系のOSでは、/etc/fstabというファイルでマウントするパーティションを指定します。~
そのため、ユーザがマウントするパーティションを追加や変更したい場合は、fstabの記述内容を変更します。
ところが河豚板では、fstabファイルの内容を変更し再起動しても、その内容は有効にはなりません。
ところが河豚板では、fstabファイルの内容を変更し再起動してもその内容はファイルシステムのマウント状況に反映させません。
河豚板では、起動時の初期化処理の中で接続されているディスクが調査され、河豚板のシステムパーティションの検出が行われます。また、必要に応じてユーザからの指定を受け取ります。その結果を受けてfstabが自動的に生成されます。~
そのため、ユーザがfstabを変更しても、その内容は次回起動時に上書きされてしまいます。
河豚板では起動時の初期化中、PCに接続されている全てのディスクデバイスが調査され、システムパーティションの検出などが行われます。また、必要に応じてユーザからの指定も受け取ります。~
最後に、その結果を受けてfstabが自動的に生成され、それを基にファイルシステムのマウントが行われます。~
そのため、ユーザがfstabを変更し保存を行っても、その内容は次回起動時に上書きされてしまいます。
マウントするパーティションを追加したい場合は、/usr/fuguita/etc/fstab.tailというファイルにその内容を記述します。~
例として、sd2というディスクのeパーティションを/ram/optというディレクトリに追加でマウントしたい場合、以下のような手順になります。
- /usr/fuguita/etc/fstab.tail を作成します。このファイルの書式は/etc/fstabと同じです。
/dev/sd2e /ram/opt ffs rw 0 1
- /ram/optディレクトリがない場合、あらかじめ作成しておきます。
# mkdir /ram/opt
- usbfadmコマンドのsync機能を使い、ファイルを保存します。
- システムを最起動し起動モード3で起ち上げ、指定したパーティションがマウントされていることを確認します。
/usr/fuguita/etc/fstab.tailファイルの内容は自動生成された/etc/fstabファイルの末尾に追加され、その後ファイルシステムのマウントが行われるようになっています。
>''【メモ】''~
''⇒''マウントポイントはtmpfs内(/ramディレクトリより下)に作成する必要があります。~
''⇒''/ramディレクトリ直下のディレクトリやファイルは、起動時にルートディレクトリから自動的にシンボリックリンクが張られます。従って、/ram/optは/optとしてアクセスすることができます。
**X Window Systemの設定を変更する [#r41dd079]
(これから書く)
**X Window Systemに日本語デスクトップ環境を導入する [#r41dd079]
河豚板では、dtjsetupというコマンドを実行すると、日本語のデスクトップ環境を導入することができます。
***ウィンドウマネージャの変更 [#bd4c8ca3]
(これから書く)
///河豚板にはXのウィンドウマネージャとしてデフォルトではIceWMが起動しますが、OpenBSDに元々入っている3つのウィンドウマネージャ、twm, fvwm, cwmも使用することができます。
///
///一時的にウィンドウマネージャを変更したい場合は、設定ファイルの書き換えなどは不要です。以下のようにしてXを起動します;
/// $ WM=cwm startx
///
///通常使用するウィンドウマネージャを変更したい場合は、ホームディレクトリにある .xinitrc ファイルを以下のように書き換えます。
///
/// 〜略〜
/// xset fp+ /usr/local/share/fonts/sazanami/
/// xset fp+ /usr/fuguita/lib/fonts/
///
/// WM=${WM:-icewm} ←「icewm」の部分を他のウィンドウマネージャに変更します
///
/// case X"$WM" in
/// Xicewm)
/// rox -t top -p pin
/// exec icewm
/// ;;
/// 〜略〜
///
///河豚板に入っていないウィンドウマネージャを使用したい場合は、pkg_addなどでインストールを行ったあと、.xin///itrcにそのウィンドウマネージャの起動処理を追加して下さい。
以下は、dtjsetupの実行例です。
# dtjsetup ← dtjsetupの起動
(root, 一般ユーザのどちらでも使用できます)
#==========================================
# Welcome to dtjsetup
# Desktop (and Japanese) setup utility
#
# for FuguIta-6.6-amd64-202001171
#==========================================
Which desktop software will you install? ← デスクトップ環境の選択
1: no desktop (wm only)
2: [rox-filer]
3: xfce
4: mate
5: lumina
6: lxqt
-> ← [ENTER]のみを入力すると[ ]で囲まれた
項目を選択したことになります。
Which window manager will you install? ← 前項で1(デスクトップ環境なし、ウィンドウ・
1: cwm マネージャのみ)、あるいは2 (rox-filer)を
2: fvwm 選択した場合はウィンドウ・マネージャを
3: twm 選択します。
4: [icewm]
5: fluxbox
6: jwm
->
Will you setup Japanese language environment? [y/N] -> y ← 日本語環境を導入するか?
Which input method will you install? ← input method (日本語入力ソフト)の種類を
1: [scim-anthy] 選択
2: uim-gtk
3: fcitx-anthy
4: ibus-skk
->
*** You selected icewm as desktop software.
*** Installing Japanese environment is YES.
*** Japanese input method is scim-anthy.
*** Checking your root authorization...
*** OK.
*** Checking network accessibility...
*** OK.
*** Installing packages: rox-filer icewm ja-kterm ja-sazanami-ttf mixfont-mplus-ipa mplus-fonts scim-anthy
Will you continue? [y/N] -> y ← 続行するかどうかの確認
quirks-3.183 signed on 2020-01-31T18:21:51Z
rox-filer-2.11p3:libiconv-1.16p0:ok
rox-filer-2.11p3:xz-5.2.4:ok
:
icewm-1.6.1:libsndfile-1.0.28:ok
icewm-1.6.1:ok
Ambiguous: choose package for ja-kterm
a 0: <None>
1: ja-kterm-6.2.0p9
2: ja-kterm-6.2.0p9-xaw3d
Your choice: 1 ← kterm (漢字ターミナル) のパッケージが2種類あり、
ja-kterm-6.2.0p9:ok どちらを導入するかの選択
:
scim-anthy-1.2.7p11:ok
Running tags:
New and changed readme(s):
/usr/local/share/doc/pkg-readmes/glib2
/usr/local/share/doc/pkg-readmes/gtk+2
/usr/local/share/doc/pkg-readmes/scim
--- +ja-sazanami-ttf-20040629p3 -------------------
You may wish to update your font path for /usr/local/share/fonts/sazanami
--- +mixfont-mplus-ipa-20060520p7 -------------------
You may wish to update your font path for /usr/local/share/fonts/mixfont-mplus-ipa
--- +mplus-fonts-063 -------------------
You may wish to update your font path for /usr/local/share/fonts/mplus-fonts
*** /root/.xsession already exists. ← .xsession (Xの初期設定ファイル)が既に
*** This will be replaced with a new file. ある場合は古いファイルをバックアップする。
*** and the old one will be renamed to /root/.xsession_20200206_170903.
*** Rewrite .xsession configuration file. ← .xsessionを更新するか?
Will you continue? [y/N] -> y
Copy this .xsession file to /etc/skel ? [y/N] -> y ← .xsessionを/etc/skelにコピーするか?
コピーすると、以後、新規にユーザ
アカウントを作成した際、今回の設定が
引き継がれる。
*** Japanese environment and related software have been set up.
*** However, the time zone has not yet been set to JST.
Set timezone to JST? [Y/n] -> y ← タイムゾーンを日本標準時に設定するか?
*** When you use this machine both running OpenBSD and Windows.
*** You may set the hardware clock to JST instead UTC.
Set hardware clock to JST? [Y/n] -> n ← PCの内蔵時計を日本標準時に設定するか?
(Windowsと共存している場合に有用)
*** all installation and configuration completed.
*** Check your /root/.xsession and login to X if OK.
*** Note: You can save this configuration and addtionally installed softwares
*** by using usbfadm utility.
*** And can reload them at next boot time by selecting boot mode 3.
#ref(DeskTop.jpg,wrap,around,right,50%)
以上の設定を行った後でログアウトし、xenodmのログイン画面からログインしなおすと、導入したデスクトップ環境が立ち上ります。
***日本語設定 [#xf160360]
Xでは、日本語の表示や入力を行うことができます。
(これから書く)
デスクトップ環境では pkg_add コマンドを使用して各種アプリケーションを追加することができます。
#img(,clear)
***Xのログイン画面を有効にする [#ceb55706]
河豚板の起動時の設定で、[[ログイン方法の選択>#a5fdbf53]] で説明したように、コンソール画面から行う方法と、X Window Systemのログイン画面(xenodm)からログインする方法を選択します。
>''【メモ】''~
''⇒''河豚板は、5.9から6.0にバージョンアップした時点でいままでのIceWMとROX Filerによるデスクトップ環境はなくなり、OpenBSDのXがそのまま起動するようになりました。~
日本語デスクトップ環境の構築については、以下のページをご参照下さい。
- OpenBSD 6.0 で Xfce4 日本語デスクトップ環境の構築
-- http://qiita.com/kinichiro/items/dac58e29b7fca01de705 ~
~
- 30分でできる OpenBSD 日本語デスクトップ環境
-- http://yasuoka.net/~yasuoka/openbsd-desktop.html
コンソール画面からのログインを選択した場合でも、X Window Systemのログイン画面(xenodm)からログインする方法に後で変更できます。
それには [[OSの設定値を変更する>#g61850e9]] で説明したように、/etc/rc.conf.local ファイルの内容を変更します。
***Xのログイン画面を有効にする [#ceb55706]
X Window Systemではxdm(1)というプログラムによって、Xのログイン画面を表示することができます。 xdmは手動で起動することもできますが、通常はシステム起動時に自動的に立ち上がるように設定します。 これには [[OSの設定値を変更する>#g61850e9]] で説明したように、/etc/rc.conf.local ファイルの内容を変更します。
以下の例は、rcctl(8)を使用して rc.conf.local の内容を変更しています;
$ cd
以下の例は、rcctl(8)を使用して xenodem を有効にする例です。
$ doas rcctl enable xenodm
$ doas rcctl ls on
check_quotas
cron
library_aslr
ntpd
pf
pflogd
slaacd
smtpd
sndiod
sshd
syslogd
xenodm
#
rcctlコマンドでxdmを有効にすると rc.conf.local に「xdm_flags=」という行が付け加えられることがわかります。
$ cat /etc/rc.conf.local
# pkg_scripts='dbus_daemon'
shlib_dirs='/usr/fuguita/lib'
$ doas rcctl set xdm status on
Password:
$ rcctl get xdm
xdm_class=daemon
xdm_flags=
xdm_timeout=30
xdm_user=root
$ cat /etc/rc.conf.local
# pkg_scripts='dbus_daemon'
shlib_dirs='/usr/fuguita/lib'
xdm_flags=
xenodm_flags=
$
rcctlコマンドでxdmを有効にすると rc.conf.local に「xdm_flags=」という行が付け加えられることがわかります。
>''【メモ】''~
''⇒''テキストエディタで rc.conf.local を直接編集しても同じ結果が得られます。~
OpenBSD 5.7以前はrcctlコマンドが開発されておらず、テキストエディタによる編集が正規の設定手順でした。
設定変更後usbfadmで保存を行い、以降、モード3で起動すればxdmが立上ります。
>''【メモ】''~
''⇒''xdmが表示されている状態で''<Control>''+''<Alt>''+''<F1>''を押すと通常のテキストログイン画面に切り替わります。この仮想コンソールは全部で12面あり、''<Control>''+''<Alt>''+''<F1>''から''<Control>''+''<Alt>''+''<F12>''まで割り当てられています。Xの表示は5番目の仮想コンソールに割り当てられているので、''<Control>''+''<Alt>''+''<F5>''を押すと、Xの画面に戻ります。
''⇒''xdmが表示されている状態で''<Control>''+''<Alt>''+''<F1>''を押すと通常のテキストログイン画面に切り替わります。この仮想コンソールは全部で12面あり、''<Control>''+''<Alt>''+''<F1>''から''<Control>''+''<Alt>''+''<F12>''まで割り当てられています。Xの表示は5番目の仮想コンソールに割り当てられているので、''<Control>''+''<Alt>''+''<F5>''を押すと、Xの画面に戻ります。
**河豚板をアップデートする [#h2ce3537]
OpenBSDは半年に一度、メジャーリリースが行われており、このとき OpenBSD 5.8 → OpenBSD 5.9 のようにバージョンが変わります。~
そしてその半年にもセキュリティや安定性の向上などに関する修正が行われており、OpenBSDの公式サイトでも http://www.openbsd.org/errata60.html で修正情報が提供されます。
河豚板もこの修正情報への追従を行っており、現行で公開されている版はいままでの修正情報が全て適用されたものとなっています(実際には、適用作業と動作確認を行うため修正情報の公開からは数日程度のタイムラグがあります)。
なお、河豚板で現在運用中のOSのバージョンを確認するには次のようにコマンドを実行します。
$ uname -a ← OSのバージョンを確認
OpenBSD fugu-demo.localnet 5.8 RDROOT.MP#2 i386
$ sysctl kern.version ← カーネルのバージョンを確認
kern.version=OpenBSD 5.8-stable (RDROOT.MP) #2: Wed Nov 11 13:18:48 JST 2015
root@nimbus5.localnet:/opt/fi/5.8/sys/arch/i386/compile/RDROOT.MP
$ cat /usr/fuguita/version ← 河豚板のバージョンを確認
5.8-201512272
この節では、現在お使いの河豚板を最新版にアップデートする方法を解説します;
***OpenBSDのメジャーリリースがバージョンアップした場合 [#tb60f1b9]
これは、河豚板がベースとしているOpenBSDのメジャーリリースが行われた場合です。例えば、
FuguIta-5.8-amd64-201504161
↓
FuguIta-5.9-amd64-201510255
ですが、これは河豚板のベースとなっているOSがOpenBSD 5.8からOpenBSD 5.9に変っています。
OpenBSDのメジャーリリースが変っている場合、システムのアップデートは困難です。~
その理由は、OpenBSDがバージョンアップすると、システムコールの仕様変更、共有ライブラリの互換性のないバージョンアップ、コマンドのや追加・削除や仕様変更などが大幅に行われるため、過去の環境を保ったままバージョンを移行することが現実的ではないためです。
OpenBSDのメジャーリリースを跨いでの移行は、以下のような方法が推奨されます;
-LiveCDやLiveUSBを新規に作成する。
+LiveDVDやLiveUSBを新規に作成する。
+新しいバージョンの河豚板を起動させ、古いバージョンの河豚板から各種設定やユーザが作成したファイルなどの移行作業を行う。
-新しいバージョンの河豚板を起動させ、古いバージョンの河豚板から各種設定やユーザが作成したファイルなどの移行作業を行う。
>''【メモ】''~
''⇒''usbfadmコマンドのsavasで保存名を付ける場合に、デフォルトでは保存名の冒頭に「fugu-demo」といったOSのバージョンが付きますが、これはこの節で述べたバージョン間で互換性がないことを示すために付けられています。
***OpenBSDのメジャーリリースは変わっていない場合 [#re866f1d]
これは、
FuguIta-6.0-amd64-201511297
↓
FuguIta-6.0-amd64-201512051
のようにOpenBSDのバージョンを表す「6.0」の部分が変っていないことで確認できます。
この場合はシステムの変更は部分的なものにとどまっていますので、ユーザデータの移行などは必要ありません。
システムの移行は、以下の手順で行います。
''LiveCDの移行手順''~
LiveCDの場合はメディアの部分的な書き換えはできませんので、新しいバージョンのLiveCD版河豚板を作り、それを使用する形になります。~
''LiveDVDの移行手順''~
LiveDVDの場合はメディアの部分的な書き換えはできませんので、新しいバージョンのLiveDVD版河豚板を作り、それを使用する形になります。~
USBメモリに保存したデータについては、そのまま起動モード3で読み込んで使用できます。
''LiveUSBの移行手順''~
LiveUSBの場合は、USBメモリ内のシステムファイルを差し替えることでそのまま移行できます。以下、手順を示します。
LiveUSBの場合は、fiupdate (FuguIta update)というコマンドを用いることで、起動しているLiveUSBのアップデートを行うことができます。
まず最初に新しいバージョンの河豚板をモード0か1で起動します。運用デバイスは、LiveCD, LiveUSBあるいはWindowsやLinuxとの共存形式のいずれも使用できます。~
ネットワークの設定等は適当でOKです。あるいは設定しなくても問題ありません。起動が完了したらrootでログインし、以下のようにファイルの上書きを行います。
# ls -l /sysmedia ← 現在運用中のシステムファイルが格納されている
total 1427119
-r-xr-xr-x 1 root bin 71452 Apr 4 2015 boot
-rwxr--r-- 1 root wheel 2048 Dec 27 11:59 boot.catalog
-rw-r--r-- 1 root wheel 5569179 Dec 27 19:19 bsd-fi
-rw-r--r-- 1 root wheel 5577796 Dec 27 19:19 bsd-fi.mp
-r-xr-xr-x 1 root wheel 72328 Dec 27 19:19 cdboot
-r-xr-xr-x 1 root wheel 2048 Dec 27 19:19 cdbr
drwxr-xr-x 2 root wheel 2048 Apr 18 2014 etc
-rw-r--r-- 1 root wheel 719388672 Dec 27 19:19 fuguita-6.0-amd64.ffsimg
# mount /dev/sd0a /mnt ← 旧バージョンのLiveUSBをマウント
# ls -l /mnt
total 1427592
-rw-r--r-- 1 root wheel 71564 Oct 27 07:49 boot
-rwxr--r-- 1 root wheel 2048 Nov 29 16:44 boot.catalog
-rw-r--r-- 1 root wheel 5568445 Nov 29 16:44 bsd-fi
-rw-r--r-- 1 root wheel 5577178 Nov 29 16:44 bsd-fi.mp
-r-xr-xr-x 1 root wheel 72328 Nov 29 16:44 cdboot
-r-xr-xr-x 1 root wheel 2048 Nov 29 16:44 cdbr
drwxr-xr-x 2 root wheel 512 Apr 18 2014 etc
-rw-r--r-- 1 root wheel 719388672 Dec 5 06:52 fuguita-6.0-amd64.ffsimg
fiupdateを使うには、アップデート対象のLiveUSBをモード0、1あるいは2で起動します。~
次に、配布サイトより新しいバージョンのISOイメージとMD5ファイルをダウンロードし、その後、fiupdateを起動します。
>''【メモ】''~
''⇒''LiveUSBをアップデートに使用するのはISOイメージファイルです。*.imgファイルではないことにご注意下さい。~
''⇒''MD5ファイルは、ダウンロードしたファイルの内容が壊れていないことをチェックするためにfiupdateが使用します。
total 606752
-rw-r--r-- 1 root wheel 310651490 Oct 7 01:12 FuguIta-6.7-amd64-202010071.iso.gz
-rw-r--r-- 1 root wheel 562 Oct 8 06:25 MD5
旧バージョンのシステムファイルを新バージョンもので置き換え
↓
# cp -p /sysmedia/bsd-fi /sysmedia/bsd-fi.mp /sysmedia/fuguita-6.0-amd64.ffsimg /mnt
fugu-demo# cat /usr/fuguita/version
6.7-amd64-20209041
# ls -l /mnt ← 置き換わっていることを確認
total 1405576
-rw-r--r-- 1 root wheel 71564 Oct 27 07:49 boot
-rwxr--r-- 1 root wheel 2048 Nov 29 16:44 boot.catalog
-rw-r--r-- 1 root wheel 5569179 Dec 27 19:19 bsd-fi
-rw-r--r-- 1 root wheel 5577796 Dec 27 19:19 bsd-fi.mp
-r-xr-xr-x 1 root wheel 72328 Nov 29 16:44 cdboot
-r-xr-xr-x 1 root wheel 2048 Nov 29 16:44 cdbr
drwxr-xr-x 2 root wheel 512 Apr 18 2014 etc
-rw-r--r-- 1 root wheel 719388672 Dec 27 19:19 fuguita-6.0-amd64.ffsimg
# umount /mnt
#
作業が完了したら、PCを再起動し、アップデートしたLiveUSBが使用可能であることを確認します。~
fugu-demo# fiupdate 202010071
fiupdate - Live Updater for FuguIta LiveUSB
Version/Arch: 6.7/amd64 (FuguIta-6.7-amd64-20209041)
Checking...
environment: ok
Note: This software is currently in beta testing.
Use this at YOUR OWN RISK.
We recommend that you run this command in fresh boot (boot mode
0, 1, or 2).
Alternatively, you must quit all application software and save
all your data before updating this FuguIta device.
All daemons, including xenodm, will be stopped before the update.
Please note that all X sessions will be aborted.
Do you proceed? [y/N] -> y
Checking...
checksum: (MD5) FuguIta-6.7-amd64-202010071.iso.gz: OK
file layout: liveusb
existing files: ok
decompressing FuguIta-6.7-amd64-202010071.iso.gz...
9296MiB 0:00:31 [9.51MiB/s] [================================>] 100% ETA 0:00:00
Now ready to update FuguIta-6.7-amd64-20209041 to FuguIta-6.7-amd64-202010071.
This machine will reboot immediately after update completed.
Do you proceed? [y/N] -> y
stopping all daemons...
cron(ok)
ntpd(ok)
pflogd(ok)
slaacd(ok)
smtpd(ok)
sndiod(ok)
sshd(ok)
syslogd(ok)
overwriting uniprocessor kernel...
8.66MiB 0:00:06 [1.37MiB/s] [================================>] 100% ETA 0:00:00
overwriting multiprocessor kernel...
8.69MiB 0:00:04 [1.84MiB/s] [================================>] 100% ETA 0:00:00
overwriting filesystem image...
9864MiB 0:05:30 [3.05MiB/s] [================================>] 100% ETA 0:00:00
update completed.
now rebooting...
syncing disks... done
アップデート完了後、PCは自動的に再起動します。~
LiveUSBアップデート後の運用は今までと変りなく、データの移行等をする必要もありません。
>''【メモ】''~
''⇒''fiupdateをネットワーク経由、あるいはX Window System上で実行すると、以下のような警告が表示されます。
It seems you are running this script on X Window System,
via network or something like this.
In this situation, during update, corresponding processes
will be killed and then update may fail.
Running this on direct console device is highly recommended.
Continue anyway? [y/N] ->
fiupdateは、システムファイルを更新する前に全てのデーモンを停止します。この時、ネットワークが切断されたりXのセッションが終了して、アップデートが失敗する可能性があります。~
ですので、fiupdateはコンソールデバイス上で直接実行するようにして下さい。
**河豚板をモバイル環境で使う [#x0c50917]
河豚板をモバイル環境の端末として使うためには、基本的な部分は固定環境での運用と大きく変わるところはありません。
しかしモバイル環境特有の事情を考慮し、設定を追加するとより効率的に運用できる面もあります。
この節ではそのような設定項目としてノートPCの電源関連について解説します。
***電源関連の設定 [#v970bab0]
現在のPC、とりわけノートPCにはACPI (Advanced Configuration and Power Interface)やAPM (Advanced Power Management)という仕組みがあり、バッテリーなどの電源装置の監視や制御を行うことができます。~
OpenBSDではこれらの仕組みはacpi(4)、及びapm(4)として実装されており、管理用のコマンドを通じてアクセスすることができます。
acpiやapmの管理は、apmd(8)というデーモンにより行います。~
apmdの状態確認と設定を行います;
$ doas -s
Password:
# rcctl get apmd
apmd_class=daemon
apmd_flags=NO ← apmdは無効(動作しない)設定になっている。
apmd_timeout=30
apmd_user=root
apmdを有効にします。
# rcctl set apmd status on
# rcctl get apmd
apmd_class=daemon
apmd_flags=
apmd_timeout=30
apmd_user=root
#
設定が完了したら[[usbfadmコマンドを使用して保存>#k57e4ba1]]し、河豚板を[[モード3で再起動>#w4595c42]]します。
apmdが稼動している状態では、apm(8)というコマンドで状態の監視と制御が可能です。
$ apm
Battery state: high, 89% remaining, 57 minutes life estimate
A/C adapter state: not connected
Performance adjustment mode: auto (1000 MHz)
以下の例では、apmコマンドに-Lフラグを与えて、CPUが常時低クロックで動作するように設定しました;
$ apm -L
$ apm
Battery state: high, 88% remaining, 42 minutes life estimate
A/C adapter state: not connected
Performance adjustment mode: manual (1000 MHz)
バッテリーなどハードウェアの状態は、sysctlコマンドやsystat(1)コマンドでもモニタできます。
$ sysctl hw.sensors
hw.sensors.acpitz0.temp0=55.50 degC (zone temperature)
hw.sensors.acpiac0.indicator0=Off (power supply)
hw.sensors.acpibat0.volt0=14.80 VDC (voltage)
hw.sensors.acpibat0.volt1=15.30 VDC (current voltage)
hw.sensors.acpibat0.current0=1.19 A (rate)
hw.sensors.acpibat0.amphour0=1.12 Ah (last full capacity)
hw.sensors.acpibat0.amphour1=0.21 Ah (warning capacity)
hw.sensors.acpibat0.amphour2=0.07 Ah (low capacity)
hw.sensors.acpibat0.amphour3=0.92 Ah (remaining capacity), OK
hw.sensors.acpibat0.amphour4=2.15 Ah (design capacity)
hw.sensors.acpibat0.raw0=1 (battery discharging), OK
hw.sensors.acpibtn0.indicator0=On (lid open)
hw.sensors.acpidock0.indicator0=Off (not docked), UNKNOWN
hw.sensors.cpu0.temp0=55.00 degC
$ systat sensors
3 users Load 0.40 0.42 0.37 Wed Dec 30 04:18:11 2015
SENSOR VALUE STATUS DESCRIPTION
acpitz0.temp0 56.50 degC zone temperature
acpiac0.indicator0 Off power supply
acpibat0.volt0 14.80 V DC voltage
acpibat0.volt1 15.26 V DC current voltage
acpibat0.current0 1.08 A rate
acpibat0.amphour0 1.12 Ah last full capacity
acpibat0.amphour1 0.21 Ah warning capacity
acpibat0.amphour2 0.07 Ah low capacity
acpibat0.amphour3 0.90 Ah OK remaining capacity
acpibat0.amphour4 2.15 Ah design capacity
acpibat0.raw0 1 raw OK battery discharging
acpibtn0.indicator0 On lid open
acpidock0.indicator0 Off unknown not docked
cpu0.temp0 56.00 degC
systatコマンドはデフォルトでは5秒おきに状態を更新し、表示を続けます。「q」を入力すると終了します。
apmコマンドはまた、PCを休止状態にすることができます。~
休止状態にするにはapmコマンドの他、zzz(8)やZZZ(8)などのコマンドも使用可能です。また、PCの機種によっては特定のキーに休止動作が割り付けられているものもあります。~
休止からの復帰方法は機種により異なりますが、電源ボタンを短かく押したり休止キーを再度押したりするものが多いようです。
>&color(red){''【ご注意】''&br;''!!''スタンバイ、スリープやハイバーネートのような休止動作を行うと、USBデバイスは切り離され、復帰時に再接続されます。従ってUSBデバイス上のファイルシステムをマウントしているLiveUSB版河豚板はシステム復帰後、正常に動作しなくなりますのでご注意下さい。&br;''!!''PCの機種によっては休止動作がうまくいかないものがあります(スタンバイはできるがサスペンドやハイバーネートはできない、休止状態から復帰できない、あるいは動作が不安定で時々復帰に失敗する、など)。使用にあたっては事前の動作確認をお願いします。};
Xを使用している時は、xsetコマンドでディスプレイを制御できます。ホームディレクトリ直下の .xinitrc 内に以下のような行を追加します;
Xを使用している時は、xsetコマンドでディスプレイを制御できます。ホームディレクトリ直下の .xinitrc 内に以下のような行を追加します;
xset s on ← スクリーンセーバーを有効にする
xset s 180 ← スクリーンセーバーの動作開始時間(秒)
xset +dpms ← ディスプレイを省電力モードに移行
この例の設定をおこなうと、マウスやキーボードの操作が180秒以上行われない場合、ディスプレイが省電力モードになります。
**ネットワーク設定を変更する [#g07d1048]
***ネットワーク再設定ツール gennetconfs [#wba8cadd]
ネットワークの設定は[[ネットワークの基本設定>#pd55b21e]]で説明したように/etcディレクトリ以下のいくつかのファイルで行われますが、河豚板ではgennetconfsというコマンドを用いることでそれらのファイルを生成することができます。~
使用方法は以下の通りです;
# gennetconfs [ディレクトリ名]
gennetconfsは指定されたディレクトリ上にファイルを生成します。ディレクトリ名が省略された場合は、カレントディレクトリにファイルを生成します。~
このコマンドは実行後、ネットワークの設定を対話的に行います。設定方法は河豚板起動時に行う [[ネットワーク関連の設定>#sffc6969]] と同じです。
gennetconfs実行後に作成されたファイルの内容をチェックし、問題なければそれらのファイルを/etcにコピーし、再起動すれば新しい設定が有効になります。~
または、
# cd /etc
# gennetconfs
あるいは、
# gennetconfs /etc
などと実行すれば/etc以下のファイルを直接書き換えることができます。
***ファームウェアのダウンロードが必要なWiFiデバイスを使う [#e61af36c]
この項ではgennetconfsコマンドの応用としてWiFiデバイスの導入方法について説明します。
OpenBSDでは様々なWiFiデバイスがサポートされていますが、中にはそのままでは使用できず、ファームウェアのダウンロードとインストールが必要なデバイスがあります。
>''【メモ】''~
''⇒''ファームウェアのダウンロードが必要な事情については、OpenBSDのサイトに以下のような記述があります;~
OpenBSD FAQ - Wireless Networking ~
https://www.openbsd.org/faq/faq6.html#Wireless ~
~
In order to use some wireless cards, you will need to acquire firmware files with fw_update(1). Some manufacturers refuse to allow free distribution of their firmware, so it can't be included with OpenBSD.~
(訳) 一部のワイヤレスカードを使用するには、fw_update(1)でファームウェアファイルを取得する必要があります。 メーカーによっては、ファームウェアの自由な配布を拒否しているため、OpenBSDに含めることはできません。
よって、これらのWiFiデバイスを使用するためには、まず河豚板をインターネットに接続した状態で起動させ、ファームウェアのダウンロードを行ってから、ネットワークの設定を目的のWiFiデバイス用に変更するという手順が必要です。~
以下その手順を説明します。
''1. 河豚板をインターネットに接続''~
まず河豚板を起動し、有線LAN、あるいはファームウェアのダウンロードを必要としないWiFiデバイスなどを使って、[[インターネットに接続する設定>#sffc6969]]を行います。
''2. ファームウェアのダウンロードとインストール''~
河豚板は起動時にインターネットに接続されていれば、そのPCに必要なファームウェアのダウンロードとインストールを自動で行います。~
念のため手動でfw_updateコマンドを起動し、ファームウェアが導入されていることを確認します。
# fw_update -v
Path to firmware: http://firmware.openbsd.org/firmware/6.3/
Updating: wpi-firmware-3.2p1 intel-firmware-20180312v0
Checking packages|No change in wpi-firmware-3.2p1
No change in intel-firmware-20180312v0
#
''3. ネットワークの設定をWiFiデバイス用に変更''~
gennetconfsコマンドを実行し、ネットワークの設定をWiFi用に書き替えます。
# gennetconfs /etc
host name (without domain) -> fugu-demo
IP version(s) to use: 4, 6, 46, 64 or n
46: IPv4 preferred over IPv6 in address resolution
64: reversed to 46
n: stand alone operation
[46]->
'46' selected as default
==[ifconfig -a]=========================
lo0: flags=8049<UP,LOOPBACK,RUNNING,MULTICAST> mtu 32768
index 4 priority 0 llprio 3
groups: lo
inet6 ::1 prefixlen 128
inet6 fe80::1%lo0 prefixlen 64 scopeid 0x4
inet 127.0.0.1 netmask 0xff000000
wpi0: flags=8802<BROADCAST,SIMPLEX,MULTICAST> mtu 1500
lladdr 00:1b:77:01:4e:fe
index 1 priority 4 llprio 3
groups: wlan
media: IEEE802.11 autoselect
status: no network
ieee80211: nwid ""
em0: flags=208a43<UP,BROADCAST,RUNNING,ALLMULTI,SIMPLEX,MULTICAST,AUTOCONF6> mtu 1500
lladdr 00:19:b9:6c:60:dd
index 2 priority 0 llprio 3
groups: egress
media: Ethernet autoselect (100baseTX full-duplex)
status: active
inet 192.168.10.94 netmask 0xffffff00 broadcast 192.168.10.255
inet6 fe80::eeef:ccc9:98bb:7824%em0 prefixlen 64 scopeid 0x2
enc0: flags=0<>
index 3 priority 0 llprio 3
groups: enc
status: active
pflog0: flags=141<UP,RUNNING,PROMISC> mtu 33136
index 5 priority 0 llprio 3
groups: pflog
========================================
Available network interface(s): wpi0 em0
network interface to setup [wpi0] -> wpi0
FQDN of this host -> fugu-demo.localnet
Wi-Fi SSID -> my-wifi-ssid
WPA Key -> my-wpa-passphrase
DNS setup;
Manual : Enter up to three IPv4/IPv6 addresses, separated by spaces
DHCP : Just press ENTER .
no DNS : Enter "none".
->
#
''4. 設定内容の保存と再起動''~
変更した内容を[[usbfadmコマンドを使用して保存>#k57e4ba1]]した後、河豚板を[[モード3で再起動>#w4595c42]]します。
*河豚板を使う【開発編】 [#oc4ca9a6]
この章では河豚板の内部を理解したり、河豚板をベースに自分で開発を行う場合の情報を提供します。
**河豚板の技術情報を調べる [#h45738ed]
河豚板はOpenBSDをベースにしているので、その構成物のほとんどはOpenBSD関連の情報がそのまま利用できます。~
公式のOpenBSDとは異なる河豚板特有の部分については、このサイトの日本後トップページに[[公開資料の一覧>河豚板#e23f3d8c]]がありますので、そちらをご参照下さい。~
(過去の資料の中には、現状の河豚板と異っている部分もありますので、ご注意下さい)
**河豚板をアプリケーションの専用マシンにする [#a09cd894]
河豚板は書込み可能なファイルをすべてメモリ上に持っているため、シャットダウン操作等を行わずいきなり電源を断にしたりしてもファイルシステムに不具合が発生することはありません。~
また稼動中にusbfadmによるファイルの保存を行わない限りは、毎回同じ状態でシステムが立上ります。
このような特徴を利用して、河豚板をベースにして特定のアプリケーションを実行するための専用のマシン(ターンキーシステム: Turn Key System)などを作成することができます。
このようなシステムを構築するためには、今までに説明してきたテクニックを組合せて使います;
-まず運用環境を整える。~
起動モード0で立ち上げて、各種設定やアプリケーションのインストール等を行い、目的の動作をするように環境構築をする。
-[[構築した環境をusbfadmにてUSBメモリなどに保存する>#k57e4ba1]]。
-[[モード3で起動し、保存した環境で立ち上がるようにnoasksファイルを設定する>#b493ab9a]]。
-ログイン操作なしでアプリケーションが立ち上がるように ttys(5) ファイルを編集する。
これらの詳細な手順は、このサイトにある [[EBUG勉強会/20140507_実用で使う河豚板]] という資料で説明しておりますのでご参照下さい。
**動作中の河豚板から河豚板のISOイメージを作る [#ad9d1db1]
[[USBメモリの容量に合わせて河豚板をインストールする>#ld36d7ec]]ではLiveUSBのイメージファイルを作成しましたが、この節ではmkhybrid(8)コマンドを用いて稼動中の河豚板からLiveCDのISOイメージを作成する方法を説明します。
[[USBメモリの容量に合わせて河豚板をインストールする>#ld36d7ec]]ではLiveUSBのイメージファイルを作成しましたが、この節ではmkhybrid(8)コマンドを用いて稼動中の河豚板からLiveDVDのISOイメージを作成する方法を説明します。
>''【メモ】''~
''⇒''この作業は大きなサイズのファイルを扱うので、tmpfsのサイズは1.5ギガバイト以上必要です。~
''⇒''この作業は大きなサイズのファイルを扱うので、tmpfsのサイズは2ギガバイト以上必要です。~
tmpfsでは足りない場合、他の記録デバイスをマウントしてそちらで作業します。
起動はモード0又はモード1で行い、作業はrootで実施します;
$ mkdir work ← 作業用ディレクトリを作成
$ doas -s
Password:
# cd work
# cp -pR /sysmedia/* . ← 作業用ディレクトリに /sysmedia 以下のファイルをコピー
# ls -l
total 1427144
-rw-r--r-- 1 root wheel 71564 Oct 27 07:49 boot
-rwxr--r-- 1 root wheel 2048 Nov 29 16:44 boot.catalog
-rw-r--r-- 1 root wheel 5569179 Dec 27 19:19 bsd-fi
-rw-r--r-- 1 root wheel 5577796 Dec 27 19:19 bsd-fi.mp
-r-xr-xr-x 1 root wheel 72328 Nov 29 16:44 cdboot
-r-xr-xr-x 1 root wheel 2048 Nov 29 16:44 cdbr
drwxr-xr-x 2 root wheel 56 Apr 18 2014 etc
-rw-r--r-- 1 root wheel 719388672 Dec 27 19:19 fuguita-5.8.ffsimg
# rm boot.catalog ← このファイルはmkhybridが生成するので念のため削除しておく
# mkhybrid -a -R -L -l -d -D -N -o ../livecd.iso -b cdbr -c boot.catalog .
Size of boot image is 4 sectors -> No-emulation CD boot sector
1.40% done, estimate finish Wed Dec 30 13:59:44 2015
2.80% done, estimate finish Wed Dec 30 13:59:44 2015
〜略〜
98.09% done, estimate finish Wed Dec 30 13:59:49 2015
99.50% done, estimate finish Wed Dec 30 13:59:49 2015
Total translation table size: 0
Total rockridge attributes bytes: 1105
Total directory bytes: 2048
Path table size(bytes): 22
Max brk space used 0
356809 extents written (696 Mb)
# exit
$ ls -l
total 1427360
-rw-r--r-- 1 root yoshi 730744832 Dec 30 13:59 livecd.iso
drwxr-xr-x 3 yoshi yoshi 224 Dec 30 13:59 work
$
作業ディレクトリの1つ上の階層に作成された livecd.iso というファイルが河豚板のISOイメージファイルです。
**河豚板の開発ツールを使う - LiveDVDのカスタマイズと作成 [#m0eda68f]
河豚板は不定期ではありますが、ライブシステム構築のために使用しているツールを公開しています。
この構築ツールを使用することで河豚板をカスタマイズし、独自のライブシステムを作成することができます。
この節ではLiveDVDの構築方法を説明しています。~
LiveUSBを作成する場合は、以下に説明する方法で作成したLiveDVDを動作させ、そのLiveDVD上で、次節の [[河豚板のディスクイメージを作る>#z05e6da1]] で説明した方法で、LiveUSBのイメージファイルを作成して下さい。
***作業の前に [#e85a44f6]
-必要なもの
--動作中の河豚板(LiveDVD, LiveUSBのどちらでもOKです)
--カーネルのソースツリー
--河豚板の構築ツール
-作業条件
--上記「必要なもの」で挙げたものはすべてOpenBSDの同じバージョン・同一のプラットフォーム用のものである必要があります。
--全ての操作はroot権限で行います。
次節以降で作成手順について、例を示しながら解説します。~
この作業例は対象バージョンとしてOpenBSD 6.7、プラットフォームはamd64を想定しています。~
また、構築ツールを置くディレクトリを FI_BUILD_PATH と表記しています。この部分は実際のディレクトリパスで置き換えて下さい。
***カーネルソースツリーのセットアップ [#z983a95c]
カーネルソースツリーをOpenBSDの配布サイトより取得し、展開します
# cd /usr/src
# ftp http://ftp.jaist.ac.jp/pub/OpenBSD/6.7/sys.tar.gz
Trying 150.65.7.130...
Requesting http://ftp.jaist.ac.jp/pub/OpenBSD/6.7/sys.tar.gz
100% |**************************************************| 31438 KB - 01:55 ETA
32193241 bytes received in 115.84 seconds (271.39 KB/s)
# tar xzf sys.tar.gz
#
Anonymous CVSを用いてカーネルソースツリーを更新します
# cd sys
# cvs -qd anoncvs@anoncvs.jp.openbsd.org:/cvs update -Pd -rOPENBSD_6_7
The authenticity of host 'anoncvs.jp.openbsd.org (133.45.178.239)' can't be established.
ECDSA key fingerprint is SHA256:aXpmw11DuXXLm8PsJ37L65jEXbu8JF2cnVfQptSkoyQ.
Are you sure you want to continue connecting (yes/no/[fingerprint])? yes
Warning: Permanently added 'anoncvs.jp.openbsd.org,133.45.178.239' (ECDSA) to the list of known hosts.
P conf/newvers.sh
P dev/hid/hid.c
〜 省略 〜
P kern/tty_pty.c
P sys/tty.h
#
Anonyous CVSを用いたソースツリー更新の詳細については[[OpenBSDの公式サイト>http://www.openbsd.org/anoncvs.html]]をご参照下さい。
***河豚板構築ツールのセットアップ [#ma7c8a0b]
河豚板の配布サイトより構築ツールを取得します。
# cd FI_BUILD_PATH
# ftp https://jp1.dl.fuguita.org/tools/tools-6.7-amd64.tar.xz
Trying 110.92.1.224...
Requesting https://jp1.dl.fuguita.org/tools/tools-6.7-amd64.tar.xz
100% |**************************************************| 3599 KB 00:04 ETA
3685508 bytes received in 4.87 seconds (738.66 KB/s)
#
河豚板の構築ツールはxz形式で圧縮されていますので、パッケージからxzユティリティをインストールします。
# pkg_add xz
quirks-3.326 signed on 2020-09-04T21:31:39Z
xz-5.2.5:ok
#
河豚板の構築ツールをFI_BUILD_PATHで展開します。
# xz -dc tools-6.7-amd64.tar.xz | tar xvf -
tools-6.7-amd64
tools-6.7-amd64/.cvsignore
〜 省略 〜
tools-6.7-amd64/sys/uvm/uvm_vnode.h
tools-6.7-amd64/sys/uvm/uvmexp.h
#
***河豚板用カーネルの生成 [#zbf4c5c3]
構築ツール内のカーネルソースツリーは/usr/src/sys以下にある実際のカーネルソースツリーにシンボリックリンクが張られた形(シャドウコピー)になっています。~
このシャドウコピーを作り直します。
# cd tools-6.7-amd64
# rm -r sys
# mkdir sys
# cd sys
# lndir /usr/src/sys
/usr/src/sys/arch:
/usr/src/sys/arch/alpha:
〜 省略 〜
/usr/src/sys/ufs/ufs:
/usr/src/sys/uvm:
#
河豚板用のカーネル構成ファイルを配置し、configコマンドを実行します。
# cd arch/amd64/conf
# ln -s FI_BUILD_PATH/tools-6.7-amd64/lib/RDROOT.amd64 RDROOT
# ln -s FI_BUILD_PATH/tools-6.7-amd64/lib/RDROOT.MP.amd64 RDROOT.MP
# config RDROOT
making FI_BUILD_PATH/tools-6.7-amd64/sys/arch/amd64/compile/RDROOT/obj
config -b FI_BUILD_PATH/tools-6.7-amd64/sys/arch/amd64/compile/RDROOT/obj
-s FI_BUILD_PATH/tools-6.7-amd64/sys FI_BUILD_PATH/tools-6.7-amd64/sys/arch/amd64/conf/RDROOT
# config RDROOT.MP
making FI_BUILD_PATH/tools-6.7-amd64/sys/arch/amd64/compile/RDROOT.MP/obj
config -b FI_BUILD_PATH/tools-6.7-amd64/sys/arch/amd64/compile/RDROOT.MP/obj
-s FI_BUILD_PATH/tools-6.7-amd64/sys FI_BUILD_PATH/tools-6.7-amd64/sys/arch/amd64/conf/RDROOT.MP
#
シングルプロセッサカーネルをコンパイルします。
# cd ../compile/RDROOT
# make clean && make
rm -f *bsd *bsd.gdb *.[dio] [a-z]*.s assym.* gap.link gapdummy.c ld.script lorder makegap.sh param.c
cp FI_BUILD_PATH/tools-6.7-amd64/sys/conf/makegap.sh makegap.sh
echo '__asm(".section .rodata,\"a\"");' > gapdummy.c
cc -g -Werror -Wall -Wimplicit-function-declaration -Wno-uninitialized -Wno-pointer-sign ...
〜 省略 〜
cc -g -Werror -Wall -Wimplicit-function-declaration -Wno-uninitialized -Wno-pointer-sign ...
LD="ld" sh makegap.sh 0xcccccccc gapdummy.o
ld -T ld.script -X --warn-common -nopie -o bsd ${SYSTEM_HEAD} vers.o ${OBJS}
text data bss dec hex
15637669 2316936 704512 18659117 11cb72d
mv bsd bsd.gdb
ctfstrip -S -o bsd bsd.gdb
#
マルチプロセッサカーネルをコンパイルします。
# cd ../RDROOT.MP/
# make clean && make
rm -f *bsd *bsd.gdb *.[dio] [a-z]*.s assym.* gap.link gapdummy.c ld.script lorder makegap.sh param.c
cp FI_BUILD_PATH/tools-6.7-amd64/sys/conf/makegap.sh makegap.sh
echo '__asm(".section .rodata,\"a\"");' > gapdummy.c
cc -g -Werror -Wall -Wimplicit-function-declaration -Wno-uninitialized -Wno-pointer-sign ...
cc -g -Werror -Wall -Wimplicit-function-declaration -Wno-uninitialized -Wno-pointer-sign ...
LD="ld" sh makegap.sh 0xcccccccc gapdummy.o
ld -T ld.script -X --warn-common -nopie -o bsd ${SYSTEM_HEAD} vers.o ${OBJS}
text data bss dec hex
15722042 2317408 712704 18752154 11e229a
mv bsd bsd.gdb
ctfstrip -S -o bsd bsd.gdb
#
***RAMディスクルートファイルシステム(rdroot)の更新 [#ca5a61ab]
構築ツールのrdrootの内容を最新のもの(構築作業を行っている河豚板のもの)に置き換えます。
# cd FI_BUILD_PATH/tools-6.7-amd64
# make open-rdroot
vnconfig vnd0 rdroot.img
mount /dev/vnd0a rdroot
# cd /boottmp/
# rsync -avH --delete . .FI_BUILD_PATH/tools-6.7-amd64/rdroot/boottmp
sending incremental file list
./
boot_livecd_rc_ends
boot_mode
boot_partitions
boot_restore_devname
boot_starts
boot_tries
boot_user_config
dtjsetup
fstab
rc
usbfadm
CVS/
CVS/Entries
sent 94,504 bytes received 255 bytes 63,172.67 bytes/sec
total size is 15,863,539 speedup is 167.41
# cd FI_BUILD_PATH/tools-6.7-amd64/rdroot/boottmp
boot_*ファイルは河豚板起動時に生成されるものです。~
不要ですので削除します。
# rm boot_*
# cd ../..
# make close-rdroot
umount rdroot
vnconfig -u vnd0
#
***河豚板本体のファイルツリーを書き込む [#zb14f179]
構築ツールには河豚板本体のファイルツリーは含まれていませんので、構築作業を行っている河豚板のものを書き込みます。
# make open-media
vnconfig vnd1 media.img
mount /dev/vnd1a media
# make open-fuguita
vnconfig vnd2 media/fuguita-6.7-amd64.ffsimg
mount /dev/vnd2a fuguita
# cd /fuguita/
# pax -rwvpe . FI_BUILD_PATH/tools-6.7-amd64/fuguita
FI_BUILD_PATH/tools-6.7-amd64/fuguita/.
FI_BUILD_PATH/tools-6.7-amd64/fuguita/./usr
〜 省略 〜
FI_BUILD_PATH/tools-6.7-amd64/fuguita/./.cshrc
FI_BUILD_PATH/tools-6.7-amd64/fuguita/./.profile
#
***河豚板のカスタマイズ作業を実施 [#w5fe26a3]
fuguitaディレクトリ内に入り、あなたの行いたいカスタマイズを行います。~
単純なファイル動作(ファイルのコピーや編集)であれば、chrootを行う必要はありません。
# cd FI_BUILD_PATH/tools-6.7-amd64
# chroot fuguita /bin/ksh -l
# 〜 カスタマイズ作業 〜
:
:
# exit
# make close-fuguita
umount fuguita
vnconfig -u vnd2
#
***ブートローダとカーネルのセットアップ [#af76f3a2]
先に更新したRAMディスクファイルシステムのイメージをカーネルに書き込みます。
DVD用のブートローダと、カーネルをISOファイルシステム内に書き込みます。
# make boot
cp bsd.orig bsd
rdsetroot bsd rdroot.img
gzip -c9 bsd > media/bsd-fi
cp bsd.mp.orig bsd.mp
rdsetroot bsd.mp rdroot.img
gzip -c9 bsd.mp > media/bsd-fi.mp
cp lib/cdbr lib/cdboot media/.
[ -d media/etc ] || mkdir media/etc
cp lib/boot.conf media/etc/.
: '[ -d media/sbin ] || mkdir media/sbin'
: 'cp -p /sbin/vnconfig media/sbin; strip media/sbin/vnconfig'
: '/usr/mdec/installboot -v media/boot /usr/mdec/biosboot vnd1'
#
***配布用ISOイメージファイルの作成 [#e42504c4]
ISOファイルシステムに書き込むファイルツリーをISOイメージファイルに変換します。
# make hyb
make open-fuguita
vnconfig vnd2 media/fuguita-6.7-amd64.ffsimg
mount /dev/vnd2a fuguita
echo "6.7-amd64-20200907$((0+1))" > fuguita/usr/fuguita/version
make close-fuguita
umount fuguita
vnconfig -u vnd2
mkhybrid -a -R -L -l -d -D -N -o livecd.iso -v -v -A "FuguIta - OpenBSD Live System"
-P "Copyright (c) `date +%Y` KAWAMATA Yoshihiro" -p "KAWAMATA Yoshihiro, http://fuguita.org/"
-V "FuguIta-6.7-amd64-20200907$((0+1))" -b cdbr -c boot.catalog media && echo $((0+1)) > revcount_cdmaster
mkhybrid 1.12b5.1
Scanning media
Scanning media/etc
Size of boot image is 4 sectors -> No-emulation CD boot sector
Total translation table size: 0
Total rockridge attributes bytes: 1035
Total directory bytes: 2048
Path table size(bytes): 22
466757 extents written (911 Mb)
# make close-media
umount media
vnconfig -u vnd1
#
生成されたISOイメージファイルを所定のファイル名で圧縮します。
# make cdgz
ln livecd.iso FuguIta-6.7-amd64-202009071.iso
gzip -v9 FuguIta-6.7-amd64-202009071.iso
FuguIta-6.7-amd64-202009071.iso: 67.7% -- replaced with FuguIta-6.7-amd64-202009071.iso.gz
955918336 bytes in, 309095869 bytes out
#
***Makefile ターゲット一覧 [#c647d459]
河豚板のISOイメージ構築で用いられるmakeコマンドの引数(ターゲット)は以下の通りです。~
これらは全てディレクトリFI_BUILD_PATH/tools-6.7-amd64上で行う必要があります。
|make ターゲット|動作|h
|open-rdroot |rdroot.img内のファイルシステムをrdrootにマウントします|
|open-media |media.img内のファイルシステムをmediaにマウントします|
|open-fuguita |media/fuguita-*-*.ffsimg内のファイルシステムをfuguitaにマウントします&br;(予めmake open-mediaを行う必要があります)|
|close-rdroot |rdrootのマウントを解除します|
|close-media |mediaのマウントを解除します&br;(予めmake close-fuguitaを行う必要があります)|
|close-fuguita |fuguitaのマウントを解除します|
|close-all |構築環境の全てのマウントを解除します|
|boot |rdrootをカーネルに組込み、ISOコンテンツ内にコピーします|
|hyb |ISOコンテンツをISOイメージファイルに変換します|
|cdgz |ISOイメージファイルを圧縮します|
>''【メモ】''~
''⇒''nabekenさんという方が河豚板を基にして[[myFuguita>https://github.com/nabeken/myfuguita]]というライブシステムを作成されています。myFuguitaは、河豚板の構築環境をOpenBSDの標準ビルドシステムに組み込み、amd64アーキテクチャで動作するように改良したものです。
**河豚板のディスクイメージを作る [#z05e6da1]
この節では、LiveUSBのディスクイメージファイルを作成する方法を紹介します。
usbfadm の newdrive を実行します;
? : ? ->newdrive
Please make sure the device inserted.
Then press ENTER ->
==== disk(s) and vnode devices ============================
sd0 at scsibus1 targ 0 lun 0: <ATA, Hitachi HTS72757, JF4O>
sd0: 715404MB, 512 bytes/sector, 1465149168 sectors
sd1 at scsibus2 targ 1 lun 0: <UFD 3.0, Silicon-Power32G, 1.00>
sd1: 29624MB, 512 bytes/sector, 60669952 sectors
sd2 at scsibus5 targ 1 lun 0: <BUFFALO, USB Flash Disk, 4000>
sd2: 7788MB, 512 bytes/sector, 15950592 sectors
vnd0: not in use
vnd1: not in use
vnd2: not in use
vnd3: not in use
vnd4: not in use
vnd5: covering /sysmedia/fuguita-6.4-amd64.ffsimg on sd1a, inode 9
============================================================
Enter the name of device which FuguIta will be installed->vnd0 ←未使用のvnodeデバイスを指定
Enter size of a vnode device file.
You can add suffix K, M, G or T (otherwise considered 'bytes').
->2g ←イメージファイルのサイズを
指定
2048+0 records in
2048+0 records out
2147483648 bytes transferred in 3.076 secs (698129518 bytes/sec)
Disk: vnd0 geometry: 41943/1/100 [4194304 Sectors]
Offset: 0 Signature: 0x0
Starting Ending LBA Info:
#: id C H S - C H S [ start: size ]
-------------------------------------------------------------------------------
0: 00 0 0 0 - 0 0 0 [ 0: 0 ] unused
1: 00 0 0 0 - 0 0 0 [ 0: 0 ] unused
2: 00 0 0 0 - 0 0 0 [ 0: 0 ] unused
3: 00 0 0 0 - 0 0 0 [ 0: 0 ] unused
Select partition type:
1: [MBR]
2: GPT
3: Hybrid (not recommended if you wish modify partitioning later)
->
〜 略 〜
** Phase 5 - Check Cyl groups
3 files, 3 used, 386996 free (20 frags, 48372 blocks, 0.0% fragmentation)
? : ? ->bye
Bye bye...
$
以上の操作でカレントディレクトリ上にディスクイメージファイルが作成されます。ファイル名は配布されているものと同じ、「FuguIta-OpenBSDバージョン-プラットフォーム-リリース.img」の形式となります。
**河豚板をアプリケーションの専用マシンにする [#a09cd894]
河豚板は書込み可能なファイルをすべてメモリ上に持っているため、シャットダウン操作等を行わずいきなり電源を断にしたりしてもファイルシステムに不具合が発生することはありません。~
また稼動中にusbfadmによるファイルの保存を行わない限りは、毎回同じ状態でシステムが立上ります。
このような特徴を利用して、河豚板をベースにして特定のアプリケーションを実行するための専用のマシン(ターンキーシステム: Turn Key System)などを作成することができます。
このようなシステムを構築するためには、今までに説明してきたテクニックを組合せて使います;
-まず運用環境を整える。~
起動モード0で立ち上げて、各種設定やアプリケーションのインストール等を行い、目的の動作をするように環境構築をする。
-[[構築した環境をusbfadmにてUSBメモリなどに保存する>#k57e4ba1]]。
-[[モード3で起動し、保存した環境で立ち上がるようにnoasksファイルを設定する>#b493ab9a]]。
-ログイン操作なしでアプリケーションが立ち上がるように ttys(5) ファイルを編集する。
これらの詳細な手順は、このサイトにある [[EBUG勉強会/20140507_実用で使う河豚板]] という資料で説明しておりますのでご参照下さい。
**河豚板の開発ツールを使う [#m0eda68f]
河豚板は不定期ではありますが、ライブシステム構築のために使用しているツールを公開しています。
この構築ツールを使用することで河豚板を改造した独自のライブシステムを作成することができます。
*** 作業環境の準備 [#qc10b45a]
-必要なもの
--OpenBSDインストーラにより導入した通常のOpenBSD動作環境一式。
--カーネルのソースツリー (カーネルを再生成する場合に必要)
--[[河豚板のビルドツール>http://mirror.ginzado.ne.jp/pub/FuguIta/tools/]]
--ISOイメージに焼き込む内容(OpenBSDのファイルツリー一式)
-作業条件
--上記「必要なもの」で挙げたものはすべてOpenBSDの同じバージョンのものである必要があります。
--全ての操作はroot権限で行います。
次節以降で、作成手順について解説します。~
この作業例はOpenBSDのバージョンとして、OpenBSD 5.8を想定し、/tools-5.8 を作業ディレクトリとして仮定しています。
*** ビルドツールの取得と展開 [#ya815268]
ビルドツールは配布サイトの tools ディレクトリにありますので、ISOイメージなどと同じ方法で取得を行います。
# cd /root
# ftp http://mirror.ginzado.ne.jp/pub/FuguIta/tools/tools-5.8.tar.gz
Trying 110.92.1.251...
Requesting http://mirror.ginzado.ne.jp/pub/FuguIta/tools/tools-5.8.tar.gz
100% |**************************************************| 12091 KB 00:06
12381448 bytes received in 6.20 seconds (1.90 MB/s)
# tar xvzf tools-5.8.tar.gz
# mv tools-5.8 /tools-5.8
# cd /tools-5.8
# ls -l
total 51264
-rw-r--r-- 1 root wheel 5366 Apr 4 06:18 Makefile
lrwxr-xr-x 1 root 1000 35 Oct 21 2013 bsd.mp.orig -> sys/arch/i386
/compile/RDROOT.MP/bsd
lrwxr-xr-x 1 root 1000 32 Oct 21 2013 bsd.orig -> sys/arch/i386/co
mpile/RDROOT/bsd
drwxr-xr-x 2 root wheel 512 May 1 16:43 fuguita
drwxr-xr-x 5 root wheel 512 Apr 6 14:51 lib
drwxr-xr-x 2 root wheel 512 Sep 28 2012 media
-rw-r--r-- 1 root wheel 734003200 May 11 17:57 media.img
drwxr-xr-x 2 root wheel 512 Oct 6 2010 rdroot
-rw-r--r-- 1 root wheel 1945600 Apr 28 23:47 rdroot.img
drwxr-xr-x 26 root wheel 512 May 12 10:56 sys
*** カーネルの生成 (必要に応じて) [#z49b30f8]
標準のカーネル(GENERIC)と異なる機能のカーネルを使用したい場合は、この手順を実施します。
カーネルソースを展開した後、シングルプロセッサ用、マルチプロセッサ用それぞれのカーネルを生成します。
# cd /usr/src
# ftp ftp://ftp.jaist.ac.jp/pub/OpenBSD/5.8/sys.tar.gz
Connected to ftp.jaist.ac.jp.
220 (vsFTPd 3.0.2)
331 Please specify the password.
230-Welcome to JAIST Public Mirror Service (ftp.jaist.ac.jp).
230-If you have any problem, please contact ftp-admin@jaist.ac.jp.
230 Login successful.
Remote system type is UNIX.
Using binary mode to transfer files.
200 Switching to Binary mode.
250 Directory successfully changed.
Retrieving pub/OpenBSD/5.8/sys.tar.gz
local: sys.tar.gz remote: sys.tar.gz
150 Opening BINARY mode data connection for sys.tar.gz (20483072 bytes).
100% |**************************************************| 20003 KB 00:05
226 Transfer complete.
20483072 bytes received in 5.51 seconds (3.55 MB/s)
221 Goodbye.
# tar xzf sys.tar.gz
# cd /tools-5.8/sys/arch/i386/conf
# ls -l
total 0
lrwxr-xr-x 1 root wheel 35 May 12 10:55 GENERIC -> /usr/src/sys/arch/i386/co
nf/GENERIC
lrwxr-xr-x 1 root wheel 38 May 12 10:55 GENERIC.MP -> /usr/src/sys/arch/i386
/conf/GENERIC.MP
lrwxr-xr-x 1 root wheel 41 May 12 10:55 Makefile.i386 -> /usr/src/sys/arch/i
386/conf/Makefile.i386
lrwxr-xr-x 1 root wheel 35 May 12 10:55 RAMDISK -> /usr/src/sys/arch/i386/co
nf/RAMDISK
lrwxr-xr-x 1 root wheel 38 May 12 10:55 RAMDISK_CD -> /usr/src/sys/arch/i386
/conf/RAMDISK_CD
lrwxr-xr-x 1 root wheel 22 May 11 16:07 RDROOT -> ../../../../lib/RDROOT
lrwxr-xr-x 1 root wheel 25 May 11 16:07 RDROOT.MP -> ../../../../lib/RDROOT.MP
lrwxr-xr-x 1 root GC Warning:GC Warning: Repeated allocation of very large bl
ock (appr. size 131072):
May lead to memory leak and poor performance.
Repeated allocation of very large block (appr. size 131072):
May lead to memory leak and poor performance.
wheel 38 May 12 10:55 files.i386 -> /usr/src/sys/arch/i386/conf/files.i386
# config RDROOT
Kernel options have changed -- you must run "make clean"
# config RDROOT.MP
Kernel options have changed -- you must run "make clean"
# cd ../compile/RDROOT
# make clean; make depend; make
# cd ../RDROOT.MP
# make clean; make depend; make
ルートファイルシステム(rd)とコンパイルしたカーネルを結合します。
# cd /tools-5.8
# make open-media
# make boot
# make close-all
*** ISOイメージに焼き込むファイルの準備 [#c090a219]
注)usbfadmコマンドはrsyncコマンドとrlwrapコマンドを使用するので、それらをpkg_addコマンドで追加しておきます。
# cd /tools-5.8
# make open-media
vnconfig vnd1 media.img
mount /dev/vnd1a media
# make open-fuguita
vnconfig vnd2 media/fuguita.ffsimg
mount /dev/vnd2a fuguita
# df -h
Filesystem Size Used Avail Capacity Mounted on
/dev/wd0a 17.4G 703M 15.8G 4% /
/dev/vnd1a 700M 697M 2.7M 100% /tools-5.8/media
/dev/vnd2a 676M 512B 676M 0% /tools-5.8/fuguita
# cd (ISOイメージに焼くファイルツリーのトップディレクトリ)
# pax -rwpe . /tools-5.8/fuguita/.
./tools-5.8/fuguita/./.cshrc
./tools-5.8/fuguita/./.profile
./tools-5.8/fuguita/./altroot
./tools-5.8/fuguita/./bin
./tools-5.8/fuguita/./bin/[
:
(snip)
:
./tools-5.8/fuguita/./var/cache/fontconfig/CACHEDIR.TAG
./tools-5.8/fuguita/./var/cache/fontconfig/a1a78d9c18cd095d3829c724810e6ffb-le3
2d8.cache-4
./tools-5.8/fuguita/./var/cache/fontconfig/ba022efc551c75e21c690774bbcf5304-le3
2d8.cache-4
./tools-5.8/fuguita/./var/cache/fontconfig/bc06c1eea3e636f72101cafc3fb39508-le3
2d8.cache-4
./tools-5.8/fuguita/./var/cache/fontconfig/c5f5d66d15c24edc3e863c27139db87e-le3
2d8.cache-4
./tools-5.8/fuguita/./var/cache/fontconfig/f22309b238134d3cca63435f528976cd-le3
2d8.cache-4
# cd /tools-5.8/fuguita
# ls -l
total 56
-rw-r--r-- 1 root wheel 578 Mar 9 01:51 .cshrc
-rw-r--r-- 1 root wheel 468 Mar 9 01:51 .profile
drwxr-xr-x 2 root wheel 512 Mar 9 01:51 altroot
drwxr-xr-x 2 root wheel 1024 Mar 9 01:52 bin
drwxr-xr-x 3 root wheel 19456 Jun 3 00:27 dev
drwxr-xr-x 22 root wheel 1536 Jun 3 00:18 etc
drwxr-xr-x 2 root wheel 512 Mar 9 01:51 home
drwxr-xr-x 2 root wheel 512 Mar 9 01:51 mnt
drwx------ 2 root wheel 512 Jun 3 00:37 root
drwxr-xr-x 2 root wheel 1536 Mar 9 01:52 sbin
drwxrwxrwt 6 root wheel 512 Jun 3 00:37 tmp
drwxr-xr-x 16 root wheel 512 Mar 7 20:04 usr
drwxr-xr-x 21 root wheel 512 Mar 7 20:04 var
不必要なファイルを削除したり、ファイルの長さを0にしたりします。
# (remove stale files ... for example ... /tmp/*, /home/*, /var/run/*.pid, etc...)
# (zeroed log files under /var/log/*)
/usr/fuguita/ 以下のディレクトリを作成します。 ... 河豚板はこれらのディレクトリの有無でこのパーティションが河豚板のシステムかどうかを判別しています。
# mkdir -p /tools-5.8/fuguita/usr/fuguita/{bin,doc,include,lib,libexec,sbin,sha
re,var}
# cp -p /tools-5.8/lib/{compress_man.sh,gen_mode0sldir} /tools-5.8/fuguita/usr
/fuguita/sbin/.
# ln -s /boottmp/usbfadm /tools-5.8/fuguita/usr/fuguita/sbin/usbfadm
# ln -s /boottmp/fdadm /tools-5.8/fuguita/usr/fuguita/sbin/fdadm
*** mkhybridコマンドを使用してISOイメージを生成します。 [#b1cbea55]
# cd /tools-5.8
# ls -l
total 1087485
-rw-r--r-- 1 root wheel 5366 Apr 4 06:18 Makefile
lrwxr-xr-x 1 root 1000 35 Oct 21 2013 bsd.mp.orig -> sys/arch/i386
/compile/RDROOT.MP/bsd
lrwxr-xr-x 1 root 1000 32 Oct 21 2013 bsd.orig -> sys/arch/i386/co
mpile/RDROOT/bsd
drwxr-xr-x 13 root wheel 512 Jun 3 00:56 fuguita
drwxr-xr-x 5 root wheel 512 Apr 6 14:51 lib
drwxr-xr-x 3 root wheel 512 Apr 14 2012 media
-rw-r--r-- 1 root wheel 734003200 Jun 3 00:59 media.img
drwxr-xr-x 2 root wheel 512 Oct 6 2010 rdroot
-rw-r--r-- 1 root wheel 1945600 Apr 28 23:47 rdroot.img
drwxr-xr-x 26 root wheel 512 May 12 10:56 sys
# ls -l /tools-5.8/media
total 1427752
-r-xr-xr-x 1 root bin 71452 Apr 4 09:52 boot
-rwxr--r-- 1 root wheel 2048 May 11 02:08 boot.catalog
-rw-r--r-- 1 root wheel 5605482 May 9 19:52 bsd-fi
-rw-r--r-- 1 root wheel 5614117 May 9 19:53 bsd-fi.mp
-r-xr-xr-x 1 root wheel 72328 May 9 19:53 cdboot
-r-xr-xr-x 1 root wheel 2048 May 9 19:53 cdbr
drwxr-xr-x 2 root wheel 512 Apr 18 2014 etc
-rw-r--r-- 1 root wheel 719388672 Jun 3 00:59 fuguita.ffsimg
# cd /tools-5.8
# ls -l fuguita
total 56
-rw-r--r-- 1 root wheel 578 Mar 9 01:51 .cshrc
-rw-r--r-- 1 root wheel 468 Mar 9 01:51 .profile
drwxr-xr-x 2 root wheel 512 Mar 9 01:51 altroot
drwxr-xr-x 2 root wheel 1024 Mar 9 01:52 bin
drwxr-xr-x 3 root wheel 19456 Jun 3 00:27 dev
drwxr-xr-x 22 root wheel 1536 Jun 3 00:18 etc
drwxr-xr-x 2 root wheel 512 Mar 9 01:51 home
drwxr-xr-x 2 root wheel 512 Mar 9 01:51 mnt
drwx------ 2 root wheel 512 Jun 3 00:57 root
drwxr-xr-x 2 root wheel 1536 Mar 9 01:52 sbin
drwxrwxrwt 6 root wheel 512 Jun 3 00:37 tmp
drwxr-xr-x 16 root wheel 512 Mar 7 20:04 usr
drwxr-xr-x 21 root wheel 512 Mar 7 20:04 var
河豚板のシステム用vnodeデバイスとそれらのマウントを解除します。
# make close-fuguita
umount fuguita
vnconfig -u vnd2
mkhybridコマンドを実行して、ISOイメージを作成します。
# make hyb
make open-fuguita
vnconfig vnd2 media/fuguita.ffsimg
mount /dev/vnd2a fuguita
echo "5.8-20150603$((0+1))" > fuguita/usr/fuguita/version
make close-fuguita
umount fuguita
vnconfig -u vnd2
mkhybrid -a -R -L -l -d -D -N -o livecd.iso -v -v -A "FuguIta - OpenBSD Live
CD" -P "Copyright (c) `date +%Y` KAWAMATA Yoshihiro" -p "KAWAMATA Yoshihiro,
http://fuguita.org/?FuguIta" -V "FuguIta-5.8-20150603$((0+1))" -b cdbr -c bo
ot.catalog media && echo $((0+1)) > revcount_cdmaster
mkhybrid 1.12b5.1
Scanning media
Scanning media/etc
23 1202
24 456 etc
Cache hit for /..
26 60 media/boot
61 61 media/boot.catalog
62 2799 media/bsd-fi
2800 5541 media/bsd-fi.mp
5542 5577 media/cdboot
5578 5578 media/cdbr
5579 356842 media/fuguita.ffsimg
Cache hit for etc/.
Cache hit for etc/..
356843 356843 media/etc/boot.conf
356844 356844 media/etc/random.seed
Size of boot image is 4 sectors -> No-emulation CD boot sector
Total extents scheduled to be written = 356845
1.40% done, estimate finish Wed Jun 3 01:10:36 2015
2.81% done, estimate finish Wed Jun 3 01:08:14 2015
:
(snip)
:
98.08% done, estimate finish Wed Jun 3 01:14:35 2015
99.48% done, estimate finish Wed Jun 3 01:14:27 2015
Total translation table size: 0
Total rockridge attributes bytes: 1101
Total directory bytes: 2048
Path table size(bytes): 22
Max brk space used 0
356845 extents written (696 Mb)
全てのイメージファイルを閉じます。
# make close-all
umount fuguita
umount: fuguita: not currently mounted
*** Error 1 in target 'close-fuguita' (ignored)
vnconfig -u vnd2
vnconfig: VNDIOCCLR: Device not configured
*** Error 1 in target 'close-fuguita' (ignored)
umount media
vnconfig -u vnd1
umount rdroot
umount: rdroot: not currently mounted
*** Error 1 in target 'close-rdroot' (ignored)
vnconfig -u vnd0
vnconfig: VNDIOCCLR: Device not configured
*** Error 1 in target 'close-rdroot' (ignored)
# ls -l
total 2515268
-rw-r--r-- 1 root wheel 5366 Apr 4 06:18 Makefile
lrwxr-xr-x 1 root 1000 35 Oct 21 2013 bsd.mp.orig -> sys/arch/i386
/compile/RDROOT.MP/bsd
lrwxr-xr-x 1 root 1000 32 Oct 21 2013 bsd.orig -> sys/arch/i386/co
mpile/RDROOT/bsd
drwxr-xr-x 2 root wheel 512 May 1 16:43 fuguita
drwxr-xr-x 5 root wheel 512 Apr 6 14:51 lib
-rw-r--r-- 1 root wheel 730818560 Jun 3 01:14 livecd.iso
drwxr-xr-x 2 root wheel 512 Sep 28 2012 media
-rw-r--r-- 1 root wheel 734003200 Jun 3 01:21 media.img
drwxr-xr-x 2 root wheel 512 Oct 6 2010 rdroot
-rw-r--r-- 1 root wheel 1945600 Apr 28 23:47 rdroot.img
-rw-r--r-- 1 root wheel 2 Jun 3 01:14 revcount_cdmaster
drwxr-xr-x 26 root wheel 512 May 12 10:56 sys
手順は以上です。 ~
''livecd.iso'' が作成されたISOイメージとなります。
>''【メモ】''~
''⇒''nabekenさんという方が河豚板を基にして[[myFuguita>http://projects.tsuntsun.net/~nabeken/diary/OpenBSD/fuguita-5.1-amd64.html]]というライブシステムを作成されています。myFuguitaは、河豚板の構築環境をOpenBSDの標準ビルドシステムに組み込み、amd64アーキテクチャで動作するように改良したものです。
*終わりに [#i3c5a3cb]
河豚板についての説明は以上です。
このガイドでは河豚板の導入から応用・開発までを紹介しましたが、全体を通して河豚板の方向性を感じ取って頂けましたでしょうか。
河豚板は「ITにおけるアーミーナイフ」を目指しています。つまり、手軽に持ち運べ、様々な用途に利用できる、ということです。その代わり、性能的には特定用途につくられた専用のシステムにはかないませんし、初心者が何の予備知識もなしにすぐに使えるというものでもありません。
このガイドはそんな河豚板に関する取扱説明書のようなものと理解して頂ければ幸いです。
>''【メモ】''~
''⇒''作者は若い頃貧乏学生だったので、ハンダゴテとスイスアーミーナイフだけで電子工作をしていました。
そして、アーミーナイフの性能が高品質なステンレス鋼の製造や加工の技術に支えられているように河豚板の機能もまた、OpenBSDの卓越した設計と実装に支えられています。今回この文書を作成して改めてそのことを実感致しました。
長年にわたりOpenBSDの改良を進めてこられたTheo de Raadt氏を始めとするOpenBSD開発コミュニティの皆様には改めて御礼を申し上げます。~
さらに、河豚板に同梱させて頂いている種々のフリーソフトウェアに携っている方々、そして様々なユーザコミュニティの方々にも御礼を申し上げます。特にEBUG (Echigo BSD Users Group)のメンバーの方々には、配布サイトのご提供、そして様々な提言・助言を頂いており、感謝の念に絶えません。~
これらなしには10年もの間、開発を続けることは到底不可能だったろうと思います。
これらなしには10年以上もの間、開発を続けることは到底不可能だったろうと思います。
今後とも、河豚板をどうぞよろしくお願い致します。
2015年12月30日 ~
川俣 吉広
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RIGHT:2015年12月30日 作成 ~
2017年01月15日 改訂 ~
2018年08月01日 改訂 ~
2018年08月08日 改訂 ~
2019年01月15日 改訂
作成 2015年12月30日 ~
改訂 2017年1月15日、2018年8月1日、2018年8月8日、2019年1月15日、2019年5月10日、2019年3月25日、2019年11月3日、2020年2月7日、2020年6月15日、2020年9月7日、2020年10月10日、2021年2月17日